監修者:大隅識文
株式会社IPPO共同創業者/取締役
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オフィス移転は、企業のその後の成長につながる重要なイベントです。
今回、企業がオフィスを移転する6つ理由を、具体例やオフィス移転を成功させるポイントを交えて、解説します。
この記事の目次
オフィス移転が重要な理由
一般企業は長期間、同じオフィス・事務所に入居することが多いですが、スタートアップ・ベンチャー企業は、数年で移転を繰り返すことが多いです。
オフィス移転は、企業の事業計画や採用計画・成長戦略に影響する
オフィス・事務所の移転は住居のような単なる引越しではありません。
事業計画上の目標を達成するために、どのくらいの広さのオフィス・事務所が必要か、どのような設備が必要かなどを踏まえて、移転をしなければなりません。
入居しているオフィス・事務所では収容人数が不足しているのに、採用を進めても事業拡大は難しいといえます。
オフィス移転する、6つの理由
オフィス移転プロジェクトは小規模オフィスであれば数ヶ月、大規模オフィスは6ヶ月から1年ほどの移転期間が必要です。
まずは自社にとって、オフィス移転が必要かどうかチェックしてみましょう。
- 優秀な人材を確保したい
- 入居するオフィスビルが取り壊しになる
- ブランディング・企業イメージによるオフィス移転
- 生産性の向上によるオフィス移転
- コミュニケーション活性化したい
- 業績悪化・業務縮小でオフィスを縮小したい
比較的、移転回数の多いスタートアップ・ベンチャー企業はどのような理由でオフィス移転をするのかご紹介します。
優秀な人材確保のためのオフィス移転
同じ給与・待遇条件の場合、清潔感を感じられる什器や設備が整ったオフィスを持つ企業で働きたい人が多いといえます。
全国平均の求人倍率1.31倍(令和5年)となる昨今、優秀な人材ほど獲得の競争率が高い傾向があります。
【参考】一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について │ 厚生労働省
また、スタートアップ・ベンチャー企業ほど、少数精鋭で働ける優秀な人材を獲得したいと考えています。
また、オフィスで1日の大半を過ごす社員にとって、働く環境を重要視します。
採用を強化するタイミングでオフィスを移転し、採用力向上にもつながります。
入居するオフィスビルの取り壊し
オフィスビルの老朽化や1981年以降に改正された耐震基準に適合しないオフィスビルの建て替えにより、オフィス移転しなければならないことがあります。
取り壊し予定日の数年前から入居するテナントや取り壊しを伝えた上で定借家契約をしているテナントが該当します。
取り壊し予定があるビルに入居した場合、賃貸借契約書に定借家契約と記載されている可能性があります。
取り壊しオフィスビルを退去する場合、原状回復義務が免除されることがあります。
ブランディング・企業イメージによるオフィス移転
オフィスは企業ブランディング、企業イメージに影響します。
「金融関連の企業は兜町」、「ITやスタートアップ企業は渋谷」など、競合企業や取引先企業があるエリアにオフィスを置くことで、企業のブランド化促進の一助になることがあります。
また、オフィスの内装が企業イメージとかけ離れている場合、内装やレイアウト変更のために移転を検討する企業もあります。
企業ブランディング・企業イメージに合わせたオフィスに移転することで、事業計画や採用計画に良い影響を与えます。
生産性の向上によるオフィス移転
リモートワークやオンラインミーティングが普及したことで、今までよりも多様な働き方を重視する企業や人材が増えています。
そのため、オンラインに対応した会議室数が足りない、リモートワークも可能でコミュニケーションが取りづらいといった課題が放置されると、コミュニケーションの質が下ってしまう恐れがあります。
- 出社時はコミュニケーションが取りやすいレイアウトにする
- フォンブースを導入する
- フリースペースを設ける
多様な働き方を実現できるオフィスへ移転することで生産性の向上が可能です。
ファミレス席も簡易的なミーティングを実施できるので、導入される企業が増えています。
コミュニケーションを促進するためのオフィス移転
コミュニケーションを促進することは、労働生産性を高め、企業成長に寄与します。
コミュニケーションが取りづらいレイアウト(整然とデスクとチェアが並んでいるだけ)は、従業員の働きやすさを阻害し、企業文化も醸成できません。
コミュニケーションが希薄になることで、企業文化が定着せず、組織力や従業員エンゲージメントも低下してしまいます。
業績悪化・業務縮小でオフィス移転をしたい
オフィス賃料は固定費の中でも高額のため、業績が悪化した、業務を縮小した際、賃料はコスト削減の対象になりやすい傾向があります。
コア事業に集中するため業務縮小をする場合も、他の事業では必要だった什器や設備が不要になる可能性があります。
集中する事業の必要設備だけがあるオフィスへ移転することも選択肢として考えられます。
退去時に原状回復費用が発生するため、内装によってはそのまま同じオフィスに入居し続けた方がコストを抑えられることがあります。
居抜きによるオフィス移転は、退去時の原状回復費用を、入居時の内装工事費用が削減できます。
東京都心6区を中心に居抜きオフィスを仲介する、ハイッテ by 株式会社IPPOでは、居抜き退去や居抜きオフィスへの入居サポートを実施しています。ぜひお気軽にご相談ください。
