監修者:大隅識文
株式会社IPPO共同創業者/取締役
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企業はどのような理由でオフィス移転を行っているのでしょうか?
コストやスケジュールオフィス移転には外部との調整が必要な様々な要因があります。
本記事ではオフィス移転について必要な知識を網羅的に記載しています。
この記事の目次
オフィス移転の要件定義のポイント
オフィスの移転を進める際は最初の動きがとても大切です。
最初の動き方がオフィス移転の成否を左右すると言っても過言ではありません。
最初の動きで行うべきことが「目的の明確化」である。移転計画を策定するにあたり、最も重要なのが「なんのために移転をするのか」という目的を認識しましょう。
この部分が曖昧だと、多くの検討をしていく上で判断基準がブレるなど、本来の目的を達成できないため注意しましょう。
適正なオフィス面積
各スペースの現状の面積と稼働率の確認から行いましょう。
- 来客エリア
- 執務エリア
- 役員エリア
- 共有エリア など
これに利用実態や人員増加の将来計画を反映させ、適正面積を算出していきます。
テレワークやフリーアドレスなど、今までと違う形態を検討している場合はそれを加味したもので検討します。
オフィス探しの前提として重要となるのは、必要面積「どれくらいの広さが必要か」ということです。
企業により違いはありますが、一般的な指標として一人あたりスペースは10-13㎡で3-4坪になります。
オフィスの設備
個別空調の有無、消火設備、オフィス全体の電源容量や特殊電源の有無を確認しましょう。
喫煙室やキッチンなどその他、特殊機能が必要であれば換気・給排水設備も併せて確認します。
会議やMTGが多い企業であれば会議室の数やテレカンブース、フォンブースがおけるレイアウトになっているか、確認することもおすすめです。
女性社員が在籍する場合は働きやすさに繋がるため、可能な限り考慮しましょう。また、騒音・振動・臭気がないか、もしくは許容範囲かも忘れずに確認しておきましょう。
オフィスビルの構造
床補強や防音機能の必要性の有無も建物選定に大きな影響を及ぼすため、自社にどのようなスペックが必要か検討ます。
ビルによっては補強工事に対応していない物件もあるため注意が必要です。
また、安心して働くためにも新耐震や旧耐震の違いもこの際にしっかり確認しておきましょう。
移転候補先のエリア
今後の事業戦略、業務及び通勤における利便性、周辺環境、視認性などを踏まえて候補とするエリアを絞りましょう。
移転先のエリアは企業ブランディングにも繋がります。
移転先のエリアが持つイメージが企業に紐付くため、採用力を強化するためにも慎重に選びましょう。
内見は1、2回ですが、移転後の出勤は何百回、何千回にも及ぶため、交通の便も併せて確認すると良いでしょう。
オフィス移転に必要な費用
賃料(共益費も含む)や通勤費等のランニングコスト、入居工事・移転費等のイニシャルコストについてシミュレーションを行ないます。
水光熱費はビルによって課金方法が異なるため、確認しておきましょう。
「敷金の預入れや予算執行のタイミングはどの期になるのか」など、キャッシュフロー面も検討しておくことが大切です。
オフィス移転では、初期コストや固定費に目が行きがちですが、退去時のコストも含めた金額で考えると満足感の高いオフィス移転にできます。
オフィス移転でのスケジュール
自社で定めた移転目標時期を指標にしましょう。
オフィスは、自社に合った物件に巡り会えるかどうかは、運も関係します。
余裕を持ったスケジュールを組み、オフィス物件を比較検討できる時間を十分に確保しましょう。
オフィス移転の専門業者選定のポイント
オフィス移転では、入居先オフィスの選定・内装工事(レイアウト)から退去するオフィスの原状回復などさまざまな専門業者と調整しなければなりません。
オフィス移転仲介業者の選び方
オフィス移転仲介業者とは、オフィスとして入居・購入可能な物件を持つオーナーとの間に立って仲介を行う業者です。
オフィスの移転計画を策定する際は、オフィス仲介業者の選定もおこないましょう。
適切なオフィス移転仲介業者を選定することで、経営者、従業員ともに納得感のあるオフィス移転が可能です。
- 複数のオフィス移転仲介業者に介し、営業担当者とのコミュニケーションなど比較検討する※1
- オフィス移転仲介業者の得意分野を見極める※2
