株式会社IPPOが体験した居抜き退去のリアルな舞台裏
2024.12.09
居抜きオフィス
2024.12.09
2024.12.09
永原
こんにちは、株式会社IPPOの永原です。私たちは日々、多くのスタートアップや成長期の企業をサポートしながら「居抜き」という選択肢が持つ可能性を実感しています。
しかし、「居抜き」と一口に言っても、その成功には繊細な調整やノウハウが求められるものです。今回は、IPPO自身が体験した「居抜き退去」の実例をもとに、そのプロセスや学び、そして得られた成果をご紹介したいと思います。
居抜き退去とは?
まず、「居抜き退去」とは何かを簡単に説明します。通常、オフィスを退去する際には、原状回復義務が発生します。つまり、オフィスを契約時の状態に戻すための内装撤去や修繕が必要です。一方、居抜き退去では、オフィスの什器や内装を次の入居者に引き継ぐことで、原状回復のコストや手間を大幅に削減できます。
- 退去側のメリット:原状回復費用の削減、退去プロセスの迅速化
- 入居側のメリット:設備費用や初期コストの削減、短期間での入居が可能
- オーナー側のメリット:空室リスクの低減、ESG(環境・社会・ガバナンス)目標への貢献
IPPOが直面した課題と工夫
永原
ここからIPPO自身が経験した居抜きオフィス退去についての舞台裏をご紹介します。
IPPO自身も、2023年に居抜き退去を選択した経験があります。当時、私たちは従業員数の増加に伴い、より広いオフィスへの移転を計画していました。しかし、次のような課題が浮上しました。
契約時に想定していた原状回復費用よりも予想以上に高い金額で、これを負担するとなると新オフィスの設計や初期費用の負担に影響が出る可能性がありました。旧オフィスへの移転時よりも資材調達費や人件費の高騰が原因で原状回復費用が高くなっていました。
新オフィスへの移転日が確定していたため、旧オフィスの退去までにスケジュールの余裕がなく、迅速に進める必要がありました。
オフィス内にはデスクや椅子、ファミレス席、バーカウンターなど、状態の良い什器が多く残っており、これを全て処分するのはコスト面だけでなく、環境面でも負担が大きいと感じました。
居抜き退去への切り替え
永原
こうした課題を解決するために、私たちは「居抜き退去」を検討しました。そして以下のようなプロセスで進めることにしました。
通常、居抜き退去を進めるためには物件のオーナーの承認が必要です。私たちは、次の入居者の候補リストやその企業の信頼性を提示し、オーナーに「居抜き」で進めるメリットを説明しました。幸い、オーナーも空室リスクを低減したいという意向があり、快諾していただきました。
まず、IPPOが運営する「ハイッテ」プラットフォームを活用して、現オフィスの物件情報を掲載。間取りや什器リスト、写真を共有し、入居希望者に具体的なイメージを持ってもらえるよう工夫しました。
次に、次の入居者と具体的な条件交渉を進めました。具体的には以下の点について合意を取りました。
- 引き渡し日程の調整
- 引き継ぐ什器のリストとその状態
- 引き継ぎ費用の設定(什器の価格などを明確に提示)
処分せざるを得ない什器や廃材についても、リサイクル業者と連携し、可能な限り廃棄を最小限に抑えました。これにより、CO2排出量を削減し、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できたと感じています。
結果と学び
永原
最終的に、この「居抜き退去」はスムーズに進み、以下の成果を得ることができました。
見積もりで提示された原状回復費用と比較して、実際の退去コストは約70%削減することができました。
次の入居者が早期に決まったため、退去手続き全体がスムーズに進み、スケジュール通りに新オフィスへの移転を完了しました。
次の入居者も、コストを抑えつつ状態の良いオフィスに短期間で入居できたため、非常に満足していただきました。こうした関係性は、将来的なネットワークにも繋がる可能性を感じています。
廃棄物の量を通常の半分以下に抑えられたことで、環境負荷を軽減。IPPOとしても「持続可能な社会への貢献」を実践できたことは大きな喜びです。
居抜き退去の成功の秘訣
永原
今回の経験から、居抜き退去を成功させるためには、以下のポイントが重要だと感じました。
次の入居者やオーナーに対し、物件の魅力や居抜きの条件を具体的かつ分かりやすく伝えることが鍵です。
複数のステークホルダー(オーナー、次の入居者、業者など)との連携が重要であり、柔軟かつ迅速に対応する姿勢が求められます。
処分品のリサイクルや廃棄削減への取り組みは、コスト削減だけでなく、企業イメージの向上にも繋がります。
最後に
今回の居抜き退去を通じて、私たち自身も居抜きの可能性や価値を再確認することができました。お客様に提案するだけでなく、IPPO自身が実践することで得られたリアルな経験を、今後のサービスに活かしていきたいと考えています。
これからも、居抜きという選択肢がより多くの企業に広まり、皆さまの成長を支える一助となれるよう、全力でサポートしていきます!
執筆者
株式会社IPPO 管理部
永原夢実子
総務・経理・法務・ITなど管理部全般を担う。IPPOのオフィス移転時の担当も行い、居抜き退去の経験も。