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歴史に名を遺すようなVCを作りたい|株式会社KVP(現ANOBAKA)【提携VC #2】

歴史に名を遺すようなVCを作りたい|株式会社KVP(現ANOBAKA)【提携VC #2】

更新日:2023.11.10  公開日:2020.09.18

VCインタビュー第2弾は、株式会社KVP(現ANOBAKA)の萩谷聡さんにお話を伺いました。

萩谷さんが出資を決める際に重視するポイントや、過去の失敗談など、経営者が気になるポイントを深堀りしました!

萩谷 聡(はぎや さとし)
株式会社KVP(現ANOBAKA) キャピタリスト
東北大学大学院理学研究科修了。在学中は自身でwebサービスを立ち上げ運営。
2013年KLab株式会社に入社後はゲーム事業部にてモバイルゲームの運用、新規ネイティブゲームの立ち上げに企画として従事。
2015年よりKVP(現ANOBAKA)に参画し、複数の投資先ベンチャーの支援を実施。
主な担当は助太刀、シューマツワーカー、ネクストイノベーション 、Autify、Buzzreach、CBcloud、souco、SARAH、Sasuke Financial Lab、Synamonなど

 
インタビュアー
株式会社IPPO 山岸 耕
yutori、ペイミー、AppBrewといったスタートアップのオフィス移転を創業期から手がけ、現在はハカドルの編集部も兼任。
映画が大好きで、映画について話させると止まらなくなるので注意。

今回もハカドル編集部の山岸がKVP(現ANOBAKA)さんのオフィスにおじゃましました!

KVP(現ANOBAKA)のミッション『Bring The Entrepreneurs’ Vision to The Next Stage』
が書かれた壁面がかっこいいスタイリッシュなオフィス

経営者にフラットに向き合う

——所属VCについて教えてください。

萩谷さん:KVP(現ANOBAKA)は、シード・アーリーステージのベンチャー企業を対象としています。2016年5月から投資活動を開始し、現在は2号ファンドからの投資をメインにしています。累計すると80社以上のスタートアップへの投資実績があります。

ITを中心に投資していますが、LPの意向で領域の限定はしていません。VR/AR、IOTなどの最先端テクノロジー領域から物流、ヘルスケア、建築など幅広い領域に投資をしています。

——萩谷さんはどのような領域を担当されていますか?

萩谷さん:実は弊社の場合、領域で担当が決まっているわけでないんです。その時の状況や、すでに担当している案件などによってケースバイケースです。

僕個人としては自分が知らない領域を調べていくのが異常に楽しく思うタイプなので、基本はいろんな業界に触れられるので楽しんでやっています。

——好奇心を特にくすぐられるのはどのような時ですか?
萩谷さん:既存産業の課題を解決し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく事業は面白いと思います。また課題解決や効率化に留まらずさらに大きな領域を作っていくような掘り下げを行っていく事業にとても魅力を感じます。

担当している企業ですと助太刀、ネクストイノベーションなどがあります。

——今お話に出た助太刀、ネクストイノベーションなど萩谷さんが担当された企業の当初の印象や出資の決め手を教えて下さい。

萩谷さん:職人と現場を繋ぐプラットフォームを運営する助太刀は当時プロダクトはまだなかったものの、自力で代表の我妻さんがプログラミングを学び、完成度の高いプロトを作られていました。また元建設会社の代表であった経験から領域への解像度の高さ、職人さんファーストの大きなビジョンに惹かれました。

一方でアプリでオンライン診療をしピルが届く「スマルナ」を運営するネクストイノベーションは当初、IT領域の背景があったメンバーでもなかったので、プロダクトの開発に少し懸念ではありました。事業としてもオンライン診療の中でもピル特化ではなく、AGAや花粉症、アレルギーなど幅広く考えており、手探りではありました。出資の決め手となったのは、代表の石井さんの医療業界改善への強い想いと柔軟性、吸収力ですね。シード期は週1回定例を設けてディスカッションをしていたのですが、オンライン診療という事業難易度が高い中で、現在のプロダクトの完成まで異常なくらいスピード感を持ってアップデートを重ね、PMF(プロダクトマーケットフィット)を進めていきました。
 

——人によってタイプがかなり違うと思いますが、起業家と初回面談する際に大事にしているスタンスはありますか?

