目次
様々なカルチャーが入り混じったエリア神保町に移転をした株式会社SARAHの高橋氏にインタビューを行いました。同社のオフィスへのこだわりやコミュニケーションを重視した工夫は参考になるのではないでしょうか。
<プロフィール>
代表取締役
高橋洋太氏
<事業内容及びサービス概要について>
一皿から探せるグルメコミュニティアプリ「SARAH」を企画・運営。ユーザーが投稿した写真からその一皿の口コミを見ることができ、お店単位ではなく一皿単位でのランキングを見ることができます。『日経トレンディ2020』ヒット予測100に選ばれ、注目を集めているサービスの一つです。
オフィス移転前
オフィスを移転するきっかけ
コロナ禍でオンラインMTGやリモートが多くなった中でも、常にコミュニケーションは重要だと考えていました。アフターコロナを見据えて、コロナ後も使えるオフィスを探そうと思ったのが移転のきっかけです。在宅も時と場合によっては必要ですが、どうしてもコミュニケーションが減ってしまうので、SARAHらしい独自コンテンツを生み出すためにはコミュニケーションが必要だと感じています。
以前のオフィスでは会議室がないフラットな内装でしたが、アフターコロナでもオンラインMTGはなくならないと思っているので、オンラインMTGにも対応できるようなオフィスを探しましたね。
物件選定の条件
坪数や坪単価も大事ですが、エリアは最初から神保町に決めていました。『ネクストカオス』な街にしたかったので、同時に歌舞伎町も検討に上がっていたのですが、今後若者向けのお店が出店しそうなエリアは神保町かもしれないということで神保町になりました。歌舞伎町は黒Tだけ売っているお店や歌舞伎町のど真ん中にこんなお店が…?みたいなのものがあって面白いですが、神保町は純喫茶、カレー屋、古本屋、日本で一番有名なバリスタのお店などいろんな文化が混在している感じがまさに『ネクストカオス』でした。
創業時は代々木上原、その次は浅草橋にいたのですが、どちらも企業同士で仲良くなりやすい風土で情報交換もできていました。エリアの独特な雰囲気があるからこそ、その土地の企業同士が仲良くなれるのかもしれません。
他の事象で起きてるようなことを自分達に置換することで、新たなアイデアを出していくことで自身にも同じことが起きるのではないかと思っています。
例えば、TENETなどの長編の映画が流行っている一方、違法の短編シネマが若者には流行っていることもあったりします。一般的には流行っているものがありながら、若者や一部の人の間では別のものが流行っていることもあります。これを自社にも置換して、今流行っているものに敏感になって、食に転換したいですね。
オフィスの決め手
同じビルにディスクユニオンが入っているのも決め手の一つですが、ザ・オフィスな感じがしないことが一番の決め手です。この規模になると綺麗なザ・オフィスって感じのところしかなくて、他社と同じ内装だとカルチャーも他社と同じになってしまうんじゃないかと思っています。少しでも『SARAH』らしさを出せるオフィスにしたかったですね。例えば、Googleには芝生があったり、ある会社には卓球台があったり独特な内装ってあると思います。その会社らしさがあるからこそ様々な人材が集まって、働き方もアイデアも多様化すると思っています。当社にはそれが必要だと考えているので、ザ・オフィスな感じではないこのオフィスにしました。
オフィスを移転した後について
オフィス移転後の変化
移転後、フォンブースができたのでオンラインMTGが重なってもハウリングしないですし、フォンブースの屋根がないとはいえ比較的静かになったと思います。
また、窓がかなり大きいのでオフィス全体が明るい雰囲気になりましたね。
オフィスのお気に入りポイント
会議室にある社員の子どもたちが描いた絵やレコードを置いている棚のところです。内装は全て拘っているのですが、この2つが特に気に入っていますね。
デスク配置とレイアウト
什器は全て購入したもので、デスクは自分達で考えたものを業者に依頼しました。執務スペースのデスクは敢えてスクエアにしています。6人がけの島だとどうしても隣の席の人と話す機会が少なくなってしまうのですが、スクエアのデスクだと距離が少し近いのでふとした時に会話が生まれるんです。そんな会話の中からも新しいアイデアが生まれればと思っています。
その他の什器は京都や鶴見の倉庫に行って敢えて手入れがされていないものを購入しています。手入れがされていないというのは汚いという意味ではなく、アンティーク調の一点もののテイストのものです。
