
監修者:大隅識文
株式会社IPPO共同創業者/取締役
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オフィス移転の費用は、従業員10人規模で約622万円、25人で約1,749万円、50人で約4,525万円が目安です。ただし、居抜きオフィスやセットアップオフィスを活用すれば、30〜50%の削減も可能です。
- 従業員規模別(10人・25人・50人)のオフィス移転費用の総額と内訳
- 退去時・入居時それぞれにかかる費用項目と相場
- 費用を最大50%削減できる4つの方法
- スタートアップが費用を抑えてオフィス移転する具体的な方法
この記事では、オフィス移転にかかる費用の内訳と相場を詳しく解説します。規模別の概算シミュレーションや、費用を大幅に削減できる方法もご紹介しますので、移転予算の策定にお役立てください。
この記事の目次
オフィス移転費用の内訳|退去時・入居時それぞれの相場
オフィス移転の費用は、大きく「退去時にかかる費用」と「入居時にかかる費用」の2つに分けられます。それぞれの項目と相場を確認しておきましょう。
退去時にかかる3つの費用
現在のオフィスを退去する際には、主に以下の3つの費用が発生します。
| 費用項目 | 相場(2025年時点) |
|---|---|
| 原状回復工事費 (クリーニング費含む) | 小規模オフィス(50坪未満):2.5〜6万円/坪 中規模オフィス(50〜100坪):5〜8万円/坪 大規模オフィス(100坪以上):7〜12万円/坪 ハイグレードビル:15〜30万円/坪 |
| 違約金 (契約期間中の解約の場合) | 賃料1〜3ヶ月分 ※フリーレント付き物件は特に注意 |
| 廃棄物の処理費用 | 2トン車1台:5〜10万円 4トン車1台:8〜30万円 |
2022年以降、人件費や資材コストの高騰により、原状回復工事費は上昇傾向にあります。従来より10〜15%程度高くなっているケースも報告されているため、余裕を持った予算設定が重要です。
退去時の費用で最も大きな割合を占めるのが原状回復工事費です。オフィスの規模やビルのグレード、内装の作り込み具合によって金額は大きく変わります。
ただし、居抜き退去を選択すれば、原状回復工事費をゼロに抑えることも可能です。詳しくは後述の「費用削減方法」で解説します。
入居時にかかる10の費用
新しいオフィスへの入居時には、以下の費用が発生します。特に内装工事費と敷金が大きな割合を占めます。
| 費用項目 | 相場(2025年時点) |
|---|---|
| 内装工事費★最大の費用項目 | 居抜き物件:10〜30万円/坪 スケルトン物件:25〜60万円/坪 改装のみ:5〜15万円/坪 |
| 敷金(保証金) | 賃料3〜12ヶ月分 ※スタートアップ向け物件は1〜3ヶ月も |
| 礼金 | 賃料0〜2ヶ月分 |
| 仲介手数料 | 賃料1ヶ月分 |
| 前賃料 | 賃料1ヶ月分 |
| 火災保険 | 1〜5万円/年 ※プランや面積によって変動 |
| 保証会社加入料 | 賃料0.5〜1ヶ月分 |
| 引越し費用 | 2〜5万円/人 |
| 什器・家具購入費 | 3〜10万円/人 |
| その他諸費用 | 回線工事:1万円/坪 各種届出費:5〜10万円 名刺・告知費用:1〜2万円/人 |
入居時の費用で最も大きいのが内装工事費です。20坪のオフィスでスケルトン物件を選ぶと、内装工事だけで500万〜1,200万円かかることも。一方、セットアップオフィスなら内装工事費をゼロに抑えられます。
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【規模別】オフィス移転費用の概算シミュレーション
ここからは、従業員規模別の具体的な費用シミュレーションをご紹介します。出社する従業員数を基準に、自社に近い規模を参考にしてください。
10人規模(8坪→20坪への移転)総額:約622万円
従業員10人の企業が、8坪のオフィスから20坪のオフィスへ移転する場合の概算です。
| 退去時にかかる費用 | |
|---|---|
| 原状回復工事費 | 40万円 |
| 違約金 | 16万円 |
| 廃棄物処理費 | 7万円 |
| 退去時 小計 | 63万円 |
| 入居時にかかる費用 | |
|---|---|
| 内装工事費 | 150万円 |
| 敷金(3ヶ月) | 120万円 |
| 礼金・仲介手数料 | 80万円 |
