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通常のオフィス・事務所移転と居抜き移転では、移転までの期間や契約の流れ、必要書類など様々な点が異なります。本記事では、宅地建物取引士監修の元、居抜き移転の契約の流れや注意すべき点や事例などを紹介、解説しています。
居抜き契約とは
居抜き契約とは、退去した前借主(テナント)の内装や造作、設備、什器・家具などを一部もしくは全て引き継いで契約することです。居抜き契約で入居することによって、オフィス・事務所移転の初期費用や時間を削減できることが入居テナントのメリットです。ただし、通常オフィスの賃貸借契約とは契約の流れや必要書類などが異なるため、事前に移転スケジュールを確認することが大切です。
ハイッテ by 株式会社IPPOでは、スタートアップ・ベンチャーを中心に経営戦略(採用計画や事業開発)に応じた居抜きによる移転を手がけています。退去費用、入居費用の削減は、移転予算を再配分し、事業成長速度を加速できます。居抜きによるオフィス・事務所移転が初めての方でも簡単でわかりやすい、居抜きオフィス移転マニュアルを事例付きで無料ダウンロードいただけます。
居抜きオフィスの探し方
住居の場合は街中に不動産会社の店舗が数多くあり、直接足を運んでその場で物件を紹介してもらうことができますが、オフィス・事務所の仲介を専門で行っている不動産会社は店舗を構えているケースが少ないため、インターネットで検索して専門業者に問い合わせをしましょう。
オフィス・事務所の仲介をしていても、居抜き物件の取り扱いが少なかったり、居抜き移転の仲介経験が少ない不動産会社もあるため、居抜き移転に特化した不動産会社に問い合わせることをおすすめします。居抜きのオフィス・事務所は通常のオフィス・事務所より数が少なく、かつ通常の移転とフローや必要書類なども異なるため、慣れていない不動産業者の場合、トラブルになる可能性があります。ハイッテ by 株式会社IPPO では、居抜きのオフィス・事務所や内装付きのオフィス・事務所を中心に掲載しています。居抜き移転の仲介経験豊富な営業担当がサポートしますので、お気軽にご相談ください。
\居抜きオフィス・セットアップオフィス物件更新情報/
2023年8月は新宿区(8件)、目黒区(4件)、千代田区(16件)、渋谷区(5件)、文京区(0件)、中央区(13件)、品川区(4件)、港区(6件)、豊島区(0件)、東京その他(0件)で新着オフィス物件合計56件を公開されています!7月公開のオフィス物件は合計64件です。こちらも併せて、ご覧ください。
※()内は8月に追加された新着物件数です。随時、オフィス物件は追加されます。
※毎週更新【8月28日(月)更新】
【関連記事】居抜き賃貸オフィスの探し方を解説!物件探しのポイントや注意点
居抜きオフィスの契約の流れ
居抜きでオフィス・事務所を契約する際の流れを解説します。全体像を把握しておくと、スムーズな移転ができるため、必ず事前に内容を確認しましょう。
居抜き物件を内見する
通常のオフィス・事務所の移転と同じく、条件を定めたら実際に居抜き物件を内見します。居抜き物件の場合、退去予定のテナントの契約期間中に内見することが多いため、三者間のスケジュール調整が必要です。候補の居抜き物件の選定ができ次第、早めに担当仲介会社に相談をしましょう。当日は、居抜き物件の管理会社の担当者が立ち会うケースが多く、ほとんどの場合仲介会社と三者で内見します。
条件や内装、設備の確認
内見時は造りや広さ、立地などの基本情報に加えて譲り受けられる設備や什器・家具などを確認しましょう。退去予定のテナントに許可を貰って動作確認したり、購入日を確認しておくことで後のトラブル防止に役立ちます。
申込み・貸主審査
選定した物件へ入居申込みをした後、貸主審査が入ります。審査では、信用調査や財務状況の確認、業種や使用方法などをチェックします。財務状況は、過去や現在の収支を見るだけでなく、企業の将来性も見られます。また、審査通過の判断基準は連帯保証人の支払い能力など多岐に渡ります。加えて、審査基準は貸主(オーナー)によって異なるため、多くの貸主(オーナー)と取引がある仲介業者を利用すると対策できます。会社謄本や決算書、会社概要などが必要になるため、事前に準備しておくといいでしょう。