- 会社の成長フェーズに適した提案をしてくれるオフィス移転仲介業者を選ぶ
※1 複数の業者に物件の選定・価格交渉を依頼することは避けましょう(オフィスのオーナーは複数の業者経由で同じ企業から価格交渉を受けることになり、不信感につながりかねないため)。
※2 オフィス移転仲介業者はそれぞれ強みを持つ分野・得意領域があり、希望を叶えてくれそうな業者を選択しましょう。
オフィス移転仲介業者は、サービスオフィスを専門にしている、スタートアップやベンチャー企業・中堅企業専門にしている、大企業向けの大規模オフィスへの移転を専門にしているなどさまざまです。
専門性が高いオフィス移転仲介業者は特徴があるため、移転プロジェクトを伴走してくれるオフィス移転仲介業者を選びましょう。
内装業者の選び方
入居するオフィスを選んだ後は、内装業者の選びましょう。
オフィス内装工事を行うことにより、見た目や雰囲気を一新できます。
オフィスデザイン会社の形態やサービス内容を把握したうえで、開設予定の内装デザインを依頼する内装業者を選びましょう。
- 内装業者の公式サイトでデザイン実績を調べる ※1
- オフィスデザインから施工管理まで一括で依頼できる ※2
※1 業者によってデザインの得意分野やテイストが異なります。
※2 ひとつの内装業者で全ての工事を完了できれば、移転プロジェクトの進行が早く、工数削減や移転期間の短縮につながります。
会社のホームページブやSNSでオフィスデザインの実績や施工報告などの情報を発信しています。
自社オフィスのコンセプトに近いデザイン実績をもっている内装業者を探すと満足度の高いオフィス移転が実現できます。
ひとつの内装会社にまとめて依頼できれば、相談する時間や費用も削減でき、デザインと施工が異なるというトラブルを回避できます。
複数の内装業社や施工業社を利用すると、やり取りの手間が増え、中間手数料がかかる場合があります。
引っ越し業者の選び方
オフィスの移転は、一般家庭の引っ越しとは異なります。
荷物を運び入れるだけでなく、レイアウトに沿った配置やLANケーブルの配線作業などが必要です。
複数の業者を比較して相場を知ることで、自社の条件に合い、最も費用を抑えられる引越し業者を選べます。
大規模なオフィス移転に対応可能な引っ越し業者と対応不可の引っ越し業者があるため、依頼する際は注意が必要です。
オフィス引越し料金は社員1人あたり2~5万円かかると言われていますが、物件や荷量などの条件によっても異なります。
オフィス移転では、不要なものを処分し、必要最小限の荷物にまとめましょう。
また、精密機器を運ぶオフィスの引越しでは「引越し安心マーク」がついている業者を選ぶことがおすすめです。
オフィス移転に必要な費用とは
オフィス移転にかかる費用は入居時と退去時それぞれ項目が違い、金額も異なります。
事前に内容や概算を把握しておくことで、スムーズなオフィス移転が実現できます。
オフィスへの入居時に必要な費用
入居時には、敷金(保証金)、礼金、保証会社費用、仲介手数料、火災保険料、C工事、B工事があります。
敷金(保証金)
敷金(保証金)とは、移転先の物件が決定し、賃貸借契約締結をする際に貸主に支払う費用です。
敷金は退去時に基本的に全額返却されます。入居時に賃料の3、6、12ヶ月分がよく提示される金額です。
別途「償却○ヶ月」の決まりがある場合、その○ヶ月分の金額は返却されないため、注意しましょう。
償却2ヶ月が含まれる場合、退去時は480万円のみ返還されます。
礼金
礼金とは、敷金と同様、賃貸借契約締結の際に貸主へ支払う費用です。
オフィスビルによって礼金が必要ないこともあります。
中小規模のオフィスビルは、一般的に賃料の1~3ヶ月の金額を支払うことが多いといわれています。
オフィス移転時は礼金も事前に試算しておくと安心です。
保証会社費用
オフィスビルによって保証会社の利用が必要になることがあります。
保証会社に支払う費用は家賃○ヶ月分や契約期間における家賃総額の○%など、保証会社によって異なります。
保証会社は借主が選べないことが多いため、賃貸借契約の締結前に漏れなく、確認しましょう。
その他 | 内容 |
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仲介手数料 | オフィス移転の仲介手数料は入居先ビルを仲介した不動産会社へ支払う費用賃料の1ヶ月が相場です。 ※仲介手数料を無料としている会社もあります。 |