| 前賃料 | 40万円 |
| 火災保険・保証会社 | 44万円 |
| 引越し費用 | 35万円 |
| 什器・家具 | 60万円 |
| 回線・届出・その他 | 30万円 |
| 入居時 小計 | 559万円 |
10人規模のオフィス移転費用は、入退去合わせて約622万円が目安です。
25人規模(20坪→50坪への移転)総額:約1,749万円
従業員25人の企業が、20坪のオフィスから50坪のオフィスへ移転する場合の概算です。
| 退去時にかかる費用 | |
|---|---|
| 原状回復工事費 | 100万円 |
| 違約金 | 40万円 |
| 廃棄物処理費 | 24万円 |
| 退去時 小計 | 164万円 |
| 入居時にかかる費用 | |
|---|---|
| 内装工事費 | 500万円 |
| 敷金(6ヶ月) | 540万円 |
| 礼金・仲介手数料 | 180万円 |
| 前賃料 | 90万円 |
| 火災保険・保証会社 | 95万円 |
| 引越し費用 | 75万円 |
| 什器・家具 | 75万円 |
| 回線・届出・その他 | 30万円 |
| 入居時 小計 | 1,585万円 |
25人規模のオフィス移転費用は、入退去合わせて約1,749万円が目安です。
50人規模(50坪→100坪への移転)総額:約4,525万円
従業員50人の企業が、50坪のオフィスから100坪のオフィスへ移転する場合の概算です。
| 退去時にかかる費用 | |
|---|---|
| 原状回復工事費 | 300万円 |
| 違約金 | 150万円 |
| 廃棄物処理費 | 75万円 |
| 退去時 小計 | 525万円 |
| 入居時にかかる費用 | |
|---|---|
| 内装工事費 | 1,500万円 |
| 敷金(6ヶ月) | 1,200万円 |
| 礼金・仲介手数料 | 400万円 |
| 前賃料 | 200万円 |
| 火災保険・保証会社 | 200万円 |
| 引越し費用 | 200万円 |
| 什器・家具 | 250万円 |
| 回線・届出・その他 | 50万円 |
| 入居時 小計 | 4,000万円 |
50人規模のオフィス移転費用は、入退去合わせて約4,525万円が目安です。
規模別オフィス移転費用の比較まとめ
3つの規模の費用を比較すると、以下のようになります。
| 規模 | 移転先坪数 | 退去費用 | 入居費用 | 総額 |
|---|---|---|---|---|
| 10人 | 20坪 | 63万円 | 559万円 | 622万円 |
| 25人 | 50坪 | 164万円 | 1,585万円 | 1,749万円 |
| 50人 | 100坪 | 525万円 | 4,000万円 | 4,525万円 |
費用の大部分を占めているのが「内装工事費」「敷金」「原状回復工事費」の3項目です。これらを削減できれば、移転費用を大幅に抑えられます。次のセクションで、具体的な削減方法をご紹介します。
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オフィス移転費用を削減する4つの方法【最大50%減】
オフィス移転費用の大部分を占める「原状回復工事費」「内装工事費」「什器購入費」は、物件選びや契約交渉次第で大幅に削減できます。ここでは、費用を最大50%削減できる4つの方法をご紹介します。
①居抜き退去で原状回復費用をゼロに
居抜き退去とは、現在のオフィスの内装や設備をそのまま残して退去する方法です。次のテナントがその内装を引き継ぐため、原状回復工事が不要になります。
| 項目 | 通常退去 | 居抜き退去 |
|---|---|---|
| 原状回復工事費 | 40〜300万円 | 0円 |
| 廃棄物処理費 | 7〜75万円 | 0円〜大幅削減 |
| 退去までの期間 | 1〜2ヶ月 | 即日〜数日 |
居抜き退去を成功させるには、次のテナントを見つけてくれる仲介会社に依頼することがポイントです。ハイッテでは居抜き退去のマッチングもサポートしています。
②セットアップオフィスで内装工事費を不要に
セットアップオフィスとは、ビルオーナーが内装・家具・什器をあらかじめ用意した状態で貸し出すオフィスです。入居者は内装工事を行う必要がなく、すぐに業務を開始できます。
| 項目 | 通常オフィス | セットアップオフィス |
|---|---|---|
| 内装工事費 | 150〜1,500万円 | 0円 |
