資金調達後に課題が起こりやすいスタートアップ・ベンチャー企業にとって、補助金・助成金は効果的な解決策のひとつです。
渋谷区が提供する補助金・助成金は種類も多く、スタートアップ・ベンチャー企業を含むさまざまな規模の企業も利用しやすいことが特徴です。
上手に活用することで費用負担を削減し、設備投資や雇用など資金の活用幅を広げることができます。
本記事では、渋谷区にオフィスを構える企業は特に利用したい、東京都渋谷区の補助金・助成金制度について解説します。
※本記事は2024年11月11日時点の情報を掲載しています。
この記事の目次
東京都渋谷区の中小企業事業資金融資あっせん制度とは
渋谷区では、中小企業者が事業資金を必要とする場合、低利で融資が受けられるように金融機関にあっせんする制度を利用できます。
利用するには必要に応じて経営相談員の融資相談を受ける必要があります。
以下、各制度を活用するにあたって必要な条件、その制度の詳細についてご紹介します。
- 渋谷区内に主たる事業所、本店登記を有し、1年以上同一事業を営んでいること
- 法人都民税、個人は特別区民税をあっせん申込日までに納付すべきものを完納していること(完納の見通しが立つ場合にはこの限りではない)
- 東京都による信用保証料補助を受ける場合、事業税その他租税の未申告・滞納や社会保険料の滞納がないこと(完納の見通しが立つ場合にはこの限りではない)
- 信用保証協会の保証対象業種であり、かつ許認可を要する業種にあっては許認可を受けていること
※農業・漁業、風営法第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業、金融業、学校法人、宗教法人、非営利活動法人(NPO法人を除く)、LLP(有限責任事業組合)などは対象外 - 渋谷区暴力団排除条例に規定する暴力団、暴力団員、暴力団関係者でないこと
- 制度に応じて、別途申込資格があります。シェアオフィス、バーチャルオフィス等については、事業実態が確認できない場合、融資が受けられないことがあります。
融資あっせんの流れは以下の通りです。
融資相談は事前予約制で、相談日当日は必要書類を持参し、提出します。
融資相談の結果、あっせん可能となった場合には、融資あっせん書を交付します。
融資あっせん書を取扱金融機関に提出し、融資を申し込みます
【融資あっせん書の有効期限:あっせん日から30日間】
融資を申し込んだ取扱金融機関や信用保証協会で審査
金融機関・信用保証協会の審査完了後、融資が実行されます。
※審査結果により、あっせん金額から減額、融資が否決となる場合があります。
金融機関から区にあっせん結果の報告
区が金融機関に対して、利子補給を開始
【参考】区の中小企業事業資金融資あっせん制度 │ 東京都渋谷区
原油・物価高騰対策資金
原油・物価高騰対策資金とは、原油価格や物価高騰により、事業に影響を受けている中小企業者へ、運転資金を最大2,000万円受給できる制度です。
融資条件 | ・1年以上事業を営んでいる法人および個人事業主 ※原油価格・物価高騰の影響により、最近3か月間の売上高、売上総利益又は 営業利益のいずれかの合計が前年同期と比べて、10パーセント以上減少していること ・創業後1年未満の法人および個人事業主 ※原油価格・物価高騰の影響により、最近1か月間の売上高、売上総利益又は 営業利益のいずれかが創業後の任意の連続した3か月間の平均額と比べて、 10%以上減少していること |
融資金額 | 2,000万円以内 |
資金使途 | 運転資金 |
利率(固定金利) | 無利子(年1.7%以内のうち、渋谷区が全額負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置1年を含む) |
令和7年3月31日(月曜日)まで
※受付期間が延長されました。
運転資金
運転資金とは、中小企業者の事業に必要となる運転資金の一部を最大1,500万円まで受給できる制度です。
運転資金とは主に商品や原材料の購入、賃金その他事業運営に要する諸経費の支払いに充当する資金のことを指します。
融資金額 | 1,500万円以内 |
資金使途 | 商品・原材料の購入、賃金その他事業運営に要する、諸経費の支払いに充当する資金 |
利率(固定金利) | 利用者負担1.2%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が0.5%負担) |
貸付期間 | 5年以内(据置6か月を含む) |
随時受付中
設備資金
設備資金とは、中小企業者の事業に必要となる設備資金の一部を最大2,000万円まで受給できる制度です。
設備資金は、主に事業所の増改築や設備改善、事業用備品など資産の購入に充当する資金です。
融資金額 | 2,000万円以内 ※営業に供する自家用自動車は400万円まで (原則として建設業・運輸業の事業用車両を除く) |
