事業を立ち上げたばかりのスタートアップ・ベンチャー企業に選ばれることが多い、数名〜10名の入居に丁度良い、賃貸小規模オフィスが人気です。
初期費用や賃料を抑えつつコンパクトで使い勝手も良い点が特徴です。
本記事では、弊社で仲介させていただいた企業のレイアウト事例を交え、小規模の賃貸オフィスの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
この記事の目次
小規模オフィスとは
小規模オフィスとは、明確な坪数の基準はなく、ハイッテ by 株式会社IPPOでは、数人から十数人で利用する30坪以下賃貸オフィス・事務所を想定(東京都内)としています。
小規模オフィスは空間が狭いため、ゾーニング(感染症対策など)や空間の統一感が大切となります
また、オフィス家具や観葉植物を有効活用することで、働きやすい労働環境を作り出すことができます。
ハイッテ by 株式会社IPPOでは、長年、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィス移転の提案を続けており、小規模オフィスのレイアウトや資金調達後のオフィス移転を踏まえた、最適なオフィス移転をご提案しております。
\小規模オフィスのご相談について/
小規模オフィスのメリット
東京の小規模賃貸オフィス・事務所物件を検討していく上で、考えられるメリットを解説します。
小規模オフィスは、経営者や従業員との距離が近く、事業拡大や成長速度を加速させるメリットがあります。
コミュニケーション活性化による業務効率の向上
異なる部署に意見を求める場合、自席から立ち上がらなければなりません。
一方で物理的に社員同士の距離が近くお互いの顔が見える小規模オフィス・事務所は、相互に相談や雑談がしやすくコミュニケーションの自然発生に繋がります。
普段から気軽に相談しやすい労働環境を構築することにより、コミュニケーション不足による報告や連絡ミスなど小さなトラブルを減らす効果が期待できます。
オフィス空間の統一感と企業文化醸成
小規模オフィス・事務所は設置できる物に制限がありますが、コンパクトゆえにデスクやロッカー、照明器具などブランドを統一しやすく、企業のブランドを空間デザインに落とし込みやすい特徴があります。
統一感のある空間で時間を共にし、企業ブランド・文化を肌で感じながら業務を遂行することで社員の帰属意識を高められます。
東京の小規模オフィスのデメリット
入居後に感じやすい小規模オフィス・事務所物件特有のデメリットや課題を紹介します。
特に東京の小規模オフィスは一人あたりの面積が少ないことが珍しくありません。
以下、紹介するデメリットを元に慎重にオフィス物件を検討しましょう。
収納が少なく物が散乱する
デザイン性の高いオフィスを実現しても物が散乱しては意味がありません。
ファイルやコピー用紙・文房具など備品の置き場を想定していない場合、執務室のいたるところに散乱してしまいます。
しかし、限られた面積の中で収納機能を広めに確保すると、相対的に作業空間が縮小されるため、まずはデッドスペースとなりやすい柱周りや窓際を有効活用し、ペーパーレス化を進めファイルや文房具を削減しましょう。
閉塞感を感じる場合がある
空間そのものや、身の回りの空間・通路幅も狭まることから窮屈に感じることも…。
そのため、デスクの配置や機能付き収納家具を上手く活用するなど空間作りに一手間加えることで、無意識に感じるストレスも軽減できます。
また、近年では空間を広く感じられるスケルトン天井仕様やフリースペースが充実したサービスオフィスも普及しており、選択肢の幅が広がっているため、上手く活用しましょう。
近年、注目を集めている、オフィスチェア1つから利用できるサブスクリプションサービスが便利です。IPPO限定特典もご用意しておりますので、ぜひご利用ください。
最適でないオフィスレイアウトが与える悪影響
いかにして良い労働環境を構築するかが業務生産性や企業文化、採用計画にも影響します。
どのような悪影響が職場環境や従業員に発生するかをご紹介します。
コミュニケーション量低下による業務への影響
デスクの配置はコミュニケーションの量を左右します。
物理的に距離が離れていたり、パーテーションで仕切られていると、話しかけづらいと感じることがあります。
最適でないレイアウトは無意識のうちに業務の障壁となるため、コミュニケーションが不足することにより、スムーズな連携が取れずにミスの原因に繋がることも…。
採用計画の阻害になる可能性も
求職者は自らの能力を最大限に発揮できる就労環境を求めていますが、働き方に配慮していないレイアウトは採用に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、自社のニーズに最適化された働きやすいレイアウトや、先進的なインテリアなど、直感的に働きやすさが伝わるオフィス・事務所は企業ブランディングにも繋がり、企業の印象が大きく変わります。
移転時期前倒しによる費用の発生
