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ビジネス2020.10.03知恵の出る公式
岩井虔 著
『そう考えると楽ですね―松下幸之助との日々』
の一節です。
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松下が、ある営業幹部を指導しながら話した
「知恵の出る公式」を紹介したいと思います。
「君な、商売は知識でやるもんやないんやで、知恵でやるもんや」
「はい、分かります」
「では、知恵はどうして出てくるか知ってるか」
「・・・・・?」
「分からんか君、やっぱり知識は必要やで」
「えっ?」
「しかし知識だけじゃいかん。知識に熱意、情熱を掛けないかん。
それは足し算と違う。掛け算や」
「なるほど」
「そして、それに経験、実践を加えないかん。それが知恵の出る公式や」
「つまり<知恵=知識×熱意+経験>、これが松下幸之助流の
知恵の出る公式というわけですね」
「まあ、そういうことやな。経験も大事なものや。では、もう一つ聞こうか。
君、経験には3つの種類があるが、知っとるか」
「さあ、何でしょう。分かりません」
「それは、大の経験、中の経験、小の経験というもんや」
「そ、それは・・・」
「しかし、経験そのものには大も中も小もない」
「えっ?」
「それは君自身の経験から受けた感受性、感動性が強いか弱いかによって、
大の経験にも中の経験にも小の経験にもなるもんや。だから君たちは、
すべからく感受性、感動性は、人一倍持つべきや」
「はい、よく分かりました」
この知恵の公式によく似ているのが、
京セラの稲盛和夫さん(現名誉会長)の提唱する
「成功の方程式」です。
稲盛さんは、人生でも仕事でも、
どの程度成功するかという結果には、
一つの関係式が成り立つ言われています。
それは、
<結果=能力×熱意×考え方>という方程式です。
しかも稲盛さんは、能力には0から100まで、
熱意にも0から100まであるが、
考え方にはマイナス100からプラス100まである。
だから考え方がマイナスだと、
せっかく能力が高く、熱意があっても、
それが全部マイナスになってしまうとおっしゃってます。
考え方、つまりは心持について、
松下幸之助は「素直」ということの重要性を説いた人でした。
松下の言う「素直」は、単に人の言うことをそのまま受け取る
というようなニュアンスの言葉ではありません。
何が正しいのかを考え、どうすれば自他ともの益となるかを問う。
つまり、自分の私心や先入観にとらわれないで、
物事の本質は何かを考え、それに基づいて判断するというような
態度を「素直」と表現したのでした。
知識を「知恵」に高めるには、このような心持を意識して実に付けて
行こうとすることが必要だと思うのです。
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では本日も知恵を絞ります。
IPPO中川