火災保険料 | 火災保険は原則、必須の費用です。 ※火災保険料は保証内容によって、変動します。 |
B工事 | 新しいオフィスビルの入居時にビル指定の業者が行う工事です。 ※一般的にC工事より高額になりやすく、空調設備や防災設備などの設備系工事が対象 ※貸主が大手不動産会社や新築、ハイグレードオフィスビルの場合、業者指定が多い |
C工事 | オフィス内部の工事で、夜間工事の場合は一般的に1.2〜1.5倍の料金になることが多い |
オフィスから退去する時に必要な費用
退去時の費用には、引越し運搬費用や原状回復費用、廃棄費用が必要です。
原状回復費用
原状回復工事とは、一般的に現在の状態から入居時の状態に戻す工事です。
入居する企業には、設置した仕切りや諸設備を取り除き、貸主に返却する義務があり、必ず原状回復工事を実施しなければなりません。
多くの場合、ビルオーナーが指定する工事会社への発注することになります。費用は工事内容により変動します。
「5万円/坪」以下で収まる場合もあれば、こだわりの内部造作がある場合は「10万円/坪」を超える場合もあります。
原状回復工事が必要な範囲は、賃貸借契約内で規定が決まっているため、入居時に事前に想定が可能です。
引越し運搬費用
オフィス移転は既に保有している什器類やOA機器をそのまま使うことが多いと思います。
きちんと運搬しないと破損してしまう可能性があるため、安全に運搬できるようにオフィス移転専門の引っ越し業者へ相談しましょう。
廃棄費用
オフィス移転は不要なものを整理する機会でもあります。
廃棄で発生する費用も念頭に入れておきましょう。
家具や什器は移転先で使わないものが廃棄対象となり、サイズの大きなものは廃棄費用もかかるため、注意が必要です。
電子化など書類を移転の機会に管理方法を見直す(電子化など)ことで次のオフィスでの管理が楽になります。
オフィス移転のスケジュール
オフィスの移転にかかる期間は、新オフィスの検索開始から現オフィスの退去(原状回復工事完了)までを考慮するとおよそ「9ヶ月」の期間が必要です。
オフィス入居の移転スケジュール
移転スケジュールを大きく分けると、4つのステップで行います。
オフィス移転は3月の時期に集中しやすい傾向があります。
物件選定は時間をかけてじっくり取り組みたい場合は余裕を持って動き始めましょう。
内装工事会社はデザイン、金額をしっかり吟味して決めたいなどの意向がある場合は、移転にかかる期間を長めに取り、見積もりスケジュールを確保することがおすすめです。
オフィス退去の移転スケジュール
退去時には賃貸借契約書の確認やガス、電気、インターネット、電気回線の手続き、取引先へ移転の連絡が必要です。
賃貸借契約書の確認(解約予告期間・敷金や委託金の返却時期)
旧オフィスの解約は退去する6カ月前に、オーナーやビル管理会社へ解約通知を出すことが一般的とされています。
オフィスの規模によっては3カ月前の場合もあるため、敷金の返却時期と併せて事前に確認しておくとよいでしょう。
ガス、電気、インターネットや電話回線の手続き
移転前に現オフィスのガスや電気、インターネット・電話回線の解約手続きと移転先の契約の手続きを行いましょう。
ガスなどの手続きは立ち合いが必要なため、余裕を持って日程を決めておきましょう。
また、インターネット回線は契約してから実際に回線工事を行うまでの時間がかかることが多いため、新オフィスが決まった段階で早めに手続きすることがおすすめです。
取引先へ移転の連絡
お得意先や取引先の方への移転の連絡を、移転前に行いましょう。
移転を機に住所や電話番号などが変わる場合、全ての関係者に伝えるのがビジネスマナーです。
移転のお知らせを失礼なくメールやハガキでお知らせしましょう。
オフィス移転に必要書類
オフィスの申込時の必要な書類一覧は以下です。
- 決算報告書3期分(損益計算書(PL)、賃借対照方(BS)、販管費管理費、勘定科目)
- 会社概要資料
- 連帯保証人の本人確認書類
- 連帯保証人の収入証明書
- 登記簿謄本の写し
スタートアップ・ベンチャー企業の場合、今期の試算表、事業計画書、資金調達のプレスリリース、代表の経歴書などが求められることもあります。
オフィス移転で発生しやすいトラブル
入居時、退去時にはトラブルが発生しやすいため、入念に確認しておきましょう。
入居時に起きやすいトラブル
貸方基準・館内細則の内容を精査しましょう。
契約後に認識の相違などからトラブルが発生しないように注意することが重要です。
B/C工事の区分についても確認を行っておきましょう。
