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居抜き物件のトラブル事例&対策法を解説!事前確認の項目も紹介

居抜き物件のトラブル事例&対策法を解説!事前確認の項目も紹介

更新日:2023.09.14  公開日:2022.10.12

居抜きオフィス・事務所の入居・退去は注意する点が多く、通常の賃貸オフィス移転に比べてトラブルが起こりやすいと言われています。本記事ではどんなタイミングでトラブルになりやすいのか、さらにトラブル事例とその対処法まで紹介します。

【更新日】2023年5月11日

居抜きによるオフィス・事務所移転は、居抜き移転のプロへの仲介がおすすめです。追加費用の発生やスケジュール遅延による目標未達成を防ぐためにも入念にチェックしましょう。

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居抜き物件でトラブルになりやすいタイミング

居抜き物件とは、退去テナントの内装や設備、場合によっては家具や什器を引き継いで入居ができる物件です。通常、退去テナントは賃貸借契約を終了し退去する際に原状回復を行う義務があります。しかし、居抜き退去できれば原状回復義務は入居テナントに引き継がれるため原状回復費用を削減でき、契約終了の直前まで稼働することができます。また、入居テナントは内装費用や設備費用などの削減ができ、内装工事が不要な場合、入居から稼働開始までの期間を短縮することが可能です。コスト削減や移転期間短縮など、大きなメリットがある居抜き移転ですが、確認を怠ってしまったり、然るべき手順を踏まずに進めてしまうとトラブルに発展する可能性があります

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オフィス移転は、スケジュール管理やタスクの整理、公的機関への届出、内装工事の手配などやるべきことがたくさんです。

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オーナーへの確認時

居抜き物件の入居・退去時は、いずれも必ず貸主(オーナー)への確認が必要になります。しかし、貸主(オーナー)の中には居抜きの入居・退去を不可としている場合が多く、居抜きの入居・退去可否の確認時にトラブルになってしまうケースがあります。近年、オフィス・事務所の居抜き移転が増えていますが、最初からオフィス・事務所を居抜きの入居・退去可としている賃貸物件は稀です。

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造作譲渡契約時

居抜き物件の入居・退去では退去テナントと入居テナントの間で必ず造作譲渡契約を結びます。造作譲渡契約書は、何を譲渡・継承するのかを明確にするために作成しますが、その造作譲渡契約書に不備があることでトラブルになるケースがあります。例えば、「テーブル×1」と記載があった場合、会議室Aにあるテーブルなのか、会議室Bにあるテーブルなのか、レストラン席・ファミレス席のテーブルなのかわかりません。メーカー、品番、色、形、個数など詳細を記載することに加え、写真を添付することをおすすめします。

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引き渡し時

入居テナントが居抜き物件に入居して、引き継いだ内装・什器(オフィス家具)を確認する際、予定していた物がなかったり破損汚損していたりするケースがあります。また、引き渡し時は問題がなかったものの、入居後半年以内など早いタイミングで壊れてしまう場合もあります。その場合、古い物を撤去処分する費用と新しい物を購入する費用が掛かり、引き継ぐ側の負担が増えてしまいます。
加えて、リース品の有無がないかの確認も重要です。設備や家具・什器の中にリース品があった場合、料金の支払いをしなければいけなくなります。造作譲渡契約を結ぶ際、購入からどれくらい期間が経っているか、不具合がないかどうか、リース品が含まれていないかなど細部まで確認をし、内容を書面で残しておきましょう

居抜き物件への移転で確認したい事前確認

居抜きによるオフィス移転を検討する際、以下の内容を事前に確認することで、移転トラブルを未然に防げます

居抜き物件による入居・退去が可能か確認する

退去するテナントが貸主(オーナー)から許諾を取ること無く後継テナントを探してしまうとトラブルになる可能性があります。退去するテナントと入居するテナントで話を進めたものの居抜き移転ができない、ということになりかねません。事前に貸主(オーナー)に正規の流れで相談をすれば、居抜きの入居・退去の許可が下りるケースもあるので、貸主(オーナー)の許諾が取れているかどうかを確認するようにしましょう。

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賃貸条件を確認する

居抜き物件の場合、内装の造作は引き継いでも賃貸条件は引き継げません。貸主(オーナー)によっては据え置きのままで認められるケースもありますが、退去するテナントが安い条件で入っていた場合、貸主(オーナー)としては高く貸したいと考えます。そのため、退去後に高く貸せるチャンスと捉えて、相場以上の条件を提示される可能性があります。必ず事前に賃料の確認と、必要があれば賃料交渉を行っておきましょう。

