目次
今回はインターネットの力で既存産業を強くする「ガゼル企業」の創出を目指し、様々な活動をされているGazelle Capital株式会社の初見氏にインタビューさせていただきました。銀行員の経験を経てジョインした初見氏。元銀行員ならではの視点や注目するポイントについてのお話がとても参考になりました。ぜひご一読ください。(ガゼル企業:雇用創成と成長力が著しい企業)
Gazelle Capital株式会社
ファンドマネジメントチーム
キャピタリスト
初見 洋介 氏
Gazelle Capital株式会社について
特徴・強み
弊社が展開している「スタートアップ投資TV」というYouTubeチャンネルで情報発信も行っている点や、少数ゆえの俊敏性・新しいことへ挑戦する際の障壁の低さということも大きな強みだと思っています。
また、私自身、起業家であり投資家でもあるという人の下で働きたいと思っていたのですが、代表の石橋自身もファンドを設立していたり別法人で酒販店を事業承継してLocal Local株式会社を運営している点で、起業家マインドも持ち合わせており、より顧客に寄り添った多角的な提案ができていると思っています。
投資先のターゲット
既存産業×ITの領域で事業展開している会社を中心とした投資や、シード期に特化している事、リード投資をメインとしハンズオンで支援や投資家ネットワークを活かした調達支援、ファンド出資者でもある既存産業領域の事業会社を巻き込んだ支援を実施しています。
その他、ファンドに投資している方々のネットワークを活用しながら投資先のサポートも行っていたり、スタートアップやベンチャー向けに投資に関する情報発信のためYouTubeチャンネルの運用も行っています。
投資する際のポイント
既存産業にITの力を入れるとなると、膨大な資金が必要となります。例えば各ラウンドで10%ずつ調達し、5ラウンド(シード、A、B、C、D)最終的に自分たちで内部保有シェアが50%保有というのは稀なケースで、どこかのタイミングである程度の規模でまとめて調達し、一気に事業を伸ばすフェーズが来ることが多いので、そのあたりの最初のお金の使い方というのは、銀行融資や補助金、助成金などを用いながらも上手く活用していくのは大事だと思っています。
その他投資する際に注目するポイントとしては、チームが大事だと思っています。創業期は特にプロダクトも無ければ、BSやPL、事業計画もあって無いようなものだと思います。創業者が今まで積んできた経験の中で見つけた社会的・産業的なペインを解決していきたいというのが最も理想的な流れだと思うので、その解決を達成し得るか否かが大切だと思います。
初見氏について
VC業界で働いている理由
前職は新卒から銀行員だったのですが、そこでイノベーション企業支援部というVCにLP出資したり、未上場企業のスタートアップをIPOまで支援していくような部署におりました。その中でVCの方々のソーシング力や見極め力などを勉強していきたいと思うようになり、弊社代表の石橋と出会い、本格的にVC業界で働くきっかけとなりました。
銀行員時代から日本の産業を盛り上げたいという思いがあったものの、金融機関系のVCの場合、シリーズAやB、ミドル寄りの企業が対象となってしまうことが多いです。個人的には創業期のシード企業を支援したい日本に起業家を増やしたいという思いが元々あり、VC業界に興味を持ちました。
最近注目している業界
注目している業界として、GDPの多くを占めている商業や不動産・建設・物流業界といった既存産業領域ですね。GDP比で日本を見てみると、バーティカルSaaSと言われている建設や不動産などが50%以上占めています。それ以外のITなどの情報分野に分類されているものは、実は全体の10%ほどしかありません。だからこそ既存産業領域にITを導入するべきだと思っていますし、導入することで日本のGDPを更に上げることができるのではないかと個人的には考えています。
そもそも前職時代に、不動産や建設系企業を担当していた頃、未だにFAXやホワイトボードを使い手作業で管理していたりするケースが多くある現状を知りました。そのようなアナログな部分をデジタル化し、クラウド管理に移行することも大いに可能だと思っています。建設業界は今や何十兆の市場規模となっているのに対して、人材が不足していくことが予想されています。このような状況に対する課題として、一つ一つの業務をより高効率にしていく必要があると思うので注目しています。
今後の展望
銀行員時代に介護や福祉、医療業界を担当していなかったので、今後このようなバーティカルSaaS領域に触れていきたいと思っています。加えて、実際に触れてみないとわからない部分も多くあると思うので、あらゆる新鋭サービスを利用している既存産業の現場に行き、肌で感じたことを業務に反映していきたいと考えています。
編集後記
日本の既存産業を更に強くしたいという明確なビジョンのもと同社にジョインした初見氏。現場で実態に触れ、体感することで的確な支援を目指していきたいとの事。実現することで日本のGDP成長にも大きく寄与することでしょう。
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