居抜きオフィス移転で最も多いトラブルは「造作譲渡契約書の不備」です。初期費用を抑えられる反面、確認を怠ると数百万円の追加費用が発生するケースもあります。
本記事では、実際に発生した5つのトラブル事例と具体的な対策法、さらに内見時のチェックポイントを居抜き専門スタッフが解説します。
- 居抜きオフィスで起こりやすい5つのトラブル事例と対策法
- トラブルを未然に防ぐ内見時チェックポイント
- 造作譲渡契約・賃貸借契約の注意点
この記事の目次
居抜きオフィスのトラブル事例5選と対策法
居抜きオフィス移転では、通常の賃貸オフィス移転とは異なるトラブルが発生しやすいといわれています。ここでは、実際に起こりやすい5つのトラブル事例と、その対策法を解説します。
事例①|オーナーの承認なしに居抜き入居が募集されていた
退去テナントがSNSや知人経由で次の入居テナントを募集していたものの、オーナーから居抜き入居の承認を得ていなかったケースです。
入居準備を進めた後に「居抜き不可」と判明し、時間と労力が無駄になってしまいました。
居抜きでの入居・退去には必ずオーナーの承認が必要ですが、退去テナントが確認を怠るケースが少なくありません。特にSNSでの募集には注意が必要です。
対策は「仲介会社を通じてオーナー承認済みの物件を選ぶ」ことです。ハイッテで紹介する物件はすべてオーナー承認済みなので、この心配がありません。
事例②|造作譲渡契約の調整中に賃貸借契約が締結された
退去テナントと入居テナントの間で造作譲渡の内容(譲渡品・価格)を調整している最中に、入居テナントとオーナー間で先に賃貸借契約を締結してしまったケースです。
賃貸借契約を先に締結すると、入居テナントは「契約上、居抜きで入居する義務」が発生します。退去テナントは造作譲渡条件を有利に変更できてしまい、入居テナントが不利益を被ります。
対策は「造作譲渡契約と賃貸借契約を同時に締結する」ことです。専門の仲介会社が間に入ることで、両契約のタイミングを適切に調整できます。
事例③|造作譲渡契約書の記載が曖昧だった
造作譲渡契約書に「テーブル×1」とだけ記載されていたため、会議室Aのテーブルなのか、ファミレス席のテーブルなのか特定できず、退去・入居テナント間でトラブルになったケースです。
造作譲渡契約書の記載が曖昧だと「何を譲渡するのか」が不明確になります。特に什器・家具は数が多いため、品番や設置場所まで明記しないとトラブルの原因になります。
対策は「造作譲渡契約書とは別に、詳細な譲渡品リストを作成する」ことです。リストには以下の項目を記載しましょう。
- メーカー・品番
- 色・形状・サイズ
- 設置場所(会議室A、執務エリア等)
- 個数
- 写真(必須)
事例④|退去テナントの残留物があった
居抜き物件の引き渡し時、造作譲渡契約書に記載のない退去テナントの私物(書類、備品等)が残されていたケースです。処分費用の負担を巡ってトラブルになりました。
対策は「造作物の譲渡リストを作成し、譲渡しないものは退去テナントが責任を持って撤去する」旨を契約書に明記することです。クリーニングをどちらの契約期間内で実施するかも事前に決めておきましょう。
事例⑤|原状回復の基準仕様書がなかった
居抜きで入居して数年後、退去時に原状回復を行おうとしたところ、基準仕様書(どこまで戻すかの基準)がなく、オーナーから想定以上の原状回復費用を請求されたケースです。
居抜き入居の場合、前テナントから原状回復義務を引き継ぎます。居抜きで退去しない限り、最終的に自社で原状回復工事を行う必要があります。
- 賃貸借契約時に原状回復の基準仕様書を取得する
- 基準仕様書がない場合は、退去テナントから原状回復見積りを入手する
- 入居時の状態を写真で記録しておく
居抜きオフィスのトラブルが心配な方へ
ここまで紹介したトラブルの多くは、専門知識を持つ仲介会社が間に入ることで未然に防ぐことができます。
ハイッテでは、オーナー承認の確認から造作譲渡契約書の作成サポート、内見時の設備チェックまで、トラブル防止のためのフルサポートを提供しています。
- オーナー承認済みの居抜き・セットアップオフィスをご紹介
- 造作譲渡契約書の作成・チェックをサポート