オフィス移転は、スケジュール管理やタスクの整理、公的機関への届出、内装工事の手配などやるべきことがたくさんです。

移転までのスケジュールが短い時こそ、チェックリストを使って、抜け漏れを防ぎましょう。

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居抜き物件の内見で確認すべきこと

居抜きオフィス・事務所の内見の際は、以下のポイントを重点的に確認しましょう。

設備の移動・交換予定の有無

居抜きで入居した物件を退去するときに発覚した問題により、原状回復時にトラブルになることがあります。例えば、空調を会議室の中に含める為、前テナント側が空調を元の位置からずらしているケースがあります。設備の移動工事は費用が高く、自分たちが退去する際の原状回復が高くなってしまいがちです。このようなトラブルにならないように事前に設備の移動をしてるかや、貸室の扉を交換していないか、電気容量を増設してるかなどを確認しておくといいでしょう。合わせて、退去するテナントに原状回復の見積りを依頼し、設備を変更しているかどうか把握しておくと尚良いでしょう。

故障や破損の有無

退去するテナントが設備故障していることを伝え忘れているケースなどもあります。よくあるトラブルの1つとして、机や椅子などの什器の破損です。また、空調が1台故障していた場合、貸主(オーナー)設備であれば貸主(オーナー)にて修理してもらえます。ただし、退去するテナントが増設している空調設備の場合は入居テナントが空調の修理をしなければなりません。最近ではスマートキーや防犯システムを導入するテナントが増えていますが、退去テナントが設置したセキュリティに不具合があり、説明書が無く使えないセキュリティが放置されているということも多くみられます。こちらも併せて確認しましょう。

空調設備(エアコン)の臭い

定期的にエアコンのフィルター清掃をしっかり行い管理しているオフィス物件もありますが、そうでないオフィス物件も存在します。カビの繁殖などにより、悪臭を放っている場合もあるので内見時に確認をしましょう。エアコン清掃費用はまとまった費用が発生するため、事前にフィルター清掃の頻度、エアコンの清掃サイクルなどを確認し、必要であれば入居時にエアコン清掃の交渉をしましょう。

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全ての照明が切れていないか

退去テナントが照明の交換をしないまま引渡しを受けると入居テナントで交換が必要になります。事前に説明を受けて承諾していれば良いですが、知らされておらず自分たちで交換することになると業務に支障が出る可能性があるため、確認しましょう。

内装の汚れ具合を確認

引き渡し状態によって変わりますが、退去時の室内クリーニングは退去テナントに依頼すると良いでしょう。また、内見時は追加で内装を入れずそのまま利用することを検討していたとしても、後々手を加えたい箇所が出てくる可能性があります。内見時に使用するイメージをしながら、どのような内装工事が必要か考えておきましょう。特に、床の張り替えを検討する企業が多いです。

【関連記事】原状回復とクリーニングの違いとは?オフィス退去時の注意点を解説

引き渡し什器(オフィス家具)と処分品を確認

引き渡しの際、什器(オフィス家具)一つひとつに付箋でナンバリングをして、個別で確認できるようにしましょう。また、退去テナントがゴミを置いて行ってしまうケースがあるため、事前の取り決めが大事です。何を残すか残さないかを決め、それ以外の物があった場合、処分費用は退去テナント側で負担するなど調整をしておくとトラブルを防げます。

オフィス移転は従業員満足度を高める採用を強化するために必要な経営課題です。最適なレイアウトを決めるためには、社員へのヒアリングが不可欠となるため、物件選定や内覧(内見)の前にヒアリングシートを使って、オフィスプランニングを行いましょう。ハイッテ by 株式会社IPPOが監修したオフィスプランニングヒアリングシートを無料ダウンロードいただけます。

居抜き物件で入居・退去する際のトラブル事例5選&対策法

居抜き物件の入居・退去時は通常のオフィス・事務所移転に比べてトラブルが発生しやすいです。事例を確認して、予防しましょう。

https://ippooffice.co.jp/hitte2/columns/inuki-taikyo/negotiate-moving-out/

オーナーの承認なしに退去テナントが居抜きの声がけをした時

貸主(オーナー)の中には居抜き不可としているケースがあります。許諾なしで退去する借主(テナント)が次に入居する後継テナントを居抜きで探した場合、トラブルになるケースがあります。さらに、居抜きの許諾を得られていても、SNSへの投稿はNGとする場合があります。

【対策方法】

始めに、オーナーの許諾を得てから居抜き退去の準備を進めましょう。また、後継テナントを探す際にSNSへ投稿をしても良いか確認をとりましょう。賃貸借契約の多くは退去時の原状回復を義務付けられています。居抜き移転は貸主(オーナー)、退去する借主(テナント)、次に入居する借主(テナント)全員にメリットがある手法ですが、イレギュラーであることに変わりありません。くれぐれも勝手に進めることは避けましょう。

