恵比寿ガーデンプレイスや札幌ファクトリー、銀座プレイスを運営するサッポロ不動産開発株式会社の荻原氏にインタビューを実施。2024年10月に開業30周年を迎える、恵比寿ガーデンプレイスが今後もどう魅力を向上させていくのか、そして、恵比寿のまちづくりをしていくのかを伺いました。
サッポロ不動産開発株式会社
恵比寿事業本部
PM統括部 第1PM部 課長
荻原 秀紀氏
この記事の目次
サッポロ不動産開発株式会社について
手掛けるビル・エリア
サッポロビールの恵比寿工場跡地にあたる恵比寿ガーデンプレイスを中心にサッポロファクトリー、銀座プレイスなどの管理・運営を行っています。その他にもオフィスビルや住宅、マンションの管理・運営もしております。その中で最も大きな施設が恵比寿ガーデンプレイスです。
エリアは株主であるサッポロホールディングス株式会社にゆかりのある地、恵比寿や札幌などで展開しています。
「恵比寿」のまちづくりの展望
恵比寿はオフィスエリアと住居エリアが混在するエリアで、比較的住みやすいエリアと言われています。一本道を入ると閑静な住宅街になることもあります。
恵比寿ガーデンプレイスの魅力が高まれば、まち全体の魅力も高まる相乗効果があると思っています。そのため、恵比寿ガーデンプレイスで行うイベントは恵比寿に関連するものも開催しています。
恵比寿のオフィスといえば恵比寿ガーデンプレイスと言っていただくことが多いのですが、一概に恵比寿ガーデンプレイスだけではなし得なかった結果だと思います。恵比寿が住みたい街ランキング1位になったこともあり、恵比寿のまち自体の魅力が高いことから恵比寿ガーデンプレイスの認知度も上がったと思います。
今後も恵比寿のまちと恵比寿ガーデンプレイスがお互いに助け合って、それにより恵比寿全体の魅力向上になるような相乗効果を生んでいきたいです。
恵比寿ガーデンプレイスについて
誕生背景
恵比寿ガーデンプレイスは恵比寿工場の跡地の再開発の一環として開発されました。工場跡地という他の複合施設ではあまり見られない特殊な形態だったこともあり、開業当初から商業施設とオフィスの複合施設として注目を集めています。
恵比寿ガーデンプレイスの特徴
恵比寿ガーデンプレイスは、「庭園都市」と「商業都市」が融合したスタイルの都市という意味で名付けられており、敷地の約6割がオープンスペースになっていることが大きな特徴です。
改装工事中のエリアも含めると13のエリアに分かれており、レストランやショップだけでなく、東京都写真美術館、ヱビスビール記念館などの施設もあります。
開業当時は百貨店が入居していましたが閉店に。消費行動も変わる中、百貨店の位置づけが不透明になり、「モノ消費」から、その製品やサービスから得られる体験に価値を見出す「コト消費」へのニーズが高まりました。
そういう時代が来ることを予想しており、次の15年、20年に向けた「まちづくり」の視点を含め、更なる価値を高めていくためにリニューアルを行うことにしました。「Social Living for LIFE CREATORS」をコンセプトに地下2階の食品・生活雑貨フロア「フーディーズガーデン」が2022年4月15日にオープンしました。地下1階〜2階はショップやカフェ、オフィスなど、2022年秋にオープン予定です。
「フーディーズガーデン」は、地域の豊かな暮らしを支える「食の庭(ガーデン)」、近隣にお住まいの方や食・グルメにこだわるフ―ディーズ(食通)の方々に、恵比寿ガーデンプレイスの広場の緑やガーデンを楽しむように、食巡りを楽しんでいただきたいという想いが込められています。
スーパーマーケット「ライフ」の旗艦店である「セントラルスクエア」や「明治屋恵比寿ストアー」、東京初出店の「デリカテッセン ヤマブキ」などプライム感のあるテナントが入居してます。
また、恵比寿駅からは恵比寿スカイウォークを通ることで、雨に濡れずに恵比寿ガーデンプレイスまで行くことができます。動く通路「恵比寿スカイウォーク」も稼働しているため、実際の距離よりも近く感じられると思います。
さらに、ESGやSDGsについては企業として取り組む必要があるので、そのファーストステップとしてエコシステム構想を練っています。その一つが、恵比寿ガーデンプレイスの価値向上に向けての取り組みです。施設内で使用する電力をテナント使用分も含めて再生可能エネルギーに切り替え、260億円を投資して空調更新を行います。この取り組みにより、年間約8,000トンのCO2を削減し、弊社の2020年度CO2排出量の33%削減となります。
テナント使用分の再生可能エネルギー切り替えに伴い、多額の初期投資を伴うのですが、テナントには投資費用を負担していただく予定はありません。テナントにとっては、再生可能エネルギーを使用しているオフィスビルに入居しているということでESG、SDGsに配慮した取り組みを行っているということも謳えるのではないでしょうか。
オフィスビルの在り方
オフィスについては時代に求められる機能を備えるため戦略的に更新を行うこととしています。
リモートが可能な時代において敢えて出社する場合は、何かしらオフィスやその周辺環境に魅力がないといけないと思っています。出社した際の帰りにショップで買い物をできた方がワクワク感があり、それが「出社したい」という社員の方のモチベーションにもつながるのではないでしょうか。
ただ、人によってどの環境が働きやすいと感じるかは異なります。集中する作業であればオフィスではなく自宅の方が作業が捗る方もいれば、ブレストしたり直接声を聞いたりする必要があればオフィスという場所が必要だという方もいると思います。
弊社のような不動産会社は対面でやる意義を問われるオフィスを考えていかないといけないと思っています。また、コロナ禍によりオフィスとしての機能の他にオフィスに出社する際の心理的ハードルも下げていく必要があると感じています。
アルコール消毒などでの感染リスクの回避や、なるべくゆとりのある環境を作って、出社した時にもソーシャルディスタンスを保てる空間を提案していきたいです。もちろん、コスト面を考えるとゆとりのありすぎるオフィス空間は無駄になってしまう可能性もあると思います。そういった変化していくニーズにどうのように対応していくか、更なる施策の検討・実施が必要になってくると思われます。
今後、恵比寿ガーデンプレイスのリニューアルにより、「やはり恵比寿ガーデンプレイスでないと」と思っていただけるように、弊社として何ができるのか模索していきます。オフィスビルとしても、まち全体を盛り上げていくことでオフィスの存在価値を高めていきたいです。
編集後記
今後の恵比寿ガーデンプレイスのリニューアルが2022年4月、そして秋にも予定されています。同社の取り組みが恵比寿の街全体の魅力向上にも貢献するのではないでしょうか。
ハイッテ編集部からの一言
株式会社IPPO(イッポ)ではオフィス移転を単なる「引っ越し」ではなく、企業価値を高める「重要なプロジェクト」のひとつと考えています。
- 人員の採用計画をどうするか
- 企業ブランディングの向上をどのように行うか
- 従業員エンゲージメントを向上させるには
株式会社IPPOはお客様の経営戦略や想いに寄り添い、将来の発展を第一に考える提案をおこなっております。
スタートアップ・ベンチャー企業のオフィス移転に強みを持ち、都心オフィス仲介実績1500件を誇る、オフィスマーケットを熟知した経験豊富なメンバーが、オフィス移転を円滑に進行するよう全力でサポートいたします。
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