また、倉庫で購入することで新品で購入するよりも費用を安く抑えられました。
移転して見えた改善点や後悔
移転して大変だったこと
一人当たりの必要な坪数は試算されていますが、本当の適切な広さがわからないですね。事業計画の人員に関しての変数を弾き出して、何年間同じオフィスに居られるのかを計算できたらいいなと思いました。コミュニケーションスペースやフォンブースも考えると一人当たりの必要な坪数よりも広めに取らないといけないかもしれないと感じています。例えば、移転前のオフィスにセンサー置いたりして、オフィスの利用状況をデータ化したものと事業計画を掛け合わせて、どのくらいの広さがいいのかを自動的に計算できれば、移転検討の際の広さの選定がもっとスムーズだったと思います。
今思えばやっておけばよかったこと
フォンブースの上に屋根つけておけばよかったと思っています。消防法の関係で屋根つけれなかったのですが、いざ使ってみると上から声が漏れてきて少し気になってしまいます。もちろん、フォンブースの壁があるおかげでオンラインMTGを数人がしていても騒がしいわけではないですが…。
オフィスを構える理由
現在のオフィスの稼働状況
現在の出社状況は8割出社にしています。コロナ禍の影響で週2出社にしていたので、今は移行期間としてできるだけ出社するようにして、1月以降はフル出社で予定しています。検証しながら出社形態は柔軟に変更して行ければと思います。
オフィスの価値
感情の共有とアイデアの創造のために必要だと考えています。
感情の共有の点では、オンラインMTGは目が合わず、感情を伝えるのも感じ取るのも難しいと思っています。例えば、挨拶の温度感を見て元気がなさそうだったらチームでケアをすることができるのですが、オンラインだとそれがしにくいですね。物事を推進していくときにはチーム全員の熱量を上げていくほうが効率もいいので、直接のコミュニケーションを重視しています。
アイデアの創造の点では、雑談から生まれるアイデアもあると思っています。
弊社ではデスクを敢えてスクエアにしてふとした瞬間の会話が生まれるようにしたり、その他には駄菓子コミュニケーションも行っています。駄菓子がいっぱい置いてあるエリアがあり、そこでコミュニケーションの活性化を図っています。世代ごとにお菓子の流行があるみたいで、そこから新しいアイデアが出ることもあります。忙しい人を捕まえるのは常に難しいものの、直接だとMTGが早く終わった時に気付きやすいので話しかけるのもできますが、オンラインだとそれができないですよね。
感情の共有を行うことでチームのケアをできるだけでなく、プロジェクトを効率良く推進でき、さらには新しいアイデアが生まれる可能性を秘めていて、オフィスを構えることのメリットの方が大きいと思います。
オフィス移転を検討している方へのアドバイス
オフィスのコンセプトを作るのは大事です。弊社ではみんなでオフィスを作っていくコンセプトにしていて、そうすることで社員が会社に行くのが楽しくなると思います。実際に、内装の一部は社員とその家族で作っていて、この壁にある絵は社員の子どもたちが描いた絵なんです。
これからも『カルチャーを育てるオフィス』というテーマでどんどん作って行くので、もしかしたら当社のオフィスは来年にはまた違った姿になっているかもしれません。
ハイッテ編集部からの一言
サービスや商品の評価としてユーザー生成コンテンツ(UGC)が注目される近年、そのユーザー生成コンテンツで一皿単位の評価を見ることができる画期的なサービスを展開している同社。オフィスのエリア選定に利便性や同業やクライアントが多いエリアを選ぶ企業が多い中、同社は斬新な発想ができそう、という理由で神保町に移転をしました。確かに、いろんな文化が混在するエリアだからこそ、そこから斬新なアイデアも生まれるかもしれません。
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営業担当者
シニアセールス
山岸耕(yamagishi ko)
大東文化大学卒業後、NGO団体に所属。夢や希望を持った人をサポートすることにやりがいを感じ、スタートアップへのサポートが強い株式会社IPPO(イッポ)へ参画。VC(ベンチャーキャピタル)との親交が深く、アクセラレータープログラムなどイベントにも多数参加。VCとのアライアンスに携わっており、スタートアップへVCの紹介も行っている。また、オフィス移転レクチャーを勢力的に開催。顧客の相談役として厚い信頼を受けており、顧客の上場数は2022年度社内NO.1。