空間を効率的に活用できていないレイアウトでは、快適性を保ちつつ企業成長に沿った適切な人数を採用できません。
当初予定していた移転計画から早まって移転せざるを得なくなり、予期せぬ賃料や移転費用も発生します。
オフィス移転では、採用計画と合わせて座席をどう配置するかまでプランニングし、想定し得るイレギュラーなケースを減らす工夫が大切です。
小規模オフィスをつくる前に決めておきたいこと
小規模オフィス・事務所のレイアウトを決める前には「何を成し遂げるためオフィス移転をするのか」を明確にしておくことが重要です。
その上で内装や必要な設備を決めていくことにより、会社の成長に合わせた、快適な労働環境を実現できます。
レイアウトが最適でないと業務効率が悪化する場合があります。
どのような働き方を実現したいかを事前に整理しておきましょう。
- オフィスをつくる理由を決める
- 1人あたりの必要面積を把握する
- ゾーニング(スペース配分)を決める
- 社員にヒアリングする
オフィスをつくる理由を決める
コンセプト次第でオフィス・事務所の立地から内装まで変わるように、全てに関わる重要な工程です。
どんな働き方や企業を目指し、実現するためにどんなオフィスが必要なのかをしっかりと決めてから移転作業に取り掛かるようにしましょう。
1人あたりの必要面積を把握する
目安として1人の社員が快適に業務を遂行できる必要面積はおおよそ2〜3坪です。
業務内容や働き方により適切な面積は異なり、リモートワークの採用により常駐人数が少ない場合は必要面積が減ることもあるため、自社の特性に応じて把握しておくことが大切です。
ゾーニング(スペース配分)を決める
ゾーニングとは、オフィス空間を異なる機能を持つエリアに分割することです。
つまり、オフィス内に業務に適した執務スペースや、交流を促進するフリースペースなどの場所を設けることを意味します。
業務特性に応じて最適化することで、集中力維持や作業効率に影響します。
社員にヒアリングする
業務時間のうちの長時間をオフィス・事務所で過ごすため、社員の作業のしやすさや快適さは非常に重要な要素となります。
そのため、社員の要望を把握し、それに基づいてレイアウトを決めることが大切です。
また、社員がレイアウト決定に参加することで、オフィスの空間に対する愛着を持ち、より生産的な環境を実現できます。
そして、社員は自分たちが関わったオフィス空間を大切にし、より良い結果を生み出すことでしょう。
小規模オフィスのよくある法令違反
オフィス・事務所のレイアウトを決める際には、地方自治体が定める建築基準法や消防法、労働安全衛生法など、様々な法令や規制に準拠する必要があります。
知らないうちに違反してしまう事例もあるため注意が必要です。
消防法違反(パーテーション・会議室設置時に注意)
消防法では、火災や災害時の安全確保を目的とし、建物内の防火対策や避難経路の確保、消火設備の設置などのルールが定められています。
まずは、オフィス・事務所のパーテーションが火災の拡大を防止するための防火対策として機能する必要があります。
防火機能を有する材料で作られ、火災発生時に適切な火災報知装置や消火設備が設置されていることを意味します。
また、天井から床まで仕切る形でパーテーションや会議室が設置され、新たな部屋ができた場合、防火対策や建物内で適切な避難経路が確保されていることが求められます。
- 消火設備:消化を行うための設備
- 警報設備:火災を感知し、知らせるための設備
- 避難設備:災害時に避難するための設備
- 消防活動用設備:消防隊が消火活動の際に使用する設備
その他、防火管理者の選定や消防計画の作成が必要です。
労働安全衛生法違反(照明や1人あたりの面積)
オフィス・事務所をつくる上で、社員が快適に作業できるよう必要なスペースを確保し、作業スペースのレイアウトを考慮する必要があります。
例えば、疲労を軽減する適切なオフィス家具や配置、社員の目の負担を軽減する適切な照明器具、換気設備を設置する必要があります。
特に換気が不十分な場合、二酸化炭素や有害物質などが滞留し、健康に悪影響を与える可能性があります。
配慮すべき点として、防災対策、設備点検・保守管理、作業環境の温度管理、騒音・振動対策、有害物質の管理などが挙げられます。
労働安全衛生法に基づいた対策を講じることで、社員の健康と安全を確保し、生産性の向上につながることが期待されます。
東京の小規模オフィスのレイアウトを決める際のポイント
東京の小規模オフィスへの移転メリットやデメリットを把握した上で、自社の事情にあった最適なレイアウトを決めるポイントを紹介します。
高さが低いロッカーやデスクで空間を広く魅せる
東京のオフィス・事務所は天井や壁、人や物との距離が近いことが多く、圧迫感を感じやすい傾向があります。
そのため、視界を遮らない背の低いオフィス家具を採用することで、広く空間を感じられます。
また、私物はデスク横に置かずロッカーに集約することで、散らからず統一感のあるオフィス空間を作ることが可能です。