追加で必要な移転費用を確認
居抜きのオフィス・事務所に移転する場合でも、追加で購入しなければならない物がある可能性があります。例えば、会議室を1つ追加するための造作費用や、それに伴うエアコンや消防設備、照明などの設備工事、床や壁など一部の変更、足りない什器・家具の購入などです。オフィスビルの躯体にまで及ぶエアコンや消防設備などに関しては貸主(オーナー)指定の業者がある場合が多いため、注意が必要です。
造作譲渡契約の締結
通常のオフィス・事務所移転と異なり、居抜き移転の場合は造作譲渡契約を結ぶ必要があります。併せて譲渡品のリストを作成する時に、譲渡する物と数量、メーカー名や型番、購入時期、傷や汚れの状態、リース品の有無など可能な限り詳細を明記します。また、写真を添付すればよりわかりやすく、トラブルを回避しやすいです。造作譲渡契約書には、原状回復義務の所在や引き渡し方法などを記載します。オフィス・事務所の居抜きの場合、無償譲渡のケースが多いですが、有償希望の場合あるため前もって確認をしましょう。また、退去テナントと入居テナント間で締結する造作譲渡契約書と、入居テナントとオーナー間で締結する賃貸借契約書とをトラブル防止のために同時に締結する必要があります。どちらかだけ先に締結することがないように注意しましょう。
【関連記事】造作譲渡契約書とは?作成ポイントや注意点も解説
賃貸借契約の締結
多くの場合、貸主(オーナー)と借主(テナント)の間に仲介業者が入って契約締結をします。賃貸借契約書には、貸借する物件情報、契約条件、賃料の支払い方法などが記載されています。契約と同時に原状回復についても詳細を確認します。契約期間や使用目的、修繕についてなど必要な情報は重要事項説明書、賃貸借契約書、原状回復基準書に記載があるため、大切に保管し、いつでも確認できるようにしておきましょう。また、契約締結時はサインと押印をする箇所が多数あるため、ゴム印を用意しておくと便利です。その際、会社の印鑑証明書や連帯保証人住民票などが必要になるため、事前に準備しておきましょう。
【関連記事】居抜き物件で必要な賃貸借契約書とは?確認ポイントを解説【宅地建物取引士監修】
居抜き物件の引き渡しと引越し
全て契約締結した後、居抜き物件の引渡しとなります。引渡時には、設備の状態や動作、譲渡品のリストにある物が揃っていて且つ問題がないかどうか確認しましょう。また、引渡しの前に様々な手続きを完了させる必要があります。特に内装工事やインターネット回線などの設備工事は1〜2ヶ月以上時間を要する場合があるため、引渡し日が決定したらすぐに手配することをおすすめします。
以下、それぞれの手配や契約を行うタイミングです。
インターネット回線 | 光回線:引越しする2〜4週間前NURO:引越しする4〜8週間前 |
引越し業者 | 引越しする2〜5週間前 |
火災保険 | 新オフィスの契約開始日までに加入。※貸主(オーナー)指定の保険会社か、任意に選べるかどうかは仲介会社が確認をします。保険加入後、保険証書のコピーを貸主(オーナー)へ提出する必要があります。 |
電気・水道・ガス | オフィスビルの場合、開通不要の場合が多いです。物件によって異なるため、重要事項説明時に仲介会社から説明があります。 |
内装業者 | 居抜きそのままで入居し追加の内装工事を行わない場合は不要ですが、追加で内装や造作を入れる場合は賃貸借契約書の契約締結に合わせて内装業者と打合せを始めます。 |
居抜き契約での注意点
居抜きオフィス・事務所の契約について、注意しなければならないポイントを紹介しています。
居抜きの期日に間に合わず居抜きの契約ができなかった
居抜き移転するためには、基本的に原状回復工事の発注までに賃貸借契約を結ばなければいけません。そのため、入居する側は申し込みのタイミングによって、審査に時間が掛かった場合など期日までに間に合わず、契約締結まで至らないケースがあります。退去する側は、期日までに入居希望者が見つけられない、見つかっても前述した通り契約締結が期日までに間に合わないケースなどがあります。
