投資先の採用からイベント企画やコミュニティづくりまで幅広くHR領域を担当している寿松木氏。前職からエージェントとして採用に関わる中で、人生をかけて挑戦する起業家を、そばで支えたいという想いの元、明確なビジョンを掲げ日々奮闘する同氏にお話を伺いました。
インキュベイトファンド株式会社
HR担当
寿木松 充 氏
この記事の目次
インキュベイトファンド株式会社について
弊社の特徴として、リードで投資を行い、スタートアップ企業を中心に投資をしています。「Zero to Impact」を理念として掲げており、出資前からゼロイチで一緒に事業創出することにコミットし、まだ社員もいないような段階から伴走していくことに強みを持っています。
その他にも、投資後の手厚いハンズオン支援というのは、一つの特徴に挙げられるのではないかと思っています。投資先のバリューアップ業務という点で、キャピタリスト以外のメンバーが投資先に対し特定機能を支援していくことを大切にしています。
寿松木氏について
担当されている業務
私自身は、主に採用や組織作りといったHR周りを担当しております。具体的には、立ち上がったばかりの企業に対し、1人目の人事のようなポジションで私が介入することがあります。採用に関しては、計画立案・要員計画を投資先と一緒に策定していくというところから携わっています。例えば「どういった人材を採用するべきか」というペルソナ設計であったり、採用戦略として様々なエージェントや、各チャネル採用媒体の運用などを行っていきながら、投資先が自走できるまで伴走していくというのが主な業務となります。
他にも採用管理システムの導入補助や、ジョブディスクリプションを作成して採用媒体にアップロードしたりなど、実際に手を動かす部分まで手厚くサポートしています。
ただ、私の行っている業務の本質的な部分としては、「いかに起業家に組織そのものに意識を向けてもらうか」という点です。仮に100%求める人材を採用し、パフォーマンスしてもらえれば、それによって事業の幅が格段に広がったり、経営の質をアップグレードすることができる可能性があります。組織が成長していく過程で必要不可欠である組織づくりの重要性を理解してもらうことこそが、私の担当業務において最も重要なミッションだと思っています。
VC業界で働いている理由
前職から採用エージェントという立場でHRの一端に関わる中で、人生をかけて挑戦している起業家の熱量に感動し、さらに一歩踏み込んで支援をしたいという思いのもとVC業界に飛び込みました。挑戦する人を成功させたいという気持ちと、HR領域で関わる人間として、人材の流動性が高まることで、才能と情熱が最適な居場所を見つけて発揮できる状態を目指してチャレンジしています。
今担当しているHR担当というポジションは、VCとしてフィーをもらうわけではなく、運命共同体として純粋に相手のことを考えて支援できるので、美しく誠実な仕事だと思っています。あとはシンプルにスタートアップ企業が好きです。熱量が高く前向きに社会を変えようとしている人が、これだけ集まる領域というのは尊いと思っています。その中でも、一番リスクを背負って挑戦している起業家を、一番近い距離で応援するというのが私のミッションだと感じています。
自身の強み
投資先の魅力を的確に理解し発信する力や、シード期の企業において全体のバランスをみながら、「今やるべき事」と「今やらなくて良い事」をはっきり伝え、やりたいけどリソース・知識不足の場合には、自分で手を動かしながらやり方を伝えていくバランス感は優れている方ではないかなと思います(笑)。
採用時のコツ
採用媒体とエージェントは、シリーズBくらいまでは限定して絞って活用するのが良いと思っています。運用コストを分散させて好転したケースをあまりみたことがないので、基本何か一つを選び、選択と集中することが大事だと思います。媒体であれば、会社の採用ターゲットによって適切な媒体は都度変わるので、1~2つレコメンドして使い込んでもらうということをしています。エージェントも足元の採用と中長期の生まれそうな採用像を考慮した時に、適切なエージェントを紹介しています。シリーズB以降、採用のリソースに余力が出てきたころには利用チャネルを広げてみるのも良いかと思います。
投資先とのエピソード
アグリテックの投資先で離職が相次いだ時期がありました。そこで組織に対する考え方や、インナーコミュニケーションの活性化という部分で、メンターとして関わっており投資先の状況に合わせて柔軟に立ち位置を変えて伴走しています。
もう1つのエピソードとして、バーティカルSaaSを提供している投資先との間で、採用に対するスタンスを含めて、成長するためには抜本的に組織を変えていかなければいけないと思い、定例ミーティングの中で強く叱咤激励するようなこともありました。彼らとの定例面談の場において、「立派な経歴の方がうちに面接に来てくれるだけで光栄です」というようなことを仰っていた際に、「そんなことを言っていては事業を変革する優秀な人材は採用できない。さらに目線を上げて貪欲になってほしい」と伝えたところ、目線が大きく変わり優秀な人材の採用に成功することができました。彼らのプロダクトが持つポテンシャルが産業を変える可能性があるということを誰よりも私達が信じ、投資先の経営メンバーを含めた人事チーム全員が「その新産業を牽引しているのは自分」というプライドを持ってもらうことが大事だと思っています。
最近注目している業界
宇宙産業ですね。日本はエレクトロニクス並びに製造領域で強かった一方で、ITやクラウドサービスの領域では世界に勝てませんでした。次に日本が勝てそうな産業は何かという点で考えた時、製造業というところの強みを生かした宇宙産業領域だと思っています。宇宙産業はモノを作らなければ進出できないので、日本の強みを生かせるとしたら宇宙領域や深海領域になるのではないかと考えて注目しています。
興味があるもの
ここ数年はキャンプにハマっています(笑)。色々な方と行くことが多く、投資先の方やHR関係の方、全く別のコミュニティを混ぜ合わせることで、セレンディピティが発生するのがとても好きです。なので少し変かもしれませんが、私の主催するキャンプでは私以外の参加者ほぼ全員が互いに初対面という状態なので、行きの車内で自己紹介から始まります(笑)。私自身も人との出会いで人生が好転したと感じているので、キャンプを口実にして「出会うべき人達に出会ってもらう」ということを趣味で行っています。
今後の展望
自らの意志と情熱に忠実に生きる人を増やしたいと思っています。何かアクションを起こしたいと思っている人の中にある見えない障壁を一緒に取り除いたり、出会うべき人と人を繋いでその情熱を形にさせたいという想いがあります。そうして世の中の才能が最適に配置されることで、その人の人生も社会も豊かになると思っていて、そのための活動を今後も続けていきたいと思っています。
編集後記
自らの職務に誇りを持ち、明確なビジョンを掲げる寿松木氏。VCとしてはもちろんのこと、人として企業の成長に向け全力で伴走していく同氏のご活躍に今後も注目です。
ハイッテ編集部からの一言
株式会社IPPO(イッポ)ではオフィス移転を単なる「引っ越し」ではなく、企業価値を高める「重要なプロジェクト」のひとつと考えています。
- 人員の採用計画をどうするか
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