オフィスを退去する際、ほとんどの場合、必ず実施する原状回復工事。
原状回復工事では、入居した時と同じ状態に戻す必要がありますが、どこまで行うのか不明瞭なこともあります。
特にオフィスや事務所を居抜き退去を行う場合、原状回復工事を一切行わない場合もあれば一部だけ原状回復工事を行うこともあります。
本記事では、オフィス・事務所を居抜き退去をする際の原状回復工事をどこまでやるのか、5つの注意点もご紹介します。
この記事の目次
オフィス・事務所の原状回復とは
オフィスの原状回復とは、借主(テナント)が退去する際にオフィスを借りた時の元の状態に戻すために行われる修繕工事です。
通常の原状回復の内容は、内装工事で施したもの全ての壁や床の修復、設備の撤去や修理、空調機器や照明設備の取り外しや交換などが含まれます。
これは、退去後に次のテナントが入居しやすいように適切な状態に戻すことが目的です。
原状回復にかかる費用は、オフィス・事務所や工事業者によって異なりますが、一般的には100坪以下で坪単価5〜10万円、100坪以上で坪単価10〜15万円で、合計数百万円から数千万円程度が相場です。
居抜きオフィスは原状回復をする必要がある?
居抜き退去をする場合は、原則として原状回復は必要ありません。
ただし、後継テナントが見つからなかったり、居抜きオフィスに入居し、通常通りに退去をする場合は原状回復が必要になるため、注意しましょう。
また、居抜き退去の場合でも、退去時にはクリーニングをしておくことが推奨されます。
これによって、オフィス・事務所の清潔感を保ち、次のテナントが入居しやすくなります。
オフィス・事務所の居抜き退去を進める上での4つの注意点
オフィス・事務所の居抜き退去を進める上での4つの注意点は、以下の通りです。
- オーナーの許諾を必ず取る
- 造作譲渡契約書と覚書を用意する
- 契約内容や解約予告期間を確認する
- オフィス移転のスケジュール管理を徹底する
オーナーの許諾を必ず取る
居抜き退去を進める上で、貸主(オーナー)の許諾を必ず取ることが重要です。
許諾を得ずに居抜き退去の話を進めると、後々のトラブルや契約違反に繋がる恐れがあります。
貸主(オーナー)との面談や書面での相談を通じて、居抜き退去希望であることを伝え、了承を得ることが必要です。
造作譲渡契約書と覚書を用意する
居抜き退去をする上でトラブルを回避するためには次のテナントとの間で造作譲渡契約書や覚書を用意することが大切です。
これにより、内装や設備を次のテナントに引き継ぐ際に問題が発生するリスクを最小限に抑えられます。
造作譲渡契約書には、譲渡する内装や設備の詳細や価格、処分する際に負担する費用・誰が負担するのか、引き渡しの条件などを明記します。
これにより、双方の権利と義務が明確化され、将来的なトラブルを防ぐことができます。
加えて、覚書を用意するとトラブルを防ぎやすくなります。
覚書は、契約内容の補足や変更点を記載するために作成される文書です。
例えば、退去時の原状回復の範囲や方法、移転に伴うオーナーとの交渉内容などが詳しく記されます。
既に原状回復の基準が賃貸借契約書や原状回復基準書に記されている場合は別途覚書を用意しなくてもよいため、居抜き退去に詳しい仲介会社に相談しましょう。
契約内容や解約予告期間を確認する
居抜き退去をする際、まずは契約内容や解約予告期間を確認しましょう。
契約内容やタイミングによっては居抜き退去がスムーズにできない場合もあります。
例えば、解約予告期間直前での居抜き退去検討の場合、解約予告期間までに貸主(オーナー)の居抜き退去の許諾を取れなかったり、解約予告期間を過ぎてから解約予告をすることにより費用がかさんでしまう場合があります。
オフィス移転のスケジュール管理を徹底する
オフィス移転は、企業にとって非常に重要なプロセスです。
そのため、スケジュール管理を徹底し、円滑な移転ができるようにすることが求められます。移転に伴う業務の範囲や期間を明確にし、適切なタイムラインを作成しましょう。
その上で、移転の際に必要な手続きや内装工事などのスケジュールを設定し、関連する全ての業者と連携を取りながら、計画通りの進行を確認していくことが重要です。
オフィス移転のスケジュール管理を徹底することで、トラブルや変更が発生した際の迅速な対応や移転費用の削減、業務効率化に繋がり、経営の安定にも寄与します。
オフィスの居抜き退去はオーナーにもメリットがある
オフィス・事務所の居抜き退去は、借主(テナント)だけでなく貸主(オーナー)にもメリットがあります。
世界情勢や経済状況により物件の空室率が変動しますが、居抜き退去は借主(テナント)にとって費用や期間の削減ができる魅力があり、テナント獲得の競争率が高いエリアでも次の借主(テナント)を見つけやすくなります。
また、近年内装・家具付きのセットアップオフィスがスタートアップ・ベンチャー企業に人気ですが、居抜きオフィスも内装・家具付きの状態のため、コストを抑えてセットアップオフィス同様の仕様にできる利点もあります。
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執筆者 ハイッテ編集部
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