資金使途 | 事業所の増改築や設備改善、事業用備品など資産の購入に充当する資金 |
利率(固定金利) | 利用者負担1.2%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が0.5%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置6か月を含む) |
渋谷区の「設備資金」と東京都の融資制度「設備投資」の要件を満たす場合、東京都より信用保証料を3分の2が補助されます(東京都による信用保証料補助)。
※責任共有制度の対象外となる場合には、貸付期間「5年を超えて7年以内」のみ連携できます。
随時受付中
小口資金 (小口零細企業保証制度)
小口資金 (小口零細企業保証制度)は一般と商店会加入者の2種類に分けられています。
小口資金(一般)
小口資金(一般)とは、小規模企業者の事業に必要となる運転資金および設備資金の一部を最大2,000万円まで受給できる制度です。
資金使途は運転資金・設備資金のいずれか、または両方同時に使用できます。
融資対象 | 次の全てに該当する小規模企業者(法人・個人) ※ただし、特定非営利活動法人は対象になりません。 ・建設業・製造業・運輸業・不動産業・宿泊業・娯楽業などは、従業員が20人以下である ・卸売業・小売業・飲食業・サービス業は従業員が5人以下である ・本件融資を含めた全国の保証協会の保証付融資残高が2,000万円以下である |
融資金額 | 2,000万円以内 営業に供する自家用自動車は400万円まで (原則として建設業・運輸業の事業用車両を除く) |
資金使途 | 運転・設備のいずれか、または両方同時 |
利率(固定金利) | 利用者負担1.0%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が0.7%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置6か月を含む) |
渋谷区の「小口資金」と東京都の融資制度「小口」の要件を満たす場合、東京都より信用保証料の2分の1が補助されます。
随時受付中
小口資金(商店会加入者)
小口資金(商店会加入者)とは、渋谷区の商店会加入者と東京都の融資制度において小口の要件を満たす場合、事業に必要となる運転資金および設備資金の一部を最大2,000万円まで受給できる制度です。
資金使途は運転資金・設備資金のいずれか、または両方同時に使用できます。
小口資金(商店会加入者)の概要
対象 | 次の全てに該当する小規模企業者(法人・個人) ただし、特定非営利活動法人は対象になりません。 ・区内の商店会に加入しており、あっせん後も商店会に継続して加入すること ・建設業・製造業・運輸業・不動産業・宿泊業・娯楽業などは、従業員が20人以下である ・卸売業・小売業・飲食業・サービス業は従業員が5人以下である ・本件融資を含めた全国の保証協会の保証付融資残高が2,000万円以下である |
融資金額 | 融資金額 2,000万円以内 営業に供する自家用自動車は400万円まで(原則として建設業・運輸業の事業用車両を除く) |
資金使途 | 運転・設備のいずれか、または両方同時 |
利率(固定金利) | 利用者負担0.2%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が1.5%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置6か月を含む) |
渋谷区の「小口資金(商店会加入者)」と東京都の融資制度「小口」の要件を満たす場合、東京都より信用保証料の2分の1が補助されます。
随時受付中
借換資金
借換資金とは、中小企業者の借換に必要な資金と事業に必要となる運転資金および設備資金を受給できる制度です。
渋谷区制度融資の既往債務にプラスして500万円まで受給でき、資金は事業資金に充てることができます。
融資金額 | 渋谷区制度融資の既往債務プラス500万円以内 (ただし、合計4,000万円以内) ※借換できる対象の融資は、東京信用保証協会の保証付きで 償還が5割以上済んでいるものに限る。 |
資金使途 | 事業資金 |
利率(固定金利) | 利用者負担1.2%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が0.5%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置6か月を含む) |
随時受付中
災害復旧資金
災害復旧資金とは、区長が指定した広域的な災害により、中小企業者の渋谷区内にある事業資産が被害を受けた場合において、その復旧に必要な運転資金および設備資金を最大300万円受給できる制度です。
融資金額 | 300万円以内 |
資金使途 | 被害を受けた事業性資産の復旧に必要な運転資金および設備資金 |
