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様々なビジネスアイデアが登場し、ベンチャーやスタートアップも大手も協業を進める時代です。しかし数年前はベンチャーやスタートアップと大手などはなかなかビジネスとして出会う機会は用意されていませんでした。そんな中登場したのが、ベンチャーやスタートアップ企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的とした早朝ピッチイベント「モーニングピッチ」。参加者それぞれの課題の解決や、ビジネスを促進させる場として毎週行われています。今回はそんなモーニングピッチに関してご紹介していきます。
※2023年8月9日時点での最新情報です。
【更新情報】開催スケジュールを最新しました。
ピッチとは
今回のテーマのモーニングピッチのご紹介の前に、まずはピッチについてお話していきます。ピッチとは、簡単にいえば短いプレゼンテーションのことです。
この語源は英語のピッチ(pitch)。元々は「投げる」「設定する」「調整する」といった意味です。ピッチとプレゼンテーションは非常に似ていますが、やや異なるニュアンスで使用されています。一般的にプレゼンテーションが多数の相手に対し、時間をかけて詳しい説明や提案をするのに対して、ピッチは少数の相手にごく短時間でアイデアを売り込むものとして考えて差し支えないでしょう。
シリコンバレー発の「ピッチ」
ピッチの由来はIT業界の中心地であるアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ、シリコンバレーとも言われています。このシリコンバレーでは新規ビジネスの立ち上げを行う多くの学生やビジネスパーソンが存在しており、日々、新しい技術やビジネスが生まれています。限られた時間の中で投資家やVCは非常に多くのビジネスアイデアを聞かされ、またビジネスマンはどんどんたくさんの人にアイデアを伝えていかなくてはならないため、ピッチと呼ばれる短めのプレゼンテーションが増えていきます。さらに短時間で内容を伝えることから、エレベーターに乗って移動する間の短い間に投資家へピッチを行う、「エレベーターピッチ」という言葉も生まれました。
ピッチで伝えられる具体的な内容
ビジネスプランを短い時間で分かりやすく伝え、理解してもらい、投資家の心を動かすためには、伝える項目はある程度限られます。
たとえば、ピッチ発祥のシリコンバレーでは起業家が伝えるべき内容、または投資家が求めるべき内容としては主に次の5つの項目が挙げられます。
- 何の問題を解決するのか
- 解決策(サービス/ソリューション)は何か
- 市場規模(現状と将来)はどれくらいか
- 誰(チーム)が行うか
- 今後の計画は何か
これらはピッチ以外の日々の業務でも大切なことですが、特にピッチでは重要視されます。この5つの内容をエレベーターピッチとして30秒程度でまとめたり、初めての面会で1分から3分程度で伝える場合もあります。
モーニングピッチとは
モーニングピッチとは、その名の通り上述のような「ピッチ」を「朝」に行うイベントです。
今回ご紹介するのはデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社、野村證券株式会社の2社が共催で開催しているイベント。これは毎週木曜AM7時から開催している、ベンチャー企業やスタートアップ企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的とした、累計オーディエンス65,000名が参加したピッチイベントです。
対象参加者は、大企業(上場会社及びその子会社・法定監査を受けている会社)、ベンチャーキャピタル・金融機関、メディア、官公庁・自治体に限定されており、さらに完全予約制。(予約には会員登録が必須だが会員登録も参加予約も無料)
2013年1月からスタートし、2023年5月時点で全454回、累計2,150社超(年間220社以上)のスタートアップ・ベンチャー企業が登壇しており、そのうち登壇後に上場した企業は約65社以上にも上ります。
スタートアップやベンチャー企業と大企業との事業提携や、ベンチャーキャピタル・金融機関とのファイナンス等のマッチングの場として、毎週5社の企業によるビジネスプレゼンテーションが行われています。
スタートアップやベンチャー企業の課題解決からスタート