萩谷さん:必ずフラットに話を聞くことを意識しています。自分の知識や考え方をはさみながら聞くと、「このマーケットだからきっとこうだろう」と先入観が出てしまうので、まずは起業家の方の話を100 %理解することを第一にしています。

あとは質問を大事にしています。経営者が話したいポイントを見極められるような質問をしますね。まずは話を聞いて、納得度が高まってきたら他の事例や戦略など前向きな議論をしていきます。

——出資を決める際に見るポイントは何でしょうか?
萩谷さん:事業解像度が高いかどうかを見ます。事業や業界について一番考えているのはご本人だと思うので、どれだけ解像度を高く事業を見ているかは重要だと思います。

例えばその領域について僕らより圧倒的に詳しい知見を持っていたり、僕があらゆる角度から質問をしてもスムーズに返答がもらえるととても良い印象を受けます。知らない業界や分野になると個人的にかなり調べるのが好きなので、実際現場の方からヒアリングした内容なども質問します。

あとはやはり柔軟性です。提案に対してすぐに対応できるという意味での柔軟性はもちろん、プロダクトの方向性やターゲットなどやっていることが必ずしも正しいとは限らないので、その辺りをどう見極めて柔軟に対応していくかも大事だと思います。

——市場規模は気にしますか?

萩谷さん:もちろんどれだけの売上規模が目指せるかは確認します。ただ、市場規模って分かりやすいものと分かりにくいものがあると思います。例えばKVP(現ANOBAKA)の出資先だとCBcloudでしたら物流の既存流通規模を見れば分かりやすいですが、Bloomee LIFEの場合だと花のサブスク市場は数字として見えづらくなります。そのため市場規模よりもきちんと文化として浸透していくかどうかを大事にしています。

——正直、出資って判断難しくないですか?

萩谷さん:やはりシードだとニーズがあるかどうかが難しいのでそこで苦労することはありますね。ただ、そのような時でも「この人とだったら5年10年、一緒に事業ができる」という経営者との信頼感が後押しとなって最後までやり切れた事例もあります。

——長い時間をかけていても、最終的に出資しなかった事例もありますか?

萩谷さん:ありますね。時間をかけてしまい申し訳ない思いもあります。

——最終的に出資するかしないかの境界になるのは何でしょうか?萩谷さん:一番多いケースは、狙っている市場は良くても足元の戦略やソリューションがふわっとしている場合が多いですね。起業家の方とどういう切り口から登るべきか議論進めながら検討します。

あとは、PMFしそうでもどのくらいの規模まで浸透するかが読めない、みたいな場合ですね。

——確かに判断が難しそうですね。どうしたらその懸念を払拭できたと思いますか?

萩谷さん:一つは経営者の事業推進力や事業への想いなどは大事だと思います。シード期はスピード感を持って、粘り強くPMF検証進められるかが大事ですので、この経営者の方ならきっと切り口見つけられると思えれば投資を進めると思います。

また戦略面としてはマーケットやデバイス、個人の価値観など外部環境の変化に紐づいているかが重要だと思います。それがなかった場合、市場の後押しがないと大きな成長ができない場合が多いので……。

もちろん結果的に市場の後押しによって化ける可能性もあるので難しいところではありますが、プロダクトと周囲の環境がどうなっていくかの戦略は大事だと思います。

経営者の不安を事前に汲み取る

——VCをやってきて成長したと思うことを教えてください。

萩谷さん:経営者に対しての提案姿勢は変わりましたね。

VCになったばかりの頃に、自らバリエーションの提示ができなくて失敗したことがあります。「これくらいの金額を出資して、これくらい成長させて行きましょう」というような提案をどんどん投げかけられたら良かったものの、結構受け身になってしまいました。

現在は以前よりは起業家の方へ提案し、前向きに進められるようになったと思います。

——今思うVCの難しい点って何でしょうか?