- 内見時の設備確認に専門スタッフが同行
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居抜きオフィスでトラブルが起きやすい3つのタイミング
居抜きオフィス移転では、特定のタイミングでトラブルが発生しやすい傾向があります。以下の表で、タイミング別の主なトラブルと対策を整理しました。
| タイミング | 主なトラブル | 対策 |
|---|---|---|
| オーナー確認時 | 居抜き入居不可が判明 | 仲介会社経由でオーナー承認済み物件を選ぶ |
| 造作譲渡契約時 | 契約書の不備、条件の行き違い | 詳細な譲渡品リスト作成、両契約同時締結 |
| 引き渡し時 | 残留物、設備故障、リース契約の引き継ぎ | 事前確認の徹底、書面での記録 |
居抜きオフィスのトラブルの多くは「専門知識を持つ仲介会社が間に入る」ことで未然に防げます。特に造作譲渡契約は独特のルールがあるため、経験豊富な仲介会社のサポートが重要です。
居抜きオフィスの内見で確認すべき7つのチェックポイント
居抜きオフィスの内見では、通常の賃貸オフィスとは異なる視点での確認が必要です。以下の7つのチェックポイントを押さえておきましょう。
- 設備の移動・交換履歴(空調移設は原状回復費用に影響)
- 故障・破損の有無(エアコン、照明、水回り)
- 空調設備の臭い(カビ臭がないか)
- 全照明の点灯確認
- 内装の汚れ・傷の程度
- 引き渡し什器と処分品の明確化
- リース契約品の有無(引き継ぐとリース料負担発生)
チェックポイント①|設備の移動・交換履歴を確認する
空調設備(エアコン)が移設されていないか、電気・LAN配線が増設されていないかを確認しましょう。
これらは原状回復の対象となり、退去時に数十万円〜数百万円の費用が発生する可能性があります。前テナントがどのような工事を行ったか、可能な限り履歴を確認しておくことが重要です。
チェックポイント②|故障・破損の有無を確認する
引き継ぐ設備・什器に不具合がないか、実際に動かして確認しましょう。特にエアコン・照明・水回りは要チェックです。
「入居後半年以内に壊れた」というケースも少なくありません。購入からどれくらい経過しているかも確認しておくと安心です。
チェックポイント③|空調設備の臭いを確認する
実際にエアコンを稼働させ、カビ臭や異臭がないか確認しましょう。
臭いがある場合はクリーニング費用の負担について事前に協議が必要です。入居後に気づいても対応が難しくなるため、内見時に必ず確認してください。
チェックポイント④|全照明の点灯を確認する
すべての照明が正常に点灯するか確認しましょう。
LED化されているか、蛍光灯の場合は交換費用の負担についても確認が必要です。照明器具の不具合は業務に直結するため、見落としがないようにしましょう。
チェックポイント⑤|内装の汚れ・傷を確認する
壁紙の汚れ、床の傷、天井のシミなどを確認しましょう。
許容範囲かどうか、補修が必要な場合の費用負担を明確にしておきます。写真を撮って記録しておくと、後々のトラブル防止にも役立ちます。
チェックポイント⑥|引き渡し什器と処分品を明確にする
どの什器・家具を引き継ぎ、どれを処分するかを明確にしましょう。
処分品がある場合、撤去費用の負担を事前に決めておく必要があります。「置いていくもの」「持っていくもの」をリスト化し、双方で確認しておきましょう。
チェックポイント⑦|リース契約品の有無を確認する
設備や什器にリース契約が含まれていないか確認しましょう。
引き継いだ場合、リース料の支払い義務が発生します。コピー機、サーバーラック、セキュリティ設備に多いパターンです。リース契約の残期間と月額費用も確認しておきましょう。
内見時のチェックは項目が多く、見落としが発生しやすいポイントです。ハイッテでは内見時に専門スタッフが同行し、これらのチェックポイントを一緒に確認します。
居抜きオフィスチェックリストを無料でダウンロード
上記のチェックポイントをまとめた「居抜きオフィス内見チェックリスト」を無料でダウンロードいただけます。造作譲渡契約書の確認事項リスト付きです。
