前職では営業・営業戦略立案等で活躍。退職後約8ヶ月間世界中を旅し、キャリアチェンジをした島田さん。数少ない上場しているVCであるフューチャーベンチャーキャピタル株式会社についてやVCになったきっかけなど伺いました。
フューチャーベンチャーキャピタル株式会社
投資本部
島田 崚平 氏
この記事の目次
フューチャーベンチャーキャピタル株式会社について
特徴・強み
弊社は1998年に京都で創業した独立系VCで国内4拠点にて活動をしており、東証スタンダード市場に上場しています。創業以来、地域密着型でスタートアップ支援を行い、投資を通じて社会課題の解決に取り組んでまいりました。
現在はゼネラルファンド、CVCファンド、地方創生ファンド等の約40本のファンドを運用しており「人と資本のより良い関係をつくることを通して、社会のすみずみに本当の豊かさを実現する」ことをミッションに投資活動を行っています。
投資先のターゲット
ファンドが複数あり、それぞれ投資方針が異なります。
ゼネラルファンドについては、社会課題解決・ソーシャルインパクトを投資軸にした「創発の莟ファンド」と、ものづくり周辺領域への投資を軸とした「ロボットものづくりファンド」の2つのファンドを運営しています。
「創発の莟ファンド」は、社会課題解決・ソーシャルインパクト、所謂社会創発性を軸にオールステージで投資を行っています。投資後は共同GPである鎌倉投信やLP各社で力を持ち寄り、スタートアップの持続的成長を支援し、これからの社会を共につくることを目指しています。
「ロボットものづくりファンド」では、ものづくり周辺領域に特化して投資しています。ハードウェア・ソフトウェアは不問で、VCとしての経営支援はもちろんですが、アンカーLPの施策メーカーである株式会社菊池製作所をはじめとしたLP各社の協力のもと、施策や開発などものづくり面で支援を行っています。
CVCファンドについては、事業会社6社のCVCファンドをGPとして運営し、各社とのオープンイノベーションを支援しており、いかにシナジーを産み出せるかを重視して支援しています。事業会社については、人材や不動産、素材メーカー等様々です。
地方創生ファンドについては、地域金融機関や自治体と連携し、日本全国各地で約30本のファンドを運営しています。必ずしもスタートアップのみへの投資というわけではなく、事業継承等も含めた投資を行っています。
投資する際のポイント
ファンド毎にテーマがあり、それぞれのステージで比重は変わりますが、経営チーム・マーケット・サービスについてのバランスが良いことがポイントになります。個人的には、ビジョナリーで熱い人に惹かれます。
島田氏について
VC業界で働いている理由
前職は株式会社キーエンスで、5年間勤務しました。そこで社会人としての基礎や、儲かる会社の仕組みを学ばせていただきました。その経験が私のスキルやマインドセットの基礎となっており、本当に感謝しています。
約5年が過ぎ去った時に、自分の中で一区切りが付き、次のキャリアを考える時が来たと感じました。当時は、より自分がやりがいを感じられるような仕事にチャレンジしたいという漠然なイメージだけで、その仕事が何なのかという明確な答えは無かったのですが、まずは一歩を踏み出さないと何も始まらない気がして、転職も決めずに自分の感覚と勢いに任せて退職をしました。(笑)
その後自分のやりたいことを改めて考えようと、リフレッシュも兼ねて約8ヶ月間世界中を旅しました。その旅の中で様々な人や文化と交わり、改めて自分や身の周り・日本という国を俯瞰して捉えたときに、日本という国は「こうあるべき・こうすべき」という社会的抑圧が極めて強い国で、これが国全体の漠然とした閉塞感につながっているのだろうなと感じました。私自身も進学や就職、あらゆる場面でこの空気を感じつつ、なんとなくやり過ごしてきましたし、これに対する違和感みたいなものはずっと持っていました。その時に、もっと自由に、もっと積極的に挑戦が出来る社会、つまりは失敗が許容される文化がなければ、この国は良くならないだろうと強く思いました。
そんな中、いろいろ調べたり、友人と話していく過程でVCのことを知りました。挑戦する者を称え、敬い、応援し、社会を少しでもより良い方向へ導ける可能性があるこの仕事は、自分のやりたいことにぴったりでした。
