監修者:大隅識文
株式会社IPPO共同創業者/取締役
大隅識人の監修者情報 ▶︎
セットアップオフィスとは、入居可能なオフィス物件で、既に内装やオフィス家具が設置された状態のオフィスです。
本記事では、セットアップオフィスの特徴やメリット、デメリットについて解説し、東京でおすすめの建物やエリアも紹介します。
この記事の目次
東京都内おすすめのセットアップオフィス
東京都のおすすめセットアップオフィスをご紹介します。
東京都で、現在公開中のおすすめのセットアップオフィスです。
セットアップオフィスとは
セットアップオフィスは、貸主(オーナー)により内装や家具などが用意された状態で、すぐに業務を開始できる賃貸オフィスのひとつです。
東京都内では渋谷、新宿、銀座などのスタートアップ・ベンチャー企業の人気エリアにセットアップ物件が多く存在します。
セットアップオフィスの需要は高い
2020年を機にリモートワークやハイブリッドワークの普及が進み、オフィスに求める設備や働き方の変化がありました。
これにより、内装工事の手間や初期費用の削減ができるセットアップオフィスの需要が高まっています。
居抜きオフィスとの違い
居抜きオフィスとは、退去する前のテナントの内装やオフィス家具をそのまま残した状態のものです。
セットアップオフィスと共通のメリットとして、初期費用の削減や業務開始の迅速化が挙げられますが、居抜き物件は前のテナントのデザインやレイアウトが引き継がれるため、自社のニーズに合わせた改修が必要な場合があります。
しかし、セットアップオフィスは一般的なオフィスニーズに対応したデザインや設備が用意されているため、より手軽に利用できると言えます。
シェアオフィスとの違い
シェアオフィスとは、複数の企業が共同でオフィススペースを利用する形態で、オフィス家具や設備、会議室などが共有されています。
セットアップオフィスとの大きな違いは、シェアオフィスは個別の企業が専有するオフィススペースが限定的で、他の企業との交流がしやすい点です。
シェアオフィスは低コストで利用できるメリットがありますが、プライバシーやセキュリティ体制に不安がある場合は、セットアップオフィスが適切です。
セットアップオフィスにおけるメリット
セットアップオフィスは、特にスタートアップ・ベンチャー企業が入居することが増えています。
- 初期費用の削減
- 内装工事期間の削減
- 原状回復費用の削減
- 採用力の強化
- 従業員のモチベーション向上
- 総務担当者の負担軽減
デザイン、レイアウトが整っているため、すぐにビジネスを開始でき、オフィスのセットアップに必要なコストや時間を削減できます。
また、会議エリアや受付などが既に設備されており、機能的な空間が確保されていることも魅力の一つです。
初期費用の削減
セットアップオフィスは、初期費用を大幅に削減できることが大きなメリットです。
通常の賃貸オフィスでは、内装工事やオフィス家具・什器の購入、設置費用が別途発生しますが、セットアップオフィスではそれらが既に用意されているため、コストを抑えることができます。
内装工事期間の削減
セットアップオフィスのもう一つのメリットは、内装工事期間の削減です。
通常のオフィス移転や新規開設では、内装工事に数ヶ月かかることが多いといえます。
しかし、セットアップオフィスでは、入居時に内装や設備が整っているため、工事期間を気にせず、すぐに業務を開始できます。
これにより、業務の遅れや機会損失を最小限に抑えることが可能です。
原状回復費用の削減
セットアップオフィスでは、原状回復費用の削減も期待できます。
通常オフィスの原状回復費用は内装により数千万円かかりますが、セットアップオフィスは通常オフィスのように完全に原状回復を行うことは少なく、退去後も同じ内装で賃貸されることがあるため、費用が抑えられる傾向にあります。
ただし、物件や契約内容によっては、原状回復費用がかかることがあるため、契約前に確認が必要です。
採用力の強化
セットアップオフィスは、おしゃれで機能的なデザインが特徴のオフィス物件が多く、企業のイメージアップに繋がります。
働きやすい環境も整っていることから、採用力を高める効果も期待できます。
快適なオフィス環境は、求職者にポジティブイメージを与え、採用活動に役立ちます。
従業員のモチベーション向上
企業において、従業員のモチベーション向上は業績や生産性に影響を与える重要なポイントです。
セットアップオフィスは、ファミレス席やフォンブースなど人気の設備が用意されていたり、企業の事業内容や業務スタイルに合わせたカスタマイズしやすい物件です。
そのため、従業員が働きやすい環境が整い、その結果、モチベーション向上につながります。
セットアップオフィスのカスタマイズは物件により異なるため事前に確認してください。
総務担当者の負担軽減
セットアップオフィスは、総務担当者の負担を大幅に軽減できます。