機能的なパーテーション・間仕切りで空間を有効活用する
ロッカーをパーテーション代わりにする、収納機能性があるパーテーションでデッドスペースを有効活用することで業務スペースを確保しつつ、デザインの幅も広げられます。
導線を考慮したデスク配置にする
1日に何度も往復する通路は働きやすさを考える上で重要なポイントです。
十分な幅が保持されていない狭い通路では、転倒の危険や、椅子にあたって気が散るなど精神衛生面や生産性低下への悪影響が想定されます。
メイン導線の目安幅 | 1,600mm |
メイン導線以外のデスクとデスクの距離 | 900mm |
背後がメイン導線ではない場合の壁と座席の距離 | 900mm |
背後がメイン導線の場合の壁と座席の距離 | 1,600mm |
背後が座席の場合の座席同士の間 | 1,500mm |
目的に応じたオフィスデスク配置の効果比較
デスクの配置によって効果が期待できる代表的な4つのパターンを紹介します。
コミュニケーションが取りやすい対向式・島型
高い収容効率の対向式レイアウトは、向かい合って座るためコミュニケーションが取りやすい点が特徴です。
空間を最大限活用できることから、候補として入れたい基本のレイアウトです。一方で、集中が必要なときには、「隣の動作が視界に入る」「頻繁に話しかけられて困る」などマイナスな一面も考えられます。
背面式・壁付式レイアウト
集中しやすく個人ワークにおすすめなレイアウトが背面式・壁付式です。
お互い対面せずに背を向ける配置方法です。
視線を気にせず作業に集中できるため、個人ワークが多い職場に適しています。
一方で、会話が隣同士に限定されてしまう恐れがあり、フリースペースやファミレス席のような交流できる場を別で設けることも検討しましょう。
リンク式・ブーメラン式レイアウト
デスク4台で島を1つ作る配置方法です。
1人あたりの作業空間を大きく確保でき、目線も合いづらいことが特徴です。
広い作業スペースかつ集中できる設備が望ましい職種(プログラマー、デザイナー、イラストレーターなど)に特に適します。
一方で、収容効率が非常に悪いため、余裕のあるレイアウトを検討しましょう。
在席率が低い場合や柔軟な発想のサポートに人気の高い、フリーアドレス式レイアウト。主に在宅勤務と出社勤務のハイブリット型の働き方を採用している会社に最適です。
フリーアドレス式レイアウトは、従業員のその日のタスクや気分によって、好きな場所を仕事場として選択できるため、気持ちを切り替えやすい点が最大の特徴です。
一方で、プライバシー確保の観点から私物管理用の荷物置き場を設置しなければなりません。
小規模オフィスのレイアウト課題解決事例
実際に工夫したレイアウトにより、オフィスの課題を解決した導入事例を紹介します。
ハイッテでは、さまざまなスタートアップ、ベンチャー企業のオフィス移転を手掛けています。その中でも特に参考にした企業様をご紹介します。
フリーアドレス導入でコミュニケーション活性化!約12坪オフィス
移転前コワーキングスペースでの作業やリモートワークをメインに事業を進めていたガレージバンク株式会社様。
主要プロダクトをリリースし、事業を加速させ社員を増やすことも視野に入れ、柔軟にコミュニケーションが取れる場所を求め初拠点を構築しました。
リモートワークやニーズに即した働き方に配慮することで、コンパクトなオフィス空間でありながら快適な仕事環境を構築しました。
フリースペース設置でメリハリのある働き方を実現!約46坪オフィス
業務拡大にあたり採用を強化する目的で移転を決意した株式会社crispy様。
就業スペースとフリースペースを明確に分けたことでメリハリのある働き方を可能にし、仕事終わりにお酒を片手に軽く雑談をしたりと、良質なコミュニケーションの機会が増えたといいます。
日々の連携や働き方に課題を感じている場合には参考にしたい事例です。
フォンブース設置でオンラインMTGのストレスを解消!約30坪オフィス
移転前は、オンライン会議や電話をする場面で場所を選ぶという課題があり移転を検討していた株式会社ピリカ様。
移転後は部屋も複数に分かれておりフォンブースも利用できることから、オンライン会議はもちろん集中力が途切れにくい環境を構築しました。
気が散ってしまう、オンライン会議の場所取りに苦労するという方は参考にしたい事例です。
小規模オフィスのご相談はハイッテまで
スタートアップ企業やベンチャー企業に最適な小規模オフィスは、予算を削減したい経営者様や在宅勤務を主流とした減床を考える経営者様におすすめです。
ハイッテ by 株式会社IPPOでは、数人から従業員100人規模のオフィス移転の提案や仲介を得意としています。
資金調達後の事業成長も見越した最適なオフィス提案も行なっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
執筆者 ハイッテ編集部
株式会社IPPO全般のマーケティングを担っています。ハイッテの運用のほか、オフィス移転事例や賃料相場、オフィス調査なども行なっております。