2020.07.20
まず、前提として、デザイナーとしての成長フローを記しておきましょう。
オペレーター<デザイナー<(商業デザイン分野での)アーティスト
■それぞれの差
オペレーターは”言われた通りの表現”しかできません。
デザイナーは”言わんとしていること”を表現します。
アーティストは”言わんとしていること以上のもの”へ昇華させます。
それぞれの間で異なるのは、
“引き出しの数”と”マッシュアップスキル”です。
企画と同じですね。
マッシュアップスキルはセンスと還元しても良いかもしれませんが、
これもある程度は磨けるものです。
■デザインスキルを向上させるためのプロセス
配色やレイアウト、タイポグラフィックなどの教科書的な話は
教科書から学びましょう。
教科書で無くても、”トレンド”からも盗めます。
トレンドは順繰りだったりもするので、
デザイントレンドの潮流や歴史に目を通すのも一つです。
それ以上に”現場”で対峙する”デザイン”の過程において、
APとデザイナー/上司と部下でどういった”約束事(チェックポイント)”を
設けておくのが良いかと言った話をします。
これはデザインプロダクションでもおなじことです。
①課題の理解
デザインは課題を解決する為の方向性を示す行為です。
なので、全ては課題の理解から始まります。
課題を理解できていなければ、方向性も定まらず、
トンチンカンなアウトプットになってしまいます。
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②イミテーション/ベンチマークの設定
課題を理解し、方向性が定まると、おのずとデザインのマトリックス上に
同一ゾーンのベンチマークが見えてきます。
その中から最も近いであろう対象をイミテーション対象にします。
ウェブで探しても良いし、年鑑等からキャッチアップしても構いません。
部分部分でイミテーションが複数ある場合もあるでしょうし、
一つのイミテーションが全て包括している場合もあるでしょう。
(ここまではプランナーが行ったり、オーダーの場合はクライアントが
設定していたりもします)
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③まずはベンチマークを雛形に与件を落としこむ
まずはシンプルに”マネ”ます。
模写することは、オペレーターでもできることです。
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④個性付け
その上で課題を解決する為の足し算/引き算と、
テーマやクライアントの持つカラーやトーンに併せる為の
調整を行います。
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⑤驚きをプラス
その上で、”驚き”のギミックを加味できると
よりベターです。
これは、表層的なデザインではなく、
動的なもの/機能的なことの場合もあると思います。
このプロセスを徹底すると、
所謂デザインロジックもおのずと付いてきます。
※一つの方向性に対して
課題は<①こう>だから、デザインの方向性は<①ここ>ですよね。
例えば、この方向で参考になる(トレンドの)競合/他社事例には
<②こういったもの>があります。
(企業や商品等の)特長やカラーは<④こう>なので、
アウトプットすると<③・④このように>なります。
その上でより<⑤○○する為にこんなギミック>を用意しました。
上司やAPがチェックするポイントも①~⑤となりますし、
デザイナーはそれらに答えられる状態にあるはずです。
これを反復していくと、いちいち探し出さなくても、
②・③のプロセスを端折れるようになっていきます。
このプロセスを共通ルールに、
デザインレベルの向上を図れたらと思います。
「優れたアーティストは真似る。偉大なアーティストは盗む」
by パブロ・ピカソ
IPPO中川