監修者:大隅識文
株式会社IPPO共同創業者/取締役
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トイレは労働環境の中でも気にする方が多い部分です。また、休憩以外で一旦業務と離れることができる時間なことからリフレッシュにも寄与します。
今後、採用人数を増やしていく中で男女別トイレを希望される経営者は多いです。特に従業員の要望の中でも、男女別トイレのニーズは強い傾向があります。
大事なトイレに関する法律から、少ないことで起こりうるトラブルなどを紹介しています。
この記事の目次
オフィスに設置するトイレの数は法律で決まっています
オフィスに設置すべきトイレの数は、法律で定められていることをご存じでしょうか?
「事務所衛生基準規則」には、トイレについて書かれた条文が存在しています。
オフィスのトイレ設置基準
オフィスには専有部分か共用部分にトイレが設置されていますが、事業所内で常時一定数以上の人数がいる場合には事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則で必要な個数が定められています。
「労働安全衛生法」という法律を実施するために厚生労働省が定めたもの規則です。同規則は、2021年7月28日に一部改正されたもので、オフィスの清潔維持や働く環境の向上、女性の活躍推進を目的としています。
労働安全衛生規則 第17条には、下記のように記されています。
(1)基本方針
男性用と女性用に区別して設けることが原則であること。
(2)少人数の事務所における例外
同時に就業する労働者が常時十人以内である場合は、現行で求めている、便所を男性用と女性用に区別することの例外として、独立個室型の便所を設けることで足りることとすること。
(3)男性用と女性用に区別した便所を各々設置した上で付加的に設ける便所の取扱い
男性用と女性用に区別した便所を設置した上で、独立個室型の便所を設置する場合は、男性用大便所の便房、男性用小便所及び女性用便所の便房をそれぞれ一定程度設置したもの※として取り扱うことができるものとする。
※男性用大便所又は女性用便所の便房の数若しくは男性用小便所の箇所数を算定する際に基準とする
当該事業場における同時に就業する労働者の数について、独立個室型の便所1個につき男女それぞれ十人ずつ減ずることができることとすること。
令和3年の7月に一部が改正され、少人数の事務所においては例外として、同時に就業する労働者が常時10人以内である場合は、トイレを男性用と女性用に区別することの例外として、独立個室型のトレイを設ければOKとするという旨の追記がされています。
男性60人女性40人の合計100人が同時にオフィスで働いていたとしたら、男性用トイレは個室1個、小便器2個、女性用トイレは個室2個が法律上設置すべきトイレの数となります。
規定に違反すると罰則も
トイレの数が社員数に見合っていない場合、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。
小さいオフィスに入居していて、事業が拡大するなどで社員数が増え、多くの人がオフィスで働くようになると、トイレの数が法律上の義務を下回る恐れがあるので注意が必要です。
トイレの数が少ない賃貸オフィス・事務所のデメリット
トイレの数が少ないと従業員の働く環境に悪影響を及ぼします。
異性の社員に気を遣ってしまう
社員数が少なく小さいオフィスの場合、トレイが一つしかなく、男性用と女性用のトイレが分かれていない場合もあります。
人数が少ないとはいえ、お互いに気を使ってしまうことも。
男女でトイレ内の使い方も異なるため、トラブルが起きることも想定されます。
また、女性用トイレは、化粧直しができる明るい洗面台や、個室内に設置されたゴミ箱など、女性ならではの機能があると喜ばれます。
誰が入っているのかがわかってしまう
誰がトレイに入っているのかがわかってしまうのが嫌だなと感じてしまう人も。
新しく入ったひとや、体調が優れないひとは、なかなか頻繁にトイレに行きづらいと感じてしまうかもしれません。
トイレに行かないために水分を取らない、ひとが少なくなるタイミングまで我慢する、など身体に負担をかける形でトイレを遠ざけるひともいるようです。
体調不良でも長時間の滞在はできない
トレイがひとつしかない場合、体調不良でも行くのを我慢してしまう場合もあります。
長時間の滞在は他の人に迷惑になってしまうかも、という考えからなかなか行きづらいと感じてしまうかもしれません。
「行きたい時に行けない」というストレスを感じてしまうと、更に体調が悪化する場合も考えられます。
故障した場合のリスクがある
故障した時のリスクが大きいのもデメリットのひとつです。
すぐに修理してもらえればいいですが、翌日にならないと修理できなかったりする場合もあります。
近くにトイレを借りに行くのも大変ですし、つい我慢してしまい、思わぬ病気につながる可能性もあります。
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監修者
株式会社IPPO 共同創業者 取締役 大隅識文
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】
中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年株式会社IPPO(イッポ)を設立。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業までオフィス移転取引社数は500社以上、うち居抜きオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。オーナーとの関係性も非常に良く、居抜きオフィス移転の実務を知り尽くした、きめ細かなサポートに、オーナー・顧客からの信頼も厚く、リピートが絶えない。
執筆者 ハイッテ編集部
株式会社IPPO全般のマーケティングを担っています。ハイッテの運用のほか、オフィス移転事例や賃料相場、オフィス調査なども行なっております。