萩谷さん:事業のサポートなどはできてもメンタルケアは難しいなと考えています。経営者がプロダクトをあきらめかけた時にサポートできなかったという悔しい経験もしたことがあります。

——メンタルケアはハンズオンとはいえ難しいですよね。

萩谷さん:そうですね、もっと早めに気付いて提案してあげられたら……と思っています。

あとは立場上、僕たちは経営者にとっては株主なので、彼らも弱い部分を見せづらいと思います。事業が上手くいっていないときに「この事業いけそうにないです」とは株主には言えないですよね。そもそも投資家が「その事業いける」と思って持ちかけているので、真面目な方ほど言いづらいと思います。そのため、本当に厳しいなと感じたら、投資家から撤退ラインを早めに決めるとかは提案しなくてはいけないと考えています。

チームプレーを促進するための共有の時間

——萩谷さんの一日の働き方を教えてください。

萩谷さん:朝は意識的にニュースやSNSをチェックして情報収集するようにしています。

日常業務だと新規面談と、既存との定例ミーティングが主な業務で、朝10時くらいからそういった打ち合わせが始まります。

打ち合わせの合間は、既存のどこかしらが常にファイナンスやディスカッションをやっているので、大体チャットでディスカッションをすることが多いですね。

夕方とか夜くらいになってくると、その日の新しいニュースが出ているのでそこをチェックするようにしています。

——新規と既存はそれぞれ週に何件くらいの頻度で入っているのですか?

萩谷さん:結構バラバラですけど、新規は週で5~10件くらいですかね。既存投資先は一日に1〜2件くらい入っていることが多いので、週に5〜8件くらい入っています。

——既存でも定例頻度はどのくらい違いますか?

萩谷さん:ある程度のフェーズに進んでいるところは月1が多いです。シードに出資してから、シリーズAまでというところをしっかり確認しながらやっていくところだと隔週が多いですね。

あとはサービスのリリース前などちょっと正念場の所とか、よりスピーディーに回した方が良いフェーズの場合は週1を目安にやっています。

比率的には隔週が多いです。

シリーズA以降になると細かく言う部分も少なくなってくるので、月1程度になりますね。

——社内での定例会議ってどのくらいしていますか?

萩谷さん:月曜と木曜の午前中を共有の時間にしています。各メンバーで進捗共有や今検討している企業、既存の状態を共有しています。

その他にも組織に関するディスカッションもその場で行います。

また各定例の後に30分程度の勉強会も開催しています。発表するお題は自分で自由に決めて良いことにしていて、最近だと僕はセキュリティ系のスタートアップの勉強会を開きました。

——通常の業務をこなしながら、勉強会の準備をするのって大変ではありませんか?

萩谷さん:大体一か月に1回程度のペースで担当が回ってくるので、それほど負担にはなりません。最近はその時間で外部の講師の方を呼ぶこともあります。以前はPRのプロフェッショナルの方をお呼びしました。

——他にも会社としてのルーティンはありますか?
萩谷さん:月曜日はみんなでランチに行きます。VCは結構それぞれが独立して働くので、なかなかコミュニケーションが取りづらい部分があるんです。そのため週に1回はランチに行って、週末何してたの?とか雑談ベースのコミュニケーションをとるようにしていますね。

——萩谷さんのルーティンもあったら教えてください!
萩谷さん:それでいうと、サウナとヨガをが好きでよく通っています。腰痛を改善するためにヨガは週1回程度通っています。サウナでは結構考え事をしたりするためにも行ってますね。食事面でいうと夜は会食になることが多いので、朝はバナナ、昼はクリスプサラダワークスと朝昼で調整することが多いですね。

若手でも挑戦できる環境が大事

——VCになったきっかけを教えて下さい。

萩谷さん:はじめはKLabに新卒で入社し、モバイルゲームの運用・企画をしていました。

僕自身も学生の頃にビジネスのようなものをやっていて、ビジネスやサービスを作る大変さを体験していました。

当時のモバイルゲーム業界はパズドラが出た後くらいで、かなり成長していた業界でした。モバイルゲームの運用・企画はサービスを回す全てが詰まっているし、テクノロジー的にも最先端だったので、それを学ぶためにその時とても勢いのあったKLabに入りました。