スタートアップ・ベンチャー企業が抱える「お金がなかなか集まらない」「知名度がない」「大企業との取引が非常に困難」という課題を解決するための場としてスタートしたのが始まりなんだとか。
スタートアップやベンチャー企業は資金調達が困難であり、主だった実績がなければベンチャーキャピタルなどからの投資も十分に受けることができません。また融資の際には不動産担保など個人保証が求められ、経営者にとって大きなリスクが伴うという日本の土壌も課題と考えられます。そんななかなか信用が得られないスタートアップやベンチャー企業にとって、大企業との連携はまたとないチャンスとなり得ます。
モーニングピッチが開催された当時はベンチャー界隈はベンチャー界隈のみで集まる傾向があった一方、大企業には「何かアクションを起こさないとまずいのではないか」という課題が発生した時期でもあったようです。
時間を早朝にしたのは、本気度の高い人のコミュニティにしたかったからなんだそう。まだオープンイノベーションの取り組みが今ほど一般的に広がっていない開始当初に、就業時間開始前から自主的にスタートアップやベンチャー企業との出会いを求める熱心でコアな層が集う結果となり、その熱いコミュニティの輪が徐々に多くの層へと波及していきました。
また、スタートアップやベンチャー企業は朝が弱いという印象も払しょくしたい狙いもあったんだとか。初回はわずか7、8人ほどの参加者から半年弱で数十人規模になり、その後も回数を重ねることによってどんどん成長しています。コロナ禍でも、リモート開催にいち早く切り替えたことで途絶えることなく、むしろどこからでも参加できるようになったことで参加者が2~3倍に増え、毎週200~300名ものオーディエンスが早朝からリモートで集まっているそうです。
プレゼン対象となるスタートアップやベンチャー企業を選出
モーニングピッチは毎回テーマが定められています。今回はWEBメディア、次はブロックチェーン、そのあとはヘルスケア、といった形で毎回分野を定め、そのテーマに沿ったスタートアップやベンチャー企業が登壇しピッチを行います。直近のスケジュールは以下の通りです。
■2023年8月9日時点の最新開催スケジュール
- 2023/08/24 第467回 大企業発ベンチャー特集
- 2023/08/31 第478回 AI特集
- 2023/09/07 第479回 Web3特集
- 2023/09/14 第480回 ゲーム特集
- 2023/09/21 第481回 EdTech特集
- 2023/09/28 第482回 青山スタートアップアクセラレーションセンター(ASAC)特集
- 2023/10/05 第483回 スポーツ特集
- 2023/10/12 第484回 防衛特
- 2023/10/19 第485回 Climate Tech (気候テック)特集
- 2023/10/26 第476回 大学発ベンチャー特集(協力:1st Round)
モーニングピッチ公式YouTubeチャンネル
YouTubeチャンネルも用意されています。これまでのピッチが観れるというわけではないですがビジネス的に非常に面白い観点のコンテンツがたくさん用意されています。対談やベンチャー関連ニュースやオンライン講座、特集など様々なコンテンツが掲載されています。
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まとめ
ベンチャー、スタートアップの悩み、大手ならではの悩み、投資家の投資先など様々な課題を解決しあえる場を提供しているモーニングピッチ。朝だからこそ熱量高く参加する方や会社が多いのも特徴なんだとか。毎週行われるモーニングピッチからたくさんのアイデアが形になっていくのをウォッチしてみるのもとてもおすすめです!
営業担当者 / ハイッテ編集部 監修者
取締役
大隅識文(osumi norifumi)
宅地建物取引士【東京都知事:第237969号】
中央大学卒業後、マスメディア向け制作会社に入社し経営にも携わる。その後不動産仲介会社に転職し、共同創業者として2018年IPPO(イッポ)を設立。ベンチャー企業が登壇する「Morning Pitch(モーニングピッチ)」の運営に長年携わる。2000社以上の繋がりからお客様同士をマッチングさせることも。シード・アーリー期のスタートアップ企業から上場企業まで移転取引社数は500社以上、うち居抜きのオフィス移転の取引実績は200社以上に達する。