工事 | 内容 |
---|---|
B工事 | テナントの要望によりテナントの費用で貸主の指定する施工主が行う工事 |
C工事 | テナントの費用でテナントの指定する施工者が行う内装工事 |
退去時に起きやすいトラブル
契約解除の意思表示(解約予告)をする必要があります。
借りているオフィスビルにより違いはありますが、目安3ヶ月〜6ヶ月前に解約予告を出すことが多いです。
併せて原状回復工事の修繕範囲の確認と手配を行いましょう。
オフィスの種類
オフィスには、賃貸オフィス、セットアップオフィス、シェアオフィス(個室タイプ)、コワーキングスペース、バーチャルオフィスなどがあります。
賃貸オフィスの特徴やメリット・デメリット
賃貸オフィスとは、商業ビルの一室やワンフロアを長期賃貸借契約する従来からある形態のオフィスです。
メリット | デメリット |
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・企業の信頼性を高める効果がある ・内装の改装が可能 ・オフィス管理も効率的 ・立地を自由に選ぶことができる | ・初期費用が高くなる ・入居後のランニングコストが必要 ・入居までに時間がかかる |
賃貸オフィスは、SOHO(マンションの一室)やシェアオフィスと比べて、企業の住所が賃貸オフィスであれば、見込み客や顧客から信頼を得やすいといえます。
また、会社のイメージや社員の労働環境(アクセスなど)を考慮したエリアを選べます。
さらに賃貸オフィスは、自社が考える内装工事が可能で、貸主がオフィスのメンテナンスをおこないます。
※オフィスの管理費は賃料に含まれるため
一方で、賃料オフィスは入居時に数カ月分の家賃を保証金として支払うことが多く、オフィス機器の準備費用も必要です。
また、入居後は光熱費やその他の経費など固定費や清掃費用も必要です。
さらに賃料オフィスは物件探し、審査、内装工事など賃貸オフィスならではの手続きがあり、入居までに時間がかかります。
- 会社で在庫を抱えており、広いスペースが必要
- レイアウトやデザインにこだわりがある
賃貸オフィスは、サービスオフィスと同額の賃料で、より広い面積を借りられます。
執務スペースを広く確保したい、オフィス内で在庫を管理している場合は賃貸オフィスがおすすめです。
サービスオフィスは、レイアウトや内装デザインは既に用意されています。
賃貸オフィスはレイアウトやデザインを、企業イメージや経営課題の解決、採用計画、従業員のモチベーションアップなど目的に応じて内装を作れます。
セットアップオフィスの特徴やメリット・デメリット
セットアップオフィスとは、入居可能なオフィス物件で、既に内装やオフィス家具が設置された状態のオフィスです。
会議室や受付の造作間仕切り、イス・デスクなど什器が用意された状態で貸し出すオフィス形態です。
メリット | デメリット |
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・デザイン性の高いオフィス ・工事費用、期間を抑えられる | ・追加工事ができない場合がある ・賃料が高い |
セットアップオフィスは、おしゃれな内装が施されたデザイナーズオフィスであることが多く、人材採用にも効果があります。
また、内装工事費用がほとんどかからず、賃貸オフィスと比べても内装工事期間が短く済みます。
即日入居可能で契約手続き完了後すぐに移転できるオフィスもあります。
一方で、「会議室などの追加工事ができない」「賃貸オフィスよりも賃料が高めに設定されている」といったデメリットもあります。
入居期間が5年を超える場合、オフィスにかかる費用が高額になる可能性があるため、注意しましょう。
セットアップオフィスは募集数が少なく、人気のセットアップオフィスはすぐに入居者が決まってしまいます。
- オフィス移転に手間や時間、お金をかけたくない
- スタートアップ・ベンチャー企業
- レンタルオフィスからの移転(オフィスビルグレードを落としたくない)
- オフィス移転の初期費用を抑えたい
- 短期間(3年程度以内)で移転する可能性が高い
事業拡大により現オフィスが手狭になっているが、オフィス移転に予算をかけられない
増員計画があるため、2年を目安には再度移転するかもしれない
セットアップオフィスは、成長段階のスタートアップ・ベンチャー企業におすすめです。
シェアオフィス(個室タイプ)の特徴やメリット・デメリット
