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受動喫煙防止対策助成金とは?オフィス移転で活用できる喫煙ブースの補助制度を解説

受動喫煙防止対策助成金とは?オフィス移転で活用できる喫煙ブースの補助制度を解説

更新日:2023.09.14  公開日:2023.08.16

受動喫煙防止対策助成金は、労働者の健康を守るために受動喫煙の防止に取り組む企業や事業所に対して、助成金を提供する制度です。喫煙場所の設置や改修の費用を助成し、より快適な労働環境を整備することを目的としています。オフィス移転時には、この制度を活用して喫煙ブースの設置に必要な費用を補助してもらうことが可能です。

受動喫煙防止対策助成金とは

受動喫煙防止対策助成金は厚生労働省が募集している制度で、労働者が健康で働ける環境を整備することを目的としています。助成金は喫煙場所の新設や改修に必要な経費を補助し、事業者に対して経済的な支援を行うことで、受動喫煙防止対策の推進を図ります。今年度の締切日は令和6年1月31日です。

受給要件

受給要件には、以下のような条件があります。

  •  対象事業者:喫煙場所を新設・改修する企業や事業所
  •  要件:喫煙場所の新設・改修に必要な経費を負担し、適切な対策を実施すること
  •  受給金額:助成金額は、事業所の規模や対策内容に応じて異なり、上限金額が設定

対象事業者は、下記表の要件に当てはまる中小企業事業主に限ります。ただし、「労働者数」「資本金」においては、どちらか一方の条件を満たせば中小企業事業主となります。また、対象となる事業場が健康増進法附則第2条第2項で定める既存特定飲食提供施設である必要があります。

業種常時雇用する労働者数資本金
小売業小売業、飲食店、配達飲食サービス業50人以下5,000万円以下
サービス業物品賃貸業、宿泊業、娯楽業、医療・福祉、複合サービスなど100人以下5,000万円以下
卸売業卸売業100人以下1億円以下
その他の業種農業、林業、漁業、建設業、製造業、運輸業、金融業、保険業など300人以下3億円以下

喫煙室の設置・改修においては下記のパターンがあります。

  1. 喫煙専用室を設置・改修する場合(既存特定飲食提供施設)
  2. 指定たばこ専用室を設置・改修する場合(既存特定飲食提供施設)

いずれも下記要件となります。

  • 入り口における風速が毎秒0.2m以上
  • 煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること
  • 煙を屋外又は外部の場所に排気すること

※喫煙以外での使用について(1)は不可

【助成率、助成額】

喫煙室の設置などに係る経費のうち、工費、設備費、備品費、機械装置費などの3分の2(主たる業種の産業分類が飲食店以外は2分の1)上限100万円

(助成対象の範囲)

認められるもの認められないもの
電気工事、建築工事、配管工事等に係る人件費、材料費、運搬費、設計費(喫煙専用室等の性能に直接寄与する部分。設計管理料含む)、管理費・デザイン料(喫煙専用室の外観や内装など、受動喫煙の防止の用に直接寄与しない部分)
・助成金の申請書作成や見積書作成のための費用(事前調査費用含む)
・申請の代行のための費用(例/社会保険労務士への報酬)
・喫煙区域と非喫煙区域を隔てるためのパーティション、ドア、エアカーテン
・換気装置、空気清浄装置、人感センサー
・ガラリ、給気口、差圧式吸気口
・照明機器
・消防法等の他法令で設置が義務付けられている機械装置
・灰皿、出入口に取り付けるのれん(備品は喫煙専用室等に備え付けて使用する物に限ります)
・喫煙区域内を区切るためのパーティション、ドア、エアカーテン(受動喫煙の防止効果に寄与するものは助成対象となりうる)
・消耗品(機械装置等の購入時に付属しているも物は助成対象となります)
・映像機器、音響機器、絵画、観葉植物、本棚
・机、椅子(固定式も助成対象外)
・喫煙専用室の出入口前に設ける部屋(いわゆる前室)に係る費用
・建築基準法、消防法等の他法令で義務付けられている手続きに係る費用(手数料を含む。なお、人件費、旅費等については実費での清算となります)・土地の取得に係る費用
特別に必要と認められる場合に限り、助成対象と認められるもの
・建物の増設費用(喫煙専用室等の設置のために建物の増設が必要な場合に限る)
・既存施設の解体、移設に係る経費・空気調和設備(エアコン等)
・要件の確認のための測定の費用

申請に当たっては、喫煙室の設置等の事業計画の内容が技術的及び経済的な観点から妥当であることが必要です。特に経済的な観点の目安として、単位面積当たりの助成対象経費が下の表に掲げる上限を超える場合、合理的な理由があると都道府県労働局長が認める場合を除き、単位面積当たりの助成対象経費上限額までで助成金の交付決定を行うため注意しましょう。