投資後の付き合い方
私個人としては、信頼されて、且つ気軽に相談しやすいような関係性の構築を心掛けています。口先だけの評論家にならぬよう、投資をさせてもらった以上は一蓮托生で、時には自分も一緒に手を動かして支援していきたいと考えています。相手に合わせた頻度・内容のコミュニケーションをとって、起業家のメンタル面のケアを意識しています。
投資先とのエピソード
直近だと、知育玩具のサブスクサービス「トイサブ!」を運営している株式会社トラーナにお邪魔して、1日働かせてもらったことが印象深いです。社員やパートの方に混ざって、玩具のクリーニングや検品、仕分け、梱包等をさせていただきました。「すべては現場から」と考えていたので、現場で自分も汗をかき、従業員の方々の声を聞くことで、改めて事業の強みが理解できました。さらに、新たな改善点や今後に向けたいいアイディアやヒントも得ることができました。
投資検討資料や経営会議資料の中で、「現場力」「現場のオペレーション力」といったフレーズで片づけてしまった部分のその先には「人」がいて、その人たちによって会社は動いています。事業計画上では数字しか把握できていなかった従業員の方々には、それぞれ個性があって、それが上手く噛み合って初めて組織が成り立っているということを改めて実感しました。
今後も積極的に投資先の現場にお邪魔しながら、各社への解像度を上げてより良い支援をしていきたいです。
最近注目している業界
常に教育の分野に興味があります。これからの社会のために、何よりも大切なものは教育であり、子どもは社会の宝であると考えています。未来の社会や世の中を創るのは常に子どもで、彼らは無条件に幸せになる権利があると思っています。そのため、子どもたちへの教育の質が向上するようなサービスや、生活や人生を豊かにするようなサービスにはずっと注目しています。
最近注目している業界は、MaaSの分野です。MaaSは移動や移動手段のあり方を再定義するものであり、それは広義の意味ではライフスタイル・生き方を再定義したり、そこに新たな選択肢を生み出す可能性があると考えています。「移動は文化」というように、「移動」が変われば、新たな「文化」や「価値観」が生まれる可能性があり、非常にワクワクします。特に少子高齢化や地方の過疎化の問題など、課題先進国である日本は、実証実験のフィールドとしても大いに可能性があり、MaaSに取り組む価値や意義があるのではないかと考えています。日本から世界へ羽ばたくMaaSスタートアップが出てくることを期待しています。
他にも、フードテック等々にも興味があります。私自身、非常に好奇心旺盛なので様々なジャンルに触れたいですし、学んでいきたいと思っているので、ジャンル問わず熱い思いをぶつけてほしいです。
今後の展望
個人的には、信頼される黒子でありたいと思っています。起業家が喜んでくれるようなことを、先回りしてやっていきたいです。顧客・投資家の紹介や事業についての相談、時には些細な悩みまでも一緒に解決していけるように、適度なおせっかいをしていきたいと思っています。
また、ロマン溢れる起業家とたくさん出会っていきたいです。自分の価値観をひっくり返してくれるような提案を是非お願いします。(笑)
編集後記
「常に相手のことを想像して行動する」。家族や友人、恋人に対してするように、投資先に対してもそういった姿勢で最大限の愛を持って支援していきたいと語ってくれた島田氏。起業家に寄り添い、親身になってサポートしてくれる様子が浮かびました。
ハイッテ編集部からの一言
株式会社IPPO(イッポ)ではオフィス移転を単なる「引っ越し」ではなく、企業価値を高める「重要なプロジェクト」のひとつと考えています。
- 人員の採用計画をどうするか
- 企業ブランディングの向上をどのように行うか
- 従業員エンゲージメントを向上させるには
株式会社IPPOはお客様の経営戦略や想いに寄り添い、将来の発展を第一に考える提案をおこなっております。
スタートアップ・ベンチャー企業のオフィス移転に強みを持ち、都心オフィス仲介実績1500件を誇る、オフィスマーケットを熟知した経験豊富なメンバーが、オフィス移転を円滑に進行するよう全力でサポートいたします。
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