シェアオフィスは複数の企業や個人が共同で利用するため、コストを抑えられます。
賃貸オフィスと違い、入居企業や個人と交流することができる点もシェアオフィスの魅力のひとつです。
メリット | デメリット |
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・コミュニケーションが図れる ・立地が優れている ・初期費用を大幅に削減できる ・すぐに仕事を始められる ・月額の賃料が安い | ・情報漏えいリスクがある ・会議室など共有設備の利用は空き状況に左右される |
シェアオフィスは同じフロアに多くの企業が入居しているため、社外・異業種同士でコミュニケーションが図りやすいというメリットがあります。
また、入居企業の業界、業種もさまざまで新たな発想が生まれやすい傾向があります。
シェアオフィスは主要駅やビジネス街に拠点を構えており、通勤や営業活動がしやすく、知名度の高いオフィスビルや立地に優れたオフィスへ入居できます。
賃貸オフィスの場合、敷金や礼金など初期費用が必要ですが、シェアオフィスでは入会金と初月賃料を支払えばすぐに利用でき、費用を抑えられます。
デスクやチェア、複合機などの什器も備え付けられており、オフィス家具や什器を購入する手間や契約せずに業務を始められます。
東京都内のシェアオフィスは、賃料相場は月2万円~3万円ほどと月額賃料が比較的安く済み、初期費用を削減できます。
一方で、シェアオフィスにもデメリットがあります。
シェアオフィスには、自社以外の人間がたくさん出入りしています。
入退室管理などのセキュリティに課題があるなど、機密情報の取り扱いに注意が必要です。
機密情報を頻繁に扱う場合、個室付きのシェアオフィスを利用しましょう。
シェアオフィスの貸し会議室は完全予約制のため、急な予約やキャンセルがしにくい傾向があります。
- 一人または少人数で起業したばかりのスタートアップ・ベンチャー企業
- 来客が多い業種の企業
シェアオフィスは初期費用が抑えられるため、資金調達前のスタートアップ・ベンチャー企業におすすめです。
受付スタッフも常駐しており、利便性も高く、経営者同士の交流も盛んとなります。
エントランスやフリースペースがしっかりしているため、お客様の信頼感につながります。
フリースペースやフォンブース、会議室などを利用でき顧客に応じて対応できる点もおすすめです。
コワーキングスペースの特徴やメリット・デメリット
コワーキングスペースとは、企業毎に専用の執務室を貸し出すのではなく、共有スペースにて仕事をおこないます。
コワーキングスペースはデスクや個室を契約できるプランもあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・低コストで作業場を確保できる ・人脈が広がる ・清掃やゴミ捨てなど手間がかからない ・必要に応じて会議室を利用できる | ・作業に集中できない可能性がある ・セキュリティ面の懸念がある ・座席が確保できない場合がある ・空調など環境面における懸念がある |
コワーキングスペースは、インターネット環境やデスク、チェアなどの設備が揃っています。
コワーキングスペースは低コストで入居でき、執務スペースの確保だけであれば、賃貸オフィスやサービスオフィスよりコスト削減が可能です。
また、他の利用者と交流を図れるフリースペースや、業務委託先となるフリーランスともつながりやすいメリットがあります。
また、他の利用者と新たなビジネスへとつながる機会も広がります。
コワーキングスペースでは、運営会社が清掃やゴミ捨てなど施設管理をおこなってくれ、業務に集中できます。
コワーキングスペース内には会議室があることも多く、顧客との打ち合わせやオンライン会議がおこなえます。
一方で、コワーキングスペースにもデメリットがあります。
他の入居者と気軽に交流が図れる反面、「周囲の雑談や騒音が気になり仕事が進まない」という懸念もあります。
周囲の出入りや声を気にせずに作業をおこないたい場合、個室付きのコワーキングスペースを利用しましょう。
また、コワーキングスペースでは不特定多数の人が集まるため、情報の取り扱いには注意が必要です。
施設の通信環境やセキュリティ体制も確認しましょう。離席時のPCロックや社外秘資料の取り扱いには十分に注意をしましょう。
コワーキングスペースはフリーアドレス制を採用しています。
自分の好きな時間やデスクで仕事ができるメリットがある反面、混雑時は座席が確保できない恐れがあります。
