2020.10.21
かなり前に、ドワンゴの役員の方とランチをした際に出たフレーズが
あまりに印象的過ぎて、事あるごとに思い出します。
「バズる広報って事件だと思うんです。アガサクリスティーが失踪した、ひろゆきさんが失踪した笑、ってもう事件じゃないですか?だからこそバズる。別に失踪する必要は無いんですけどね。笑」
確かに、と妙な納得感を感じたのを思い出します。
と同時に、思い出す印象的な事件がもう1つ。
うどんと言えば香川の讃岐うどん。
A「香川出身なんですよね~」
B「あぁ、うどんの!」
もうテンプレートのやり取りかと。
さて、主題は、香川県が実施したPRが“巧かった”という話なのですが、
当時、東日本大震災の影響などもあり、
また東海地方のイケメン武将PRや何かも落ち着きをみせ、
地方発ネタが枯渇してきていた矢先に
「県名を変更する」というあまりにもセンセーショナルで、
しかも「うどん県」に改名するというありえない
(と誰が聞いてもキャッチーなほどの)仕込みで
瞬く間にソーシャルで広がり、
副知事・要潤の記者発表から3時間後くらいには
ヤフートピックスにも掲載されていました。
ネタの仕込みや、ストーリーの作り込みもそうなのですが、
拡散の仕方が巧かったと感じています。
特にtwitter、Facebook上での拡散のあり方は異例だったのではないでしょうか?
ノンフィクションさながらの情報として発信され、
TWやFBでテキストだけキャッチアップすると
「まぢかっ?!」となる。
香川県のオフィシャルアカウントから発信された
「香川県をうどん県に改名すると副知事が発表」というテキストだけ見ると、
(しかも、関係性の深い人がRTしていたりするのを見ると)
「えっ!?」とか「ないわ~」とかなりますよね。
すると今度は、
香川県に縁の深い人たちは、口伝えにその情報を拡げはじめる。
軽く、えらいこっちゃのコミュニティがポツポツと出来上がっていく。
おもに「テキスト」で拡散される
ソーシャルウェブを巧に活かした例だと感じました。
また、webでの発表は微妙に遅らせることで、
真実味を帯びさせザワザワがピークに達してきたところでネタばらし。
「そんなうまいこと行きませんやん」
と思われるかもしれませんが、
私含め、私の周りもしばらくザワザワしていたのを思い出します。
広報は事件だ。
IPPO中川