利率(固定金利) | 利用者負担0.1%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が1.6%負担) |
貸付期間 | 5年以内(据置6か月を含む) |
随時受付中
低公害車特別資金
低公害車特別資金とは、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例34条に規定する低公害車・低燃費車を購入するための資金を最大1,000万円受給できる制度です。
融資金額 | 1,000万円以内 ※都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 (平成12年東京都条例第215号)第34条に規定する低公害車・低燃費車の購入資金。 ※営業に供する自家用自動車は400万円まで (原則として建設業・運輸業の事業用車両を除く) |
資金使途 | 中小企業者の事業に必要となる、 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例34条に規定する 低公害車・低燃費車を購入するための資金 |
利率(固定金利) | 利用者負担0.4%以内(年1.7%以内のうち、渋谷区が1.3%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置6か月を含む) |
随時受付中
事業多角化転換資金
事業多角化転換資金とは、中小企業者が業態転換・事業転換・事業多角化に取り組むために必要となる運転資金および設備資金を、最大1,500万円受給できる制度です。
融資金額 | 1,500万円以内 ※営業に供する自家用自動車は400万円まで(原則として建設業・運輸業の事業用車両を除く) |
資金使途 | 中小企業者が業態転換・事業転換・事業多角化に取り組むために必要となる運転資金および設備資金 |
利率(固定金利) | 利用者負担0.4%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が1.3%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置6か月を含む) |
随時受付中
事業承継支援資金
事業承継支援資金とは、中小企業者の事業承継に必要となる運転資金および設備資金を、最大2,000万円受給できる制度です。
資金使途は運転資金・設備資金のいずれか、または両方同時に使用できます。
対象 | 次のいずれかの要件を満たすもの ・事業承継を3年以内に行う具体的な計画を有する個人または中小企業者 ・事業承継後5年未満の中小企業者であって、事業計画を策定し、 承継後の経営の安定化などに取り組むこと |
融資金額 | 2,000万円以内 営業に供する自家用自動車は400万円まで(原則として建設業・運輸業の事業用車両を除く) |
資金使途 | 運転・設備のいずれか、または両方同時 |
利率(固定金利) | 利用者負担0.4%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が1.3%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置1年を含む) |
渋谷区の「事業承継支援資金」と東京都の融資制度「事業承継一般」の要件を満たす場合、東京都により信用保証料の3分の2が補助されます。
※責任共有制度の対象外となる場合には、貸付期間「5年を超えて7年以内」のみ連携できます。
随時受付中
創業支援資金
創業支援資金とは、中小企業者として創業しようとする方、または創業して1年未満の中小企業者が、事業に必要となる運転資金および設備資金を最大2,000万円受給できる制度です。
対象 | 次に該当する中小企業(法人・個人) ※ただし、特定非営利活動法人は対象になりません。 ・事業を営んでいない個人で、「事業に必要な知識・経験」 もしくは「法律に基づく資格」を有し、具体的な事業計画があり、 個人または法人で区内に創業予定もしくは創業後1年未満である。 |
融資金額 | 2,000万円以内 営業に供する自家用自動車は400万円まで(原則として建設業・運輸業の事業用車両を除く) |
資金使途 | 運転・設備のいずれか、または両方同時 |
利率(固定金利) | 利用者負担0.1%以内 (年1.7%以内のうち、渋谷区が1.6%負担) |
貸付期間 | 7年以内(据置1年を含む) |
渋谷区の「創業支援資金」と東京都の融資制度「創業」の要件を満たす場合、東京都により信用保証料の3分の2が補助されます。
随時受付中
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執筆者 ハイッテ編集部
株式会社IPPO全般のマーケティングを担っています。ハイッテの運用のほか、オフィス移転事例や賃料相場、オフィス調査なども行なっております。