席の確保に不安がある場合、リアルタイムで状況が確認できる、予約制を採用しているコワーキングスペースを選びましょう。
コワーキングスペースの空調は個人に合わせて設定できず、部屋毎に設定されています。
また、夜間は空調が稼働しないこともあるため、入居前に調べておきましょう。
フリーランスやスタートアップの起業家
作業に集中できる環境を確保したい企業やフリーランスにおすすめです。
近年はリモートワークや在宅勤務を併用している企業の執務スペースとしても人気があります。
バーチャルオフィスの特徴やメリット・デメリット
バーチャルオフィスは、物理的な実態を持たない仮想のオフィスです。
個人や企業が事業所として登記やビジネスを行うための住所を貸し出すサービスになります。
サービスオフィスやコワーキングスペースと違い物理的な仕事場はないので自身で用意する必要があります。
メリット | デメリット |
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・低コストで事業用の住所を利用できる ・開始まで短期間で導入できる ・都心の一等地の住所を選ぶことができる | ・従業員のコミュニケーションの質が低下する |
バーチャルオフィスは少ない費用で登記住所を利用できます。また、オフィスを借りる際の初期費用削減にも効果的です。
また、バーチャルオフィスは最短即日の入居が可能なため、「取り急ぎ、住所登録用のオフィスが欲しい」企業に対応できます。
バーチャルオフィスであれば、東京都内の賃料が高いビジネスエリアの住所を手に入れられます。
銀座、新宿、六本木、渋谷、青山、表参道、丸の内といった人気エリアも選択可能なため、自社サイトや名刺に記載することで、企業イメージやブランディングの向上におすすめです。
オフィス什器で人気なアイテム
オフィスには、事業を開始するためにオフィス家具をはじめ、オフィス什器が必要です。
オフィス用デスク
オフィスデスクは種類が豊富のため、自社の業務内容を考慮して決めましょう。
一般的なオフィスデスクは幅120~140cm、奥行60~80cmです。
外出が多い営業職:幅80~120cm・奥行60cm
一般事務:幅120~140cm・奥行60~80cm
デザイナー・プログラマー:幅150cm以上・奥行70cm以上
エンジニアやプログラマーなど複数のモニターを使用する職種の場合、幅・奥行ともに大きなデスクがおすすめです。
営業職が多い企業では、フリーアドレスを採用するなども効果的です。
業務内容に合わせてデスクの大きさを選択すると、働きやすい環境を実現できます。
オフィスチェア
内勤が中心の部署にとって、多くの時間を座って過ごします。
そのため、使用するオフィスチェアの質は生産性や社員の健康に大きな影響を与えます。
お尻・背もたれ部分がメッシュだと通気性に優れ、快適に過ごせます。また、肘置きがあると疲れにくいため、肘置き付きのチェアもおすすめです。
オフィスチェアは仕事中のパフォーマンスに大きく影響を与えるものです。慎重に選びましょう。
フォンブース(テレカンブース)
多様な働き方が広がる中、オンライン会議(Web会議)用のフォンブースを求める企業が増えています。
フォンブースは周囲の声や音などに邪魔されず、オンラインの会議を行える場所として人気です。
フォンブースは情報漏えい防止にもつながり、入居後に導入を検討する企業もあります。
フォンブースはワークブース、オフィスブース、テレカンブース、集中ブース、防音ブース、吸音ブースなどと呼ばれています。
ミーティングボード
オフィス用のホワイトボードをミーティングボードと呼びます。
オフィス用ホワイトボードは会議中に書いた内容を電子化できる機能もついています。
生産性向上に大きく影響する備品のため、オフィス移転後の生産性向上を目指す企業は導入を検討しましょう。
ラウンジテーブル
ラウンジテーブルとは、オフィス内のカフェやラウンジで利用するテーブルです。
近年、オフィスの在り方は多様化しており、ラウンジを設置する企業が増えています。
ラウンジスペースは雑談やランチなどコミュニケーションが生まれやすく、マグネットスペースとも呼ばれています。
居抜きオフィス・事務所のオフィス移転・レイアウト事例
ハイッテ by 株式会社IPPOが実際に仲介をさせていただいた企業をご紹介します。
オフィス移転は目的が違えばエリアや坪数も変わってきます。