| 什器・家具購入費 | 60〜250万円 | 0円〜大幅削減 |
| 入居までの期間 | 2〜3ヶ月 | 最短2週間 |
| 原状回復義務 | あり | なし or 軽微 |
セットアップオフィスは、内装工事費だけでなく退去時の原状回復費用も削減できるのが大きなメリットです。初期費用・ランニングコスト両面でスタートアップに最適な選択肢といえます。
③什器・家具は再利用・リースで削減
オフィス移転時に什器や家具をすべて新調すると、1人あたり3〜10万円の費用がかかります。以下の方法で費用を抑えましょう。
- 既存什器の再利用:デスク・チェア・キャビネットは状態が良ければそのまま移転
- リース・レンタルの活用:購入費用を月額に分散でき、初期費用を大幅削減
- 中古オフィス家具の購入:新品の50〜70%程度の価格で調達可能
④フリーレント交渉で二重賃料を回避
フリーレントとは、入居後の一定期間、賃料が無料になる契約条件です。オフィス移転では、旧オフィスと新オフィスの賃料が重なる「二重賃料期間」が発生しやすいため、フリーレント交渉は費用削減に効果的です。
| フリーレント期間 | 削減効果(賃料40万円の場合) |
|---|---|
| 1ヶ月 | 40万円削減 |
| 2ヶ月 | 80万円削減 |
| 3ヶ月 | 120万円削減 |
フリーレントが設定されている物件は、契約期間内に退去すると違約金が発生するケースがほとんどです。短期間で再移転する可能性がある場合は、契約条件を必ず確認しましょう。
【スタートアップ向け】費用削減シミュレーション
ここまで紹介した4つの方法を組み合わせると、どれだけ費用を削減できるのでしょうか。10人規模のスタートアップを例に、シミュレーションしてみましょう。
| 費用項目 | 通常オフィス | 居抜き×セットアップ活用 | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 原状回復工事費 | 40万円 | 0円(居抜き退去) | ▲40万円 |
| 内装工事費 | 150万円 | 0円(セットアップ) | ▲150万円 |
| 什器・家具購入費 | 60万円 | 10万円(付帯什器活用) | ▲50万円 |
| 敷金 | 120万円(3ヶ月) | 60万円(低減物件) | ▲60万円 |
| その他諸費用 | 252万円 | 252万円 | 0円 |
| 合計 | 622万円 | 322万円 | ▲300万円(48%削減) |
スタートアップにとって、300万円の削減は約半年分のランウェイ延長に相当することも。限られた資金をプロダクト開発や採用に回すためにも、オフィス移転費用の最適化は重要です。
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忘れがちなオフィス移転費用5選
オフィス移転の予算を立てる際、見落としがちな費用があります。予算オーバーを防ぐために、以下の5項目も忘れずに計上しておきましょう。
| 忘れがちな費用項目 | 内容 | 目安金額 |
|---|---|---|
| ①電気・ガス・水道の解約・開通費用 | 旧オフィスの解約手続きと新オフィスの開通工事 | 1〜5万円 |
| ②清掃費・退去時クリーニング費 | 原状回復とは別に必要になるケースあり | 3〜10万円 |
| ③機械警備の設置・撤去費 | セキュリティシステムの移設・新設 | 5〜20万円 |
| ④看板・サイン工事費 | エントランスや共用部の社名表示 | 5〜30万円 |
| ⑤名刺・封筒など印刷物の刷新費用 | 住所変更に伴う名刺・封筒・パンフレットの刷り直し | 1〜3万円/人 |
これらの費用を合計すると、10人規模で15〜70万円程度の追加費用が発生する可能性があります。予算には10〜15%程度の予備費を見込んでおくと安心です。
オフィス移転費用で失敗しない3つの注意点
最後に、オフィス移転で予算オーバーや想定外の出費を防ぐための注意点を3つご紹介します。
①必ず相見積りを取る
内装工事や引越し業者に依頼する際は、必ず3社以上から見積りを取得しましょう。同じ工事内容でも、業者によって数十万円〜数百万円の差が出ることがあります。
- 工事内容・範囲が同じ条件で比較されているか
- 追加費用が発生する可能性のある項目が明記されているか
- 工期・スケジュールに無理がないか
- アフターサービスや保証内容はどうか
②余裕あるスケジュール(6ヶ月以上)で計画