KLabで運用や立ち上げを経験したタイミングで、KVP(現ANOBAKA)の立ち上げに現メンバーの代表長野から誘われました。他の事業会社とも迷っていましたが、せっかくなら新卒で入った親会社に貢献したいという思いがありました。

株式会社KVP(現ANOBAKA)オフィス

当時はVCというものが何かよくわかっておらず、優秀な起業家の方々と新しい事業を作っていくという取り組みは中々面白そうだなくらいに思っていました。半年くらいやってみようかな、というスタンスで挑んでました。そんなこんなで今はKVP(現ANOBAKA)に入ってもう5年も経ってますが(笑)

——とりあえず半年、の心構えで気付いたら5年も続けていたというのはすごいですね(笑)

萩谷さん:本当に気付いたら夢中になっていました(笑)

結果としてこの仕事を始めて良かったと思うのは、KVP(現ANOBAKA)の立ち上げに携わったという部分ですね。当時かなり若手でしたが、投資もガンガン任せてもらい、自分の担当も沢山持つことができたので、若手ながらにそのような経験ができて良かったと感じます。どんどん投資させてもらえる環境は大事だと思います。

KVP(現ANOBAKA)をNo.1のシードVCに

——萩谷さんは今後のキャリアについてどう考えていますか?

萩谷さん:今はKVP(現ANOBAKA)を大きくしていきたいという思いがすごく強いので、まずはパートナーを目指しています。そしてKVP(現ANOBAKA)という組織をNo.1のシードVCにしたいと考えています。今後さらにVCの業界は伸びていくと思うし、ベンチャー投資も伸びていくと思っています。そこで歴史に名を遺すようなVCを作りたいです。

——これから絡んでみたいVCさんはいますか?

萩谷さん:UTECさんですかね。技術的な部分ですごく知見があるので学びたいです。あとは20代前半の若い方々は僕らが認識できないところを掴んでいたりするので、もっと絡んでいきたいです。

——最近注目している企業と業界はありますか?

萩谷さん:今注目しているのは勉強会に出てきたセキュリティですね。サイバーセキュリティに関しては、圧倒的に日本の意識が遅れていると感じます。特に中小企業はセキュリティへの意識が低いと思います。これからSaaSとかクラウドがさらに普及していくとともに価値や必要性がより上がると考えている部分なので、興味を持っています。

あとは個人的な関心もありますが、クリーンエネルギー関係も見ています。再生可能エネルギーの調達の部分やテクノロジーを活かした電力効率化、クリーンエネルギーへの転換など領域は、今後必然的に伸びてくると思います。

——最後に弊社がスタートアップのオフィス仲介をしているので、行ったことのあるオフィスでいいなと思ったところがあれば教えて下さい!

萩谷さん:CBcloudのオフィスはコックピットがあるんですよ。代表の松本さんがもともと航空管制官で、会議室の名前がエアバスに由来したものになっていたり、オフィス内にモチーフがちりばめられていたりと、とても魅力的なオフィスだと思います。あとはSARAH看板など全て手作りで、カフェみたいなおしゃれな雰囲気があります。会社のカラーや、温かい雰囲気出ていて好きですね。

もし興味ある方は弊社のブログにもあるので読んでください。

編集後記

株式会社KVP(現ANOBAKA)オフィス

株主としての投資家ではなく、あくまでも経営者とフラットな関係で対話できるように務める萩谷さんの姿勢は素敵でした。また、ご自身の経験に基づいたVCと経営者との信頼感を築くための工夫について知ることができました。

資金調達を検討中の経営者の皆さんは、このような投資家側の目線も参考にし、ご自身のベストパートナーとなるVCを見付けて下さい!ハカドルでは引き続きVCの方にインタビューをしていきます。次回も是非ご覧ください!

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