今回は坪数別のオフィス移転事例をご紹介します。ぜひ自社のオフィス移転の検討に活かしていただければ幸いです。
株式会社ブレーンバディ様(30坪以下の居抜きオフィスへ移転)
営業支援事業を展開し営業品質を担保し、営業で成果が出やすくなる組織の仕組みづくりをプロフェッショナルが支援するサービスを提供する、株式会社ブレーンバディ様の事例です。
出社とリモートのハイブリッドで業務を進めてきたが、事業成長に伴い人員が増加するため
全員の出社希望に答えられなくなってきたため、オフィス移転を検討開始。
合併のタイミングに合わせてオフィスを開設をすることが最優先だったため、希望の時期に入居できる物件を中心に「スケジュール」「広さ」「アクセスの利便性」「雰囲気」の4つの条件を軸に探していました。
立地と環境を重視し渋谷駅周辺で検討を開始しコスト面など多面的に考慮し、主要ビジネス地区、恵比寿駅から徒歩5分に位置する「いちご恵比寿グリーングラス」へ移転を行う。
株式会社GAUSS様
誰でもAIが開発できるAIプラットフォーム「GAUSS Foundation Platform」の開発及び提供。
移転理由:以前のオフィスビルの取り壊し予定があるため移転を検討開始。
移転をきっかけにオフィス面積の最適化を図り、会社全体の一体感を作っていくべくチームビルディングに即したコミュニケーションが取りやすいオフィスへの移転を検討開始。
コミュニケーションを密にすることが目的とし、社員数に対して狭いくらいの大きさのオフィスを探していました。
新規プロジェクトも立ち上がっていたタイミングだったため、一体感が持てるように少しきついくらい広さの「12SHINJUKU (ジュウニシンジュク)」へ移転を行いました。
ランディット株式会社様
事業用駐車場手配アプリ『at PORT(アットポート)』、短期駐停車スペース予約・決済アプリ『PIT PORT(ピットポート)』の運営を軸に、コネクティングポイント、衛星データ、AIを活用し、駐車場の可能性を拡張する「不動産テック事業」、インターネット環境(6G)の進歩、車のIoTの進化、自動運転化を見据えた「モビリティインフラ事業」を推進
移転理由:移転のきっかけは人員増加によりオフィスに入り切らなくなってきたからです。
エレベーター前で仕事をしなくてはいけないメンバーも出てきたため拡張移転を検討し始めました。
立地が一番でした。
在籍しているインターン生が通いやすい立地がよいと思っていました。
また、同業のIT系ベンチャー企業が集まる六本木・渋谷・新宿で検討をしていました。
多くの物件を検討し採用計画通りに進んでも耐えられるキャパシティ、トータルのコストなどを総合的に判断して「リンクスクエア新宿」へ移転を行いました。
その他、小規模オフィスが実現できる居抜きオフィス・事務所事例はオフィス・事務所移転事例紹介 0〜20坪からご覧いただけます。
21~50坪の居抜きオフィス•事務所
資金調達を済まし、事業成長速度を高めたいスタートアップ・ベンチャー企業に最適な居抜きオフィス(0〜20坪)•事務所の移転事例をご紹介します。
株式会社Piece to Peace様
売り上げに直結するプロ10,000名を必要な時、必要な期間でリスクなく活用できるビジネス界におけるプロ契約のマッチングサービス「キャリーミー」を提供しています。
移転理由:事業規模拡大による人員増加です。
今後の事業拡大に伴う人員計画を立てた際に窮屈になることは見えていたことに加え、オフィスの契約更新日が近づいていたのでオフィス移転を検討し始めました。
立地を重視して物件の選定を行いました。
従業員の通いやすさを考慮し旧オフィスと同じ東京メトロ半蔵門線沿いで探し条件面が一番良かった「永田町グラスゲート」へ決めました。
株式会社カーペイディーエム様
同社が運営する「carused.jp」にて、中古自動車をweb販売しているサービスです。
アフリカを中心とした世界100ヵ国以上と取引しており、商用車から乗用車まで幅広く取り扱い、2020年からは豊田通商と連携し、販売車種や台数ともに拡大。
事業拡大に伴い人員が増加し拡張移転を検討し始めました。
物件選定の条件:一番はコストを重視して物件の選定を行い、今後の採用計画やビルの雰囲気など総合的に判断し渋谷の宮益坂にあるオフィスビルへ移転しました。
その他、事業成長速度を高めたいスタートアップ・ベンチャー企業におすすめの居抜きオフィス・事務所事例はオフィス・事務所移転事例紹介 21〜50坪からご覧いただけます。
51坪以上の居抜きオフィス•事務所