オフィス移転は、物件探しから入居完了まで多くの関係者が関わるプロジェクトです。スケジュールに余裕がないと、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 急ぎの工事で追加費用(特急料金)が発生
- 二重賃料期間が長期化
- 比較検討の時間が足りず割高な業者に発注
- 届出漏れや手続きミスが発生
オフィス移転は最低でも6ヶ月前から準備を始めましょう。大規模な移転や内装工事を伴う場合は、1年前からの計画をおすすめします。
③契約書の違約金条項を必ず確認
オフィスの賃貸借契約には、中途解約時の違約金や、フリーレント期間に関する条項が含まれていることがあります。契約前に必ず確認しておきましょう。
- 解約予告期間(通常3〜6ヶ月前)
- 契約期間中の中途解約時の違約金
- フリーレント期間内に退去した場合のペナルティ
- 原状回復の範囲と基準
よくある質問(FAQ)
Q1. オフィス移転にはいくらかかりますか?
オフィス移転費用は従業員規模によって異なります。10人規模で約622万円、25人規模で約1,749万円、50人規模で約4,525万円が目安です。主な内訳は、入居時の内装工事費・敷金・什器購入費と、退去時の原状回復工事費です。居抜きオフィスやセットアップオフィスを活用すれば、30〜50%の削減が可能です。
Q2. オフィス移転費用を抑える方法は?
オフィス移転費用を抑える主な方法は以下の4つです。①居抜き退去で原状回復費用をゼロにする、②セットアップオフィスで内装工事費を不要にする、③什器・家具を再利用またはリースで調達する、④フリーレント交渉で二重賃料を回避する。特にスタートアップ・ベンチャー企業は、居抜きオフィスとセットアップオフィスの組み合わせで、最大50%近い費用削減が実現できます。
Q3. スタートアップでもオフィスの入居審査は通りますか?
スタートアップでもオフィス入居審査は通過できます。審査のポイントは、事業計画書の提出、代表者の経歴、資金調達状況の3点です。セットアップオフィスや居抜きオフィスは、通常のオフィスより審査が柔軟なケースが多く、創業間もない企業におすすめです。審査に不安がある場合は、オフィス仲介の専門家に相談することで、審査に通りやすい物件を紹介してもらえます。
まとめ|オフィス移転費用を賢く抑えるには
オフィス移転にかかる費用は、10人規模で約622万円、25人規模で約1,749万円、50人規模で約4,525万円が目安です。費用の大部分を占めるのは「内装工事費」「敷金」「原状回復工事費」の3項目で、これらをいかに削減するかがポイントになります。
- 居抜き退去で原状回復費用をゼロに
- セットアップオフィスで内装工事費を不要に
- 什器の再利用・リースで購入費を削減
- フリーレント交渉で二重賃料を回避
特にスタートアップ・ベンチャー企業にとって、オフィス移転費用の削減は事業成長に直結する重要な経営判断です。居抜きオフィスやセットアップオフィスを活用すれば、最大50%近い費用削減も実現可能です。
ハイッテでは、居抜きオフィス・セットアップオフィスに特化した物件紹介と、居抜き退去のマッチングサービスを提供しています。「自社の規模だとどれくらい費用を削減できるのか知りたい」という方も、お気軽にご相談ください。
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監修者
株式会社IPPO 共同創業者 取締役 大隅識文
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】
中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年株式会社IPPO(イッポ)を設立。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業までオフィス移転取引社数は500社以上、うち居抜きオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。オーナーとの関係性も非常に良く、居抜きオフィス移転の実務を知り尽くした、きめ細かなサポートに、オーナー・顧客からの信頼も厚く、リピートが絶えない。

執筆者 ハイッテ編集部
株式会社IPPO全般のマーケティングを担っています。ハイッテの運用のほか、オフィス移転事例や賃料相場、オフィス調査なども行なっております。