その理由は、通常オフィスを選んだ場合と比較して、セットアップオフィスでは内装工事やオフィス家具・什器の設置が不要だからです。
これにより本来の業務に集中できるようになります。
セットアップオフィスにおけるデメリット
セットアップオフィスには、多くのメリットがありますが、以下のデメリットも存在します。
- 賃料が高い
- 内装やレイアウトが自由に変更できない
- 小規模〜中規模区画のセットアップオフィスが多い
企業がセットアップオフィスを検討する際には、事例や相談を通じて、自社の需要に見合う物件を選ぶことが重要です。
賃料が高い
セットアップオフィスの賃料は、一般的な賃貸オフィスと比較して高い傾向があります。
家具や設備などの貸主(オーナー)が提供するサービスが含まれているためです。
しかし、オフィス移転や内装工事にかかる初期費用や工数を削減できるため、総コストを検討すれば、従来の賃貸オフィスとさほど大きな差がない場合もあります。
内装やレイアウトが自由に変更できない
セットアップオフィスでは、内装やレイアウトが既に整っているため、自由に変更できないことがデメリットとなる場合があります。
企業が特定のデザインや機能を求める場合は、契約前に貸主(オーナー)と相談し、自社のニーズに合わせた変更が可能かどうか確認することが重要です。
小規模〜中規模区画のセットアップオフィスが多い
内装やオフィス家具が既に設置された状態のセットアップオフィスは、小規模〜中規模区画に多いです。
オフィスの規模が大きくなるほど企業ブランディングの重要性が高まり、内装にこだわることが多く、セットアップオフィスでは対応しきれないことや、大規模なセットアップオフィスではコストメリットが薄くなってしまうからです。
オフィスビルオーナーのメリット・デメリットとは
オフィスビルオーナーにも、様々なメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・空室率の低下 ・オフィスビルの価値向上 ・坪単価の引き上げ | ・設備投資コストがかかる ・管理コストがかかる ・原状回復の範囲がわかりづらい |
オフィスオーナーのメリットには、賃貸収入による安定したキャッシュフローが挙げられます。
ビルの設備や内装にこだわることで、テナントにとって魅力的なオフィススペースを提供し、空室率の低下が期待できます。しかしながら、デメリットも存在します。
例えば、セットアップオフィスは貸主(オーナー)側で内装やオフィス家具の設置を行うため、設備投資のコストだけでなく、ビルの修繕やメンテナンス費用、管理にかかるコストが発生することがあります。
また、最初から内装を施した状態で賃貸するため、原状回復の範囲を決めづらかったりわかりづらくなってしまうことがあります。
メリットとデメリットを把握した上で、オーナーは戦略的な賃料設定やビル管理を行い、適切な運営を心掛けることが重要です。
セットアップオフィスがおすすめの企業とは?
セットアップオフィスは、以下の企業におすすめです。
- スタートアップ・ベンチャー
- 小規模区画で移転を検討している
- 居抜きオフィスを検討している
- 短期間でオフィス移転をしたい
- 初期費用を抑えたい
- オフィス移転の工数を削減したい
急速な事業拡大や人員増加に対応しなければならないスタートアップ・ベンチャー企業には、多くの課題解決が可能なセットアップオフィスが非常に適しています。
また、初期費用や工数を削減できるため、事業に集中できることもスタートアップ・ベンチャー企業に適している要因です。
さらに、居抜き移転を検討する場合にもセットアップオフィスがおすすめです。
居抜きオフィスは退去テナントの内装やオフィス家具を引き継いで入居するため、セットアップオフィスと似た物件種別です。
セットアップオフィスは居抜きオフィス同様のメリットがあるため、併せて検討することをおすすめします。
セットアップオフィスを選ぶポイント
セットアップオフィスを選ぶ際、通常オフィスを探す時と同様にエリアやアクセス、オフィスの広さなど検討する他、特に以下の確認をおすすめします。
- 機能性や効率性が高いレイアウトか確認する
- 共有部を確認する
- セキュリティを確認する
まず、立地条件を検討しましょう。
駅近や人気エリアにあるオフィスは、通勤やビジネスに便利であり、従業員の満足度も向上します。
次に、家具や什器の質やデザインが自社のイメージに合っているかどうか確認してください。また、オフィスのセキュリティや設備も重要です。
最新の設備やセキュリティシステムが整っているオフィスは、安心して働くことができます。
さらにオフィスの広さやレイアウトが業務に適したものであるか検討することも大切です。
オーナーや不動産会社との交渉や契約条件に注目して、自社にとって最適な条件で契約しましょう。
最後に、物件を選ぶ際は、複数の物件を比較検討することで、自社に最適なセットアップオフィスを見つけることができます。
機能性や効率性が高いレイアウトか確認する