造作譲渡の調整時

退去テナントと入居テナントの間で造作譲渡契約の調整中にも関わらず、入居テナントとオーナーの間で賃貸借契約を締結してしまった場合にトラブルが起きます。先に賃貸借契約を締結してしまうと、調整中だった造作譲渡契約の内容を覆して、退去テナントにとって優位な内容に変更することができてしまうため、退去テナントと入居テナントの間でトラブルになるケースです。

【対策方法】
引き渡し状態の詳細を確認することはもちろんですが、造作譲渡契約と賃貸借契約は同時に契約締結しましょう。居抜き移転専門の仲介業者を間に入れるとスムーズに進められます。契約時に入居テナントから退去テナントへ内装や什器の一部を撤去してほしいといった要望があった際に、原状回復よりもコスト削減になるため後継テナントが対応を進めたとします。しかし、解体を行う中で設備環境を維持するための内装工事が必要と判明した場合、その費用をどちらが負担するかでトラブルになるケースがあります。

賃貸借契約時

契約時、入居テナントから「内装の一部を撤去してほしい」と要望があり、退去テナントが対応を進めたとします。しかし、撤去のための解体を行う中で設備環境を維持するための内装工事が必要と判明した場合、その費用をどちらが負担するかでトラブルになるケースがあります。

【対策方法】
内装規模によって一部解体する場合に追加の内装工事を行う必要があります。居抜き物件に入居する際、撤去してほしいものがある場合は置き型の什器や家具に留めておくことがおすすめです。また、可能な限り早めに内装業者との打ち合わせをしておきましょう。

【関連居抜き物件で必要な賃貸借契約書とは?確認ポイントを解説【宅地建物取引士監修】

オフィスの引き渡し時

入居テナントが居抜き物件を引き渡された際に、造作譲渡契約書に記載されたもの以外の退去テナントの残留物があるケースです。入居テナントから退去テナントへ確認を取っても解決しない場合もあります。

【対処方法】
造作物の譲渡リストを作成しましょう。「何を譲渡するか」を明確にすることで居抜き物件引渡し時のトラブルを防止できます。また、クリーニングを行ってから引き渡しを行うかや、どちらの契約期間内で行うかなど詳細を事前に決めておきましょう

原状回復を行う時

入居テナントが数年入居した後に原状回復を行う際に、原状回復の基準仕様書がないことで原状の定義がわからず、原状回復の仕様について貸主(オーナー)・借主(入居テナント)間でトラブルになるケースがあります。加えて、原状回復工事の費用請求が想定より高額になる場合があります。居抜きで入居した場合、前テナントから原状回復工事の義務が引き継がれるため、居抜きで退去しない場合は原状回復工事をしなければなりません。

【関連記事】オフィスや事務所の原状回復工事とは?退去時の基礎知識や進め方、注意点を解説【宅建士監修】

【対処方法】
賃貸借契約時に原状回復に関する基準仕様書を添付します。基準仕様書がない場合は、退去テナントから原状回復の見積りを取得しておきましょう。ただし、退去する際は金額や原状回復の必要箇所に変更がある可能性があるため参考資料として扱う必要があります。

https://ippooffice.co.jp/hitte2/columns/restoration/restoration-lp/

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※()内は8月に追加された新着物件数です。随時、オフィス物件は追加されます。
※毎週更新【8月28日(月)更新】

まとめ

居抜きオフィスは通常のオフィス移転と契約フローが異なり、注意する点が増えてトラブルが起こりやすいオフィス移転の手法です。一つひとつ丁寧に確認し、トラブルが起こりやすいタイミングは特に注意して対応しましょう。居抜きオフィスに特化したオフィス移転仲介業者である「ハイッテ by 株式会社IPPO」にぜひご相談ください。

株式会社IPPO(イッポ) 代表取締役社長 関口秀人

営業担当者 / ハイッテ編集部監修者

代表取締役社長
関口秀人(sekigushi hideto)
宅地建物取引士【東京都知事:第101772号】

近畿大学卒業後、新卒で不動産仲介会社に入社。その後、不動産業界の経験を経て、株式会社IPPO(イッポ)を設立。主要大手デベロッパーとの契約を全て経験しており、何万坪でも対応可能。どの街に、どこが運営している、どんなビルがあるかを把握しており、まさに不動産生き地引といえる。また、不動産業界経験14年の中で、10年以上お付き合いのあるお客様も多く、顧客上場社数は20社以上、顧客EXIT社数は30社以上にのぼる。各企業の成長フェーズに合わせた課題とソリューションのノウハウがあり、関わったお客様は皆上がっていく傾向あり。

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