【参考】受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)|厚生労働省

東京都の受動喫煙対策支援補助金について

東京都の受動喫煙対策支援補助金は、中小飲食店・宿泊施設が対象となる制度で、オフィスは対象外です。喫煙所の設置・改修費用を助成することを目的としており、補助金を活用して東京都内で営業する飲食店や宿泊施設が受動喫煙防止対策を推進することが可能です。

【参考】受動喫煙対策支援補助金について|東京都保健医療局

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新宿区の受動喫煙防止対策助成事業について

新宿区の受動喫煙防止対策助成事業では、一般に開放することを条件に喫煙所の設置費用が助成されます。この制度を利用することで、新宿区内の事業者は受動喫煙防止対策に取り組むことができるようになります。今年度の締切は令和5年12月28日です。

【参考】公衆喫煙所整備費助成・喫煙専用室等整備費助成のご案内「受動喫煙防止対策助成事業」|新宿区

【関連記事】居抜きオフィスが多い東京都新宿区の法人向け補助金・助成金制度を紹介

オフィスの受動喫煙防止対策について

平成30年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、令和2年4月1日より全面施行されました。オフィスにおける受動喫煙防止対策としては、喫煙場所の設置や改修がありますが、現実的に賃貸オフィスに設置することは難しいケースがあるため、喫煙室がビル内にあるオフィスや近くに喫煙所があるオフィスを選ぶのも効果的です。また、従業員に対して禁煙支援の取り組みを行ったり、禁煙ポリシーを策定し周知することも重要です。受動喫煙防止対策助成金を活用して、従業員の健康を守る効果的な対策を実施しましょう。

【関連記事】オフィスに喫煙所がない?喫煙室の設置方法や受動喫煙防止対策を解説

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喫煙室・喫煙ブースの設置方法

受動喫煙防止対策として、企業は喫煙室や喫煙ブースの設置を検討することが求められています。喫煙室・喫煙ブースの設置方法については、適切な場所を選び、必要な設備と設置方法を確認し、労働省や当該地域の保健所に相談します。次に、設備の設置にかかる費用や工事費を確保し、申請書類を作成して提出しましょう。また、中小企業は補助金や助成金を活用することが可能です。その際、無料相談窓口を利用し具体的な支援内容や適用条件を確認しましょう。

喫煙室の設置・基準

喫煙室の設置には、労働省や保健所が定める基準が存在します。まず、喫煙室は、営業場所から離れた場所や喫煙者専用の空間として設置することが望ましいです。次に、喫煙室には、換気設備や防煙対策が整備されていることが求められます。サービスや業種によっては、特定の設備や施設が必要とされる場合があり、労働者数や喫煙者数に応じて適切な座席数や面積が求められることもあります。これらの基準に沿って、適切な喫煙室を整備しましょう。

喫煙室の種類を選ぶ(4種類)

喫煙室には、以下の4つのタイプがあります。それぞれの特徴と利用シーンに合わせて選びましょう。

種類オフィスへの設置たばこの喫煙飲食20歳未満の立入
喫煙専用室⚪️⚪️××
加熱式(指定)たばこ専用喫煙室⚪️△(加熱式たばこのみ)⚪️×
喫煙目的室×⚪️⚪️×
喫煙可能室×⚪️⚪️×

オフィスに設置できる喫煙室は「喫煙専用室」と「加熱式(指定)たばこ専用喫煙室」のみです。いずれも20歳未満の立ち入りは禁止となっているため、専用室であることと20歳未満立ち入り禁止の旨がわかる標識の設置が必要です。また、「加熱式(指定)たばこ専用喫煙室」は特定の1フロアすべてとすること、室内での飲食が可能となります。

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まとめ

喫煙室や喫煙ブースの設置方法には、適切な場所や設備の選定、助成金や補助金の利用、労働省や保健所との連携などが求められます。本記事で紹介した内容を参考に、喫煙室や喫煙ブースの設置や喫煙室のあるオフィスビルへの移転により、労働環境の向上に努めましょう。

株式会社IPPO取締役 大隅識文

営業担当者 / ハイッテ編集部 監修者

取締役
大隅識文(osumi norifumi)
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】

中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年IPPO(イッポ)を設立。ベンチャー企業が登壇する「Morning Pitch(モーニングピッチ)」の運営に長年携わる。2000社以上の繋がりからお客様同士をマッチングさせることも。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業まで移転取引社数は500社以上、うち居抜きのオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。

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