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ビジネス2020.10.17ポジショニングマップ
事業や商品の販売戦略を立てたり、
CI/VIやweb制作におけるデザインコンセプトの策定時なんかにも、
“どこに対象を位置させるか”を決めるのに、
ポジショニングマップと呼ばれる2軸のマトリクスを用います。
例えばデザインコンセプトを策定すると仮定して、
横軸に男性的/女性的、縦軸にカラフル(多色)/単色(シック)
といった具合に規定し、競合他社のサイトをマトリクス上に配置し、
対象とするサイト(デザイン)をどこに位置させるかを見極める訳です。
(リニューアルの際は、現状のポジショニングを示したうえで、
リニューアルによりどこに位置させようとしているかを示したりします)
商品(やサービス)のポジショニングを策定する際にも
同じ手法を用いますが、上記と異なる点として
認識しておかなければならないのは、
マッピングを行った際、対象商品をプロットするのは、
極力”空白領域”であるのが望ましいということです。
但し、対象事業において単純な軸でマッピングした際に
存在する”空白領域”には注意も必要です。
なぜかと言うと、
・その領域に顧客がいない
・その領域に顧客はいるが、収益性が低かったり、
技術的ハードルが高い等の理由で空白領域になっている
可能性が高いからです。
例えば、牛丼チェーンがあるとして、
横軸を安価/高価、縦軸を国産/外国産としたとします。
恐らく、”外国産で高価”のセグメントには空白領域が
存在すると思いますが、顧客はいない可能性が高いですよね。
また、複数のマトリクスを用いてポジショニングを
策定するケースもあります。
これは、特に飽和状態にある市場で有効な手法です。
缶コーヒー市場で例を挙げると、味やデザインのポジショニング
マップには市場性のある空白領域が存在し難い状況です。
味でいうと、横軸:加糖/無糖、
縦軸:ブラック/ミルク感みたいな感じです。
なので、人気タレントのCM起用やキャンペーンの多用、
インフラ部分で言うと、自販機設置場所の争奪戦により
パイを取り合うのが常だったわけです。
そうした状況下で『時間』という軸を設定し、
市場が存在する(した)空白領域に上手くプロットしたのが、
WONDA”モーニング”ショット(アサヒ飲料)でした。
最も理想とされるのは、極力戦わずして勝てる状況を
創り出すことなわけですから、まずは戦地をどこにするか
(ベンチマークをどれにするか)の見極めは、非常に重要な工程ですね。
IPPO中川