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居抜きオフィス移転前に確認すべき2つのこと
トラブルを防ぐためには、物件探しの段階から以下の2点を必ず確認しておきましょう。
①居抜きでの入居・退去が可能か確認する
居抜きでの入居・退去には、必ずオーナー(貸主)の承認が必要です。
退去テナントがSNSなどで独自に募集している物件は、オーナー未承認のケースがあるため注意が必要です。仲介会社を通じて、オーナー承認済みであることを確認しましょう。
ハイッテで紹介する物件は、すべてオーナー承認済みの居抜き・セットアップオフィスです。「SNSで見つけた物件が居抜き可能か調べてほしい」といったご相談も承っています。
②賃貸条件を確認する
居抜きオフィスでも、通常の賃貸オフィスと同様に賃貸条件(賃料、共益費、敷金、契約期間など)の確認が必要です。特に以下の点に注意しましょう。
- 原状回復義務の範囲(どこまで戻すか)
- 解約予告期間(6ヶ月前が一般的)
- フリーレントの有無
- 造作譲渡費用(退去テナントへの支払い)
よくある質問
Q. 居抜きオフィスで最も多いトラブルは何ですか?
A. 造作譲渡契約書の不備によるトラブルが最も多いです。
「テーブル×1」のように記載が曖昧だと、どの什器を指すのか特定できず、退去・入居テナント間で認識の相違が生じます。詳細な譲渡品リスト(品番・設置場所・写真付き)を作成することで防げます。
Q. 居抜きオフィスの内見で特に確認すべき点は?
A. 空調設備の移設履歴、故障・破損の有無、リース契約品の有無の3点は必ず確認しましょう。
特に空調移設は原状回復費用に大きく影響し、リース品を引き継ぐとリース料負担が発生します。内見時に専門スタッフが同行するとより安心です。
Q. 居抜きで入居した場合、原状回復義務はどうなりますか?
A. 前テナントから原状回復義務を引き継ぎます。
そのため、将来的に居抜きで退去しない限り、自社で原状回復工事を行う必要があります。入居時に原状回復の基準仕様書を取得し、退去時の費用を事前に把握しておくことが重要です。
まとめ|居抜きオフィス移転はプロに相談するのが安心
- 居抜きオフィスで多いトラブルは「造作譲渡契約書の不備」「オーナー未承認」「原状回復基準の不明確さ」
- トラブル防止には、詳細な譲渡品リスト作成、両契約の同時締結、内見時の徹底確認が重要
- 専門知識を持つ仲介会社を通すことで、多くのトラブルを未然に防げる
居抜きオフィス移転は、コスト削減や移転期間短縮などメリットが大きい一方、通常の賃貸オフィス移転とは異なる注意点があります。「居抜きは初めてで不安」「造作譲渡の進め方が分からない」という方は、お気軽にご相談ください。
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ハイッテ by 株式会社IPPOでは、スタートアップ・ベンチャー企業のあらゆるフェーズのオフィス移転を支援しています。
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監修者
株式会社IPPO 共同創業者 取締役 大隅識文
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】
中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年株式会社IPPO(イッポ)を設立。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業までオフィス移転取引社数は500社以上、うち居抜きオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。オーナーとの関係性も非常に良く、居抜きオフィス移転の実務を知り尽くした、きめ細かなサポートに、オーナー・顧客からの信頼も厚く、リピートが絶えない。

執筆者 ハイッテ編集部
株式会社IPPO全般のマーケティングを担っています。ハイッテの運用のほか、オフィス移転事例や賃料相場、オフィス調査なども行なっております。