オフィス移転を成功させるポイント
オフィス移転を成功させてきた企業の共通ポイントを5つご紹介します。
移転にかかる準備期間は、オフィスの面積(坪数)によって異なります。坪数ごとの準備期間の目安もご紹介しているので、ぜひご参考ください。
オフィス移転の理由や目的を明確にする
まずは、オフィス移転の理由・目的を明確にしましょう。
オフィス移転の理由や目的が定まっていないとオフィスを決められず、検討の途中で条件が変更となり、想定以上の工数がかかることがあります。
急速な成長を遂げるスタートアップ・ベンチャー企業は、「オフィスをただ働く場所」から「コミュニケーションが取れる場所」へと定義づけなければなりません。
- 優秀な人材の確保
- 企業ブランディング・企業イメージ
- 生産性の向上
- コミュニケーションの強化
自社のオフィス移転プロジェクトチームで移転目的の策定が難しい場合、事業計画に合わせてのご提案が可能なハイッテ by 株式会社IPPOまでご相談ください。
オフィス移転スケジュールを立てる
オフィス移転は坪数によって下記の準備期間が必要です。
坪数 | 準備期間 |
---|---|
〜50坪 | 約2〜4ヶ月 |
51坪〜200坪 | 約3〜6ヶ月 |
201坪以上 | 約6〜12ヶ月 |
オフィス移転には最短でも2ヶ月ほど時間を要するため、しっかりとオフィス移転スケジュールを策定し、オフィス移転計画を進めましょう。
ステップごとに分けたスケジュールをご紹介します。
- 移転にかかるコスト計画を立てる(賃料・敷金・内装費用・デスクやイスなどの設備費用)
- 移転物件の条件決定(エリア・人数・賃料)
- オフィス仲介会社と打ち合わせ
- 条件に合わせて物件選定
- 検討オフィスビル付近のエリア調査
- 検討オフィスビルの情報収集
- 実際に検討オフィスを内見
- オフィスレイアウト計画を立てる
- 申込書の提出
- 入居審査
- 条件交渉
- 審査通過
このタイミングで解約通知書を提出しましょう。
- オフィス仲介会社から移転先オフィスの重要事項の説明を受ける
- 契約に必要な書類の手配
- 契約金の対応
- 賃貸借契約書の締結
- 詳細な移転スケジュールを立てる
- 内装会社と打ち合わせ・内装プラン決定
- 什器や通信設備、引っ越しの手配
- 各種届け出の準備
- 内装工事、設備工事
- 備品の梱包、引越し準備
- 什器の搬入
- 退去オフィスの原状回復工事
- 各種届け出などの手続き
★前オフィスの原状回復を完了させる
オフィス移転にかかる費用を確認する
オフィス移転では、新オフィスに掛かる敷金・礼金や内装工事費用の他、旧オフィスの原状回復工事費用や廃棄物費用など様々な費用が発生します。
坪数や内装の規模によって大きく変動するため、事前にどのくらいの費用が発生するか確認しましょう。
また、下記コラムでは20坪(社員数10名)、50坪(社員数25名)、100坪(社員数50名)の3パターンで入居・退去時に掛かる費用の概算をまとめているので、ご参考ください。
居抜きオフィス移転も検討する
60坪のオフィスから100坪のオフィスへ移転する場合、入居・退去時合わせて約4,525万円の費用が必要と言われています。
移転費用を抑えられる内容は、内装工事費用・原状回復費用・廃棄物の処理費用ですが、移転プロジェクト開始時点で検討していないとうまく費用を削減できません。
オフィス移転で費用削減を行う場合には、併せて居抜きオフィスへの入居・居抜きオフィスとしての退去ができないかも検討しましょう。
居抜きオフィス移転は通常の移転の流れと異なる点が多いため、ぜひ一度、ハイッテ by 株式会社IPPOにご相談ください。
オフィス移転では、契約内容の把握に加えて、二重賃料などが発生しないようスケジュール調整が必要です。
株式会社IPPO(イッポ)では、オフィスの退去と入居を一貫してのサポートが可能です。
- 原状回復義務が免除
- SDGs(つくる責任、使う責任)への貢献
社員への周知
オフィス移転の際、社員の身の回りや備品整理を行う体制を整えておかなければなりません。
そのため、引越し作業日から余裕を持って周知しましょう。その際、事前に役割分担を決めておくと安心です。
現在、多くのスタートアップ・ベンチャー企業が多様な働き方を採用しています。
社員にフォンブースやファミレス席、フリースペースなどを設置する目的をつしっかりと伝えるようにしましょう。
オフィス運用ルール作成や社内説明会の開催がおすすめです。
居抜き契約におけるオフィス移転はハイッテにお任せください
ハイッテ by 株式会社IPPOは、スタートアップ・ベンチャー企業に特化した居抜きオフィス仲介に加え、豊富な知見とネットワークを活用した、居抜き契約のオフィス移転を得意としています。
監修者
株式会社IPPO 共同創業者 取締役 大隅識文
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】
中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年株式会社IPPO(イッポ)を設立。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業までオフィス移転取引社数は500社以上、うち居抜きオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。オーナーとの関係性も非常に良く、居抜きオフィス移転の実務を知り尽くした、きめ細かなサポートに、オーナー・顧客からの信頼も厚く、リピートが絶えない。