譲渡されると思っていた物がない、予定になかった物が残留していた
造作譲渡契約書に不備があったり、何かの手違いで譲渡予定の物がない場合や、逆に譲渡の予定がなかった物が残留している場合があります。もし失念していただけならば、連絡をとりすぐに解決するケースが多いですが、そもそもの意思の錯誤が発生している場合は、不要と考えていた設備や什器・家具の購入費用や廃棄費用が掛かってしまいます。また、譲渡して貰ったと思っていた物がリース品だった、という場合があります。その場合、料金の支払いをしなければいけなくなります。
【関連記事】居抜き物件のトラブル事例&対策法を解説!事前確認の項目も紹介
活かせると思った内装が活用できず余分な費用が発生した
内見や図面チェックを済ませ、自社でどう使うかをイメージして契約締結したものの、よくよく詳細を詰めたらそのままの内装での活用が難しく、内装を入れたり、一部壊すことになるケースです。その場合、前テナントが施した内装の具合によって、居抜きではなく通常の事務所仕様の物件に入居して一から内装を入れた方が安く済む場合があります。また、回線について残置されていた物を使おうと思っていたものの、回線自体が切れており使えない場合や、新規の回線部分が埋められているため利用できない場合などもあります。
現時点の消防法違反に当たる施工だった
消防法は、過去1年のうち数回改正されている法律です。そのため、工事完了した当時は違反しなくとも、現行では違反になってしまうケースが稀にあります。違反が発覚した場合、その時点の借主(テナント)負担で工事が必要になり、追加費用が発生してしまう場合があります。
居抜きによるオフィス・事務所移転は、居抜き移転のプロへの仲介がおすすめです。追加費用の発生やスケジュール遅延による目標未達成を防ぐためにも入念にチェックしましょう。
居抜きオフィス移転を多数手掛けてきた、ハイッテ by 株式会社IPPOだからこそわかる居抜き移転で避けたいトラブルを事例を使って、わかりやすく解説しています!
居抜きオフィスの契約はスケジュールが大事!
居抜きのオフィス・事務所移転は通常のオフィス・事務所移転とフローや必要書類が異なります。居抜きオフィスを契約する際は、居抜きオフィス移転を前提とした移転スケジュールを作成する必要があります。ハイッテ by 株式会社IPPOでは、居抜きオフィス移転を専門としたオフィス移転仲介サイトです。居抜きオフィス移転のプロが監修した居抜きオフィス移転に特化したスケジュールを無料でダウンロードいただけます。
【オフィス・事務所移転スケジュールテンプレートの特徴】
- オフィス・事務所移転ステップ別タスクを網羅
- 居抜きに特化したオフィス移転スケジュールテンプレート付き
- 必要タスクの漏れを無くし、居抜きに移転トラブルを防止できる
まとめ
契約後に思わぬトラブルに見舞われないために、予め居抜き契約の流れや注意点を確認しておくとスムーズです。居抜きオフィス・事務所移転に特化した仲介会社に依頼すると費用や工数削減もできるため、併せて検討しましょう。
営業担当者 / ハイッテ編集部監修者
代表取締役社長
関口秀人(sekigushi hideto)
宅地建物取引士【東京都知事:第101772号】
近畿大学卒業後、新卒で不動産仲介会社に入社。その後、不動産業界の経験を経て、株式会社IPPO(イッポ)を設立。主要大手デベロッパーとの契約を全て経験しており、何万坪でも対応可能。どの街に、どこが運営している、どんなビルがあるかを把握しており、まさに不動産生き地引といえる。また、不動産業界経験14年の中で、10年以上お付き合いのあるお客様も多く、顧客上場社数は20社以上、顧客EXIT社数は30社以上にのぼる。各企業の成長フェーズに合わせた課題とソリューションのノウハウがあり、関わったお客様は皆上がっていく傾向あり。
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