オフィスの機能性や効率性が高いレイアウトを確認することで、業務効率向上に大きく寄与します。
まずは、会議スペースや共有エリアの配置、オフィス家具のサイズを考慮した上で、物件の間取りやエリアの使い方を検討しましょう。
また、従業員のオフィス内の移動時間を短縮できるレイアウトも重要です。
例えば、会議室や受付エリアから執務スペースと分けて設置することが一般的ですが、これにより来客時の案内導線が確保できます。
さらに内装デザインや家具、照明の選択もオフィスの機能性と効率性に影響します。
オフィス家具が既に決められている場合は、メーカーの展示場で実際に使い心地を試すことがおすすめです。
共有部を確認する
共有部とは、トイレ、給湯室、ロビーなどの公共スペースや会議室、休憩室などの社内の共有スペースを指します。
清潔で整った共有部は社員のストレスを軽減し、効率的な業務にも寄与するため、共用部の清潔さや使いやすさも重要なポイントです。
また、共用部の利用ルールや管理体制も重要です。適切なルールや管理体制が整っているか確認しましょう。
セキュリティを確認する
オフィスのセキュリティは、企業の情報資産や社員の安全を守る上で非常に重要な要素です。
まず、オフィス物件のセキュリティ対策が適切に行われているか確認しましょう。
例えば、エントランスにフラッパーゲートやオートロックがあり、不審者の侵入が防止されているかどうかをチェックします。
また、オフィス内のセキュリティも重要です。
サーバールームや重要書類の保管場所など、業種によっては機密情報が保管されるエリアには、特別なセキュリティ対策を施さなければなりません。
セットアップオフィスの導入事例
株式会社IPPOが手がけたセットアップオフィス移転の成功事例をご紹介します。
株式会社Piece to Peace|千代田区
同社は旧オフィスの契約更新日を機にオフィス移転を検討したものの、契約終了日までに次のオフィスの内装工事期間を確保できなかったため、セットアップオフィスを検討しました。
さらに約3倍の広さのセットアップオフィスに移転しており、オフィス移転以外の業務も行う担当者の工数削減にも繋がりました。
株式会社RightTouch|目黒区
元々、別会社の約1,000坪のオフィスに同居していましたが、自社のオフィスを構えるため、約30坪のオフィスへ移転。
最初はシェアオフィスで検討していた同社は、内見を行う中で条件が定まり、賃料と空間が見合うのがセットアップオフィスだと考え、セットアップオフィスへ移転しました。
Crezit Holdings株式会社|東京都港区
同社はハーフセットアップという、一部エリアのみセットアップオフィス仕様のオフィスへ移転しました。
ファミレス席やハイカウンターテーブル、会議室など一部のみ内装が施されており、他の部分では同社の企業イメージを内装に反映しました。
株式会社ヘイフィールド|品川区
席数が不足したためオフィス移転を検討した同社は、セットアップオフィスだけでなく通常オフィスも含めて内見を実施しました。
結果、執務スペースの広さとコストがマッチしたセットアップオフィスへ移転。
移転後すぐに業務開始でき、業務効率化もできました。
東京のセットアップオフィスは「ハイッテ」にご相談ください
ハイッテ by 株式会社IPPOは東京都内の人気ビジネスエリアである東京都中央区、港区、千代田区、渋谷区、新宿区におけるオフィス移転に強みを持ちます。
スタートアップ・ベンチャー企業の創業時のシード期、資金調達を完了したアーリー期、成長フェーズのミドル期のほか、従業員100人の中堅企業の東京都内のオフィス移転仲介に対して、豊富な知識と実績を有しています。
経営戦略に応じた、1年後、数年後、10年後を見据えた最適なオフィス移転提案が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
監修者
株式会社IPPO 共同創業者 取締役 大隅識文
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】
中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年株式会社IPPO(イッポ)を設立。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業までオフィス移転取引社数は500社以上、うち居抜きオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。オーナーとの関係性も非常に良く、居抜きオフィス移転の実務を知り尽くした、きめ細かなサポートに、オーナー・顧客からの信頼も厚く、リピートが絶えない。
執筆者 ハイッテ編集部
株式会社IPPO全般のマーケティングを担っています。ハイッテの運用のほか、オフィス移転事例や賃料相場、オフィス調査なども行なっております。