採用計画の見直しや従業員エンゲージメント向上など中長期経営計画を元にオフィス移転を検討する企業に最適な51坪以上の居抜きオフィス•事務所の移転事例をご紹介します。
株式会社KOMPEITO様
サラダやフルーツ・お惣菜や軽食などの健康的な食事を定期的にオフィスにお届けし、従業員は1個100円という安価で食べられる『置き型健康社食』の福利厚生サービス【OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)】を展開。
人員増加により以前のオフィスが手狭になってきたためです。今後の採用計画とメンバーの利便性を中心に、価格や広さ、アクセスなど綜合的に検討し条件の良い「第二オークラビル」へ移転を決めました。
物件選定の条件:重視した点はコストパフォーマンスで、単価に対して立地やアクセスなどの条件がどれだけ良いかを重視して物件を決めました。特にアクセスで「最寄り駅から徒歩10分以内」と駅からの距離は特にこだわり選定。
株式会社tacoms様
飲食店がデリバリー・テイクアウトサービスの注文を一元管理できるようになる「Camel」。
一台のタブレットで注文が管理でき、POSシステムとの売上連動も可能、デリバリー事業の更なる拡大を支援しています。
事業拡大に伴い採用計画を見直し、オフィスの移転を計画し始めました。
採用計画上2022年内に50名ほどに拡大を行う予定でしたので、以前のオフィスでは入りきらないと思い移転を決めました。
株式会社エモーションテック様
感情データを収集し解析することで、CX(顧客体験)の向上をサポートする「EmotionTech CX」、EX(従業員体験)・エンゲージメントの向上をサポートする「EmotionTech EX」、IX(投資家体験)の向上をサポートする「EmotionTech IX」を提供。
移転を考え始めたのは、人員増加により物理的にオフィスのキャパシティに限界を感じたことがきっかけでした。
一番は広さですね。メンバー全員が集まれる余裕のあるオフィスを求めていました。対面でのコミュニケーションが可能で雑談スペースが欲しかったからです。
他にはコスト面とオフィスの採光も選定する際に重視していました。まだ成長途中なのでコスト面も重要な要素だと考えています。
今回、通常オフィスの移転とWeWorkへの移転を比較し、合計コストを抑えられるWeWorkは魅力的でした。
今回入居した「WeWork 日比谷FORT TOWER」は、三面採光で自然光が入って明るい点が気に入ってます。
その他、事業成長速度を高めたいスタートアップ・ベンチャー企業におすすめの居抜きオフィス・事務所事例はオフィス・事務所移転事例紹介 51坪以上からご覧いただけます。
オフィス移転に関するよくある質問
オフィス移転でよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
物件詳細ページの「この物件への問い合わせ」よりお問い合わせください。気になる物件が複数ある場合はお気に入り登録していただくことで、一括でのお問い合わせも可能です。
物件詳細ページの「この物件への問い合わせ」よりお問い合わせください。
気になる居抜き物件がある場合は、物件詳細ページの「この物件へ問い合わせ」からお問い合わせください。気になる物件が決まっていない場合や条件を含めて相談したい場合は、「居抜きで入居したい」からお問い合わせください。
「物件掲載・居抜き退去に関するお問い合わせ」からお問い合わせください。
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監修者
株式会社IPPO 共同創業者 取締役 大隅識文
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】
中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年株式会社IPPO(イッポ)を設立。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業までオフィス移転取引社数は500社以上、うち居抜きオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。オーナーとの関係性も非常に良く、居抜きオフィス移転の実務を知り尽くした、きめ細かなサポートに、オーナー・顧客からの